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2020年04月17日 イイね!

陸軍

陸軍 きっかけは、4月から配属となった勤務先部署の後輩職員に、結婚式への参列を請われたことだった。
 歳相応の身形ができるようスーツや靴は整っているが、実は長らく腕時計を使っておらず、ちゃんと機能する時計が手元にない。

 ではそれまで、時刻は何を見て確認していたのかと言えば、30代までは鉄道時計をポケットに入れていた。
 プロユースのアイテムだけに、極めて精度が高いだけでなくタフさも兼ね備えた優秀な時計で、今でも職場の机上で置時計として機能しているが、大切な時計であることと、リューズのギザギザでズボンが傷んでしまうため、電池交換などのタイミングを除き持ち歩く機会は滅多にない。
 その後は携帯電話~スマートフォンを所持するようになり、時刻の確認はそちらで済ませてきた。

 若い頃ならば、「オレは時計なんぞに縛られないぜ!」と突っ張っていられたが、齢50も近くなって同じことを叫んだら、常識を疑われかねない(汗)。
 後輩の奥方や、親戚各位に「変な先輩がいる会社だなぁ」とも思われたくないので、ここは習慣を変えて腕時計を探すことにした。


 自分なりに定めた、欲しい時計の条件は以下の通り。
〇アラビック・インデックスであること(鉄道時計で見慣れている)
〇オートマチックまたはソーラー充電式であること
 (電池交換の面倒を避ける+災害時に電池切れとなるリスク回避)
〇左リューズであること(左利きなので右手装着)
〇パーペチュアルカレンダーであること(日付の調整をつい忘れる)

 ただ、幾ら探しても条件に合う時計が見付からない。
 最もハードルが高いのはパーペチュアルカレンダーで、機械式クロノグラフでパーペチュアルカレンダー機能付きとなると、クルマを買うような値段になってしまう。
 左リューズでアラビックインデックスのオートマチック、価格は〇十万円というドイツ製の時計を見つけた際は正直グラっときたが、パーペチュアルカレンダー機能付きのモデルではないため、価格との見合いで見送ることにした。

 ちょっと条件が厳しすぎる?無いものねだり?と諦めかけつつ、選択条件を一旦フリーにして、ミリタリーモデルの時計を物色していた時に、その時計が目に留まり一目惚れしてしまった。


 カシオが展開するタフギア「G-SHOCK」が、イギリス陸軍とコラボした「MUDMASTER GG-B100」。通常モデルのベルトがブラックまたはグリーンなのに対し、迷彩柄となっている。また余ったベルトを止める金具の表面には、獅子を戴く王冠に剣が交差する、英国陸軍旗の文様があしらわれている。

 「G-SHOCK」にはソーラー式のモデルもあるが「GG-B100」はバッテリー駆動のみ、インデックス上ではアラビア数字が12・3・6・9時だけで、この点は条件から外れる。
 一方でコンパス・温度計・気圧計・高度計・万歩計のほか、Bluetooth機能を搭載しスマートフォンと連動させる(専用アプリのダウンロードを要す)ことで、海外旅行時の現地時刻合せや、移動時のログを時刻・位置座標・標高とともに地図上へプロットする機能を備えている。
 見た目アナログ時計ではあるがベースはディジタル時計なので、そもそも右にも左にもリューズはない。
 
 そして、液晶表示窓を備えており、ディジタル時計では当たり前の万年カレンダー表示ができるようになっていて、日付の調整は必要ない。


 このモデルの紹介記事を閲覧した時はまだ発売前だったので、時間を掛け十分検討を重ねて、通販サイトの予約受付開始と同時にオーダーを入れた。
 その時計が、今日届いた。

 
 英陸軍旗の文様をカラーでプリントした、少々大きめの迷彩柄ケースに納められていて、プレミアム感は十分。
 実際に装着してみると筐体の厚さが目立つが、作戦中に手袋を嵌めたままでの操作性に鑑みてボタンを大きくしており、仕様には明確な合理性がある。
 その大きめなボタンは左右に配置されていて、かつリューズと異なり回転する操作がないので右手に装着しても違和感が無い。
 ベルトは樹脂製だが、バックルの爪を通す穴が、下側ベルトのほぼ全長に亘って穿たれていて、蒸れの不快感を緩和してくれそうだ。

 これを着けたら、愛車はワンテンといきたいところだが、ほぼ同じキャラクターのゲレンデでも、悪くはなかろう。
 むしろ親和性が高すぎて、傍目には………あ、そういえば後輩の結婚式参列に適した時計を探していたんぢゃなかったっけ。

 幾らハイスペックなモデルと云えど、迷彩柄の時計で晴れの宴席に馳せ参じるわけにもいかず、また別の時計を探さねば。





 この時計に関連して、知ることになったトリビアを一つ。

 英国海軍は「ロイヤル・ネイビー」
 英国空軍は「ロイヤル・エアフォース」
 では英国陸軍は?

 「ロイヤル・アーミー」とは呼ばず、フラットに「ブリティッシュ・アーミー」となっている。

 これは、海軍・空軍が国王大権に基づく常備軍である(よって王立=「ロイヤル~」となる)のに対し、陸軍だけは国民から選出された議会の許可の下で「臨時に」編成される実力組織であるという違いに根差している。
 なお、「ブリティッシュ~」の称号の通り、北アイルランドは含んでおらず、同地は海外領土の扱いとなる。

 そもそもイギリス憲法では、常備軍として陸軍を保持することを禁じており、現在でも一定期間ごとに議会が陸軍設置の許可を下ろしている状態である。
 勿論のこと、実態としては陸軍も含めすべての実力組織が常備軍であることには変わりがない。

 イギリス憲法は「マグナ・カルタ」以降の法律条文や判例の積み重ね(不成典憲法)で、単一の成典にして改憲手続きの条件を厳しく設定している日本国憲法と異なり、改憲のハードルが遙かに低い。
 既に形骸的しているにせよ、強力な文民統制の意志を示す手段として、憲法条文と議会手続きを残しているのだろう。


 腐れ保守は、日本の憲法9条が世界的に見て非常識であるかのように喧伝するが、何のことは無い。議会制民主々義の先駆者たる英国には、陸軍に限ってではあるが「戦力不保持」の条文が生きているのである。


Posted at 2021/06/06 00:51:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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