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　金融関連情報を中心として国際的にニュースを配信する通信社｢ロイター｣のサイトから『アレサ・フランクリンさん死去、各界著名人の追悼コメント』に黙祷。

　もちろん何を聴いても、全てのパフォーマンスが最高なのだが、訃報に接して真っ先にプレイしたくなったのは、やはりバカラック／デヴィッドの名曲「小さな願い」だった。



　アレサ・ヴァージョンは、やはり黒人女性歌手でバカラック／デヴィッドの作品を多く歌ったディオンヌ・ワーウィックのカヴァーなのだが、パワフルな歌唱と大胆なアレンジでインパクト絶大だからか、こちらの方がオリジナルと思われているかも知れない。
　バカラック自身も、最も多くの曲を提供してきた同志・ワーウィックのオリジナル版より、アレサ･ヴァージョンの方がお気に入りだった、なんて話もある。


　記事中で、現職・トランプ大統領も追悼の辞を表明しているが、「取って付けた」感は否めない。

　黒人・女性の地位向上のムーブメントに大きな影響を与え、カーター・クリントン・オバマと歴代民主党政権が発足する際、イヴェントで歌唱を披露。トランプ氏を共和党の大統領候補に選出する予備選挙において、支持を表明しなかったジョージ・ブッシュ大統領から自由勲章を授与された人物である。

　意にそぐわない人物を持ち上げるなぞ、トランプ大統領らしくないし、昨今暴露本を出版したアフリカ系の元補佐官を罵倒するなどして、もともと低い黒人系の支持を更に喪った失態を挽回しようと、アレサ・フランクリンの死を利用しているのなら、不謹慎なことこの上ない。


　聴く者の心を鷲掴みにして、瞬時にホール全体へ一体感を醸成した「ソウルの女王」の気高さは、口汚く他者を罵倒し、相互に敵愾心を煽ることで自身への支持を固めてきた「裸の王様」なぞ、凄まじい程の声量で吹き飛ばしてくれよう。


　次の大統領就任式で、アレサ・フランクリンの国歌独唱を聴くこと叶わぬのが、つくづく残念でならない。


　合掌