• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

midnightbluelynxのブログ一覧

2018年09月13日 イイね!

配船

配船 業界紙・建設工業新聞のウェブサイト「kensetsunews.com」の本日付配信記事から『関空連絡橋で復旧工事/1千t超の損傷桁を起重機船で吊り上げ』に注目。

 先の台風21号の強風でコントロールを喪った内航タンカーの衝突で損傷した、関西空港連絡橋復旧工事の話題。
 一般紙やテレビ報道でも扱われていたので、作業の映像は各位ご覧になられたと思うが、同じ事象を報じる記事でも、業界専門紙だけあって、起重機船の船名および撤去対象の桁のズレ幅・重量まで明記されているのが読みどころ。

 個人的には、よくも国内最大級・3700tの吊上げ能力を持つ起重機船のスケジュールが空いていたなと思った。
 深田サルベージ建設(株)の起重機船「武蔵」は、その圧倒的なスペックから”恐竜橋”こと東京ゲートブリッジの架設工事に従事するなど、港湾・沿岸部の巨大構造物設置工事に欠かすことができない。

 河川•海洋での工事が忌避される台風シーズン真っ盛りであることが逆に幸いし、手掛ける現場が無かったことから被災後1週間での配船となったものと想像する。



 関東でも、ちょうど10年前に似たような事故があった。
 首都高5号線下り・熊野町ジャンクション付近で、出光興産の荷を運んでいた多胡運輸の20KL積タンクローリーが横転、漏れだしたガソリン16KLおよび軽油4KLに引火し大火災となった。

 事故が発生した下り線は重層構造の下層で、鎮火まで5時間も猛火を浴びた上層の上り線は、高熱で軟化し下垂してしまった。


 首都高では、現場検証後すぐに復旧工事に取り掛かったが、狭隘な都心では新設工事ですら施工に困難が伴う。況してや暫定的に上り線との対面通行で仮復旧した下り線や、周辺の一般道および近隣の住環境に影響を与えず、損傷した桁を架替えるのは極めて難しい。

 ところが、施工業者および桁製作メーカーの献身的な尽力で、僅か73日で本格復旧に漕ぎ着けてしまった。
 この経緯は、当時の日経コンストラクション(参考情報URL参照)に詳しいので、是非にも参照されたい。
 我が国建設業界の、凄まじいまでの底力を垣間見ることができる。


 石油製品を輸送中の事故、鋼製の桁が2径間損傷、架替が極めて困難な現場という共通項があるが、もう一つ。驚くような短期間で復旧工事を完遂する…という実績も、きっと共通することだろう。




 熊野町ジャンクションの火災事故では、復旧工事費20億円および逸失利益25億円の合計45億円の賠償を求め裁判が起こされ、多胡運輸に対し33億円、同社が加入する共済組合に対し11億円余りの支払いが命じられた。

 共済組合からは支払が実行されたが、多胡運輸は信用を喪失し事業停止、賠償確定を以て破産している。

 さて関空連絡橋の事故では、後始末がどうなることか。
 成り行きにも注目していきたい。





Posted at 2018/09/15 13:08:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2018/9 >>

       1
23 456 7 8
9 101112 13 1415
16 17 181920 21 22
23 2425 2627 2829
30      

愛車一覧

メルセデス・ベンツ Gクラス カブリオ メルセデス・ベンツ Gクラス カブリオ
 G320カブリオ(V6・ミッドナイトブルー)を愛車にしています。  息の長いGクラスで ...
その他 その他 その他 その他
 サントレックスの軽規格折りたたみトレーラーです。以前所有していたキャンピングトレーラー ...
メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック) ジュラシックワールド・オフィシャル (メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック))
G550 as a movie star! Coming soon.
メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック) ドイツ連邦軍多目的車輌「ヴォルフ」 (メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック))
 ドイツ連邦軍が1989年~1994年にかけて10,000両以上もの大量調達を果たした軍 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation