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2024年05月24日 イイね!

実機

実機 今日は昼前から、例年この時期に開催される「建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」(会場:幕張メッセ/会期5/22-24)に参加してきた。
 過去、参加した際の様子を記事にしているので、併せてご参照いただきたい。
 2018(平成30)年に第1回を開催して以来、2020(令和2)年の第3回がコロナ禍に因り翌年にスライドされた以外は連綿と毎年開催され続け、今年は第6回を数える。

 展示の主力は、初回から今回に至るまで、ICT化された建設機械の実機であるが、これらを用いて施工効率や品質の向上を図る施策は、当初「情報化施工」と呼ばれていた。
 その後、レーザースキャナ機能を備えたドローンやトータルステーションなど、進化した測量技術によって三次元データを迅速かつ安価に取得できるようになり、そのデータを建設機械に取り込んで自動化を推し進め、更に施工効率・品質の向上を期す施策「i-Construction」へとアップグレードしている。
 イヴェントのタイトルに「測量」が付されているのも、「i-Construction」を支える技術的基盤が、ICT建設機械だけでなく測量分野にも置かれているからである。
 現在はあらゆる産業分野で、いわゆる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が推進されている状況の下、建設業界においても安全対策(接触事故や熱中症の防止)・現場環境の改善(女性や高齢者、新規入職者の活躍)・設計や施工計画立案など、川上/川下/周辺分野にまで新しい技術の開発や製品の投入が進められており、出展企業の裾野は、開催当初からすれば大きく広がっている。

 その一方でコロナ禍に因る展示会中止があったように、このようなイヴェントに参加するための広告・宣伝費が、各社で大きく削減されてしまった影響で、展示内容が些か”ショボい”ものになってしまっていた点は否めない。
 以前であれば建設機械の実機を持ち込んでいたメーカーやレンタル会社が、パンフレットやカタログのみ配置となったり、ブース内に設置したモニターで画像を紹介するだけの展示となったりしていた。

 コロナ禍が終息し、制限なくイヴェント事が開催できるようになっても、花形だった筈の巨大なICT建設機械の実機はなかなか戻って来ず、建設現場全体を俯瞰したDXを進展させるデバイスやシステム、現場環境改善や安全性向上に資する資機材の紹介など、どちらかと言えば小ぢんまりした、ややダイナミックさに欠ける展示にシフトが進んでいた。


 ところが、今年は状況が一変。メーカー・レンタル会社・先進的な工法の施工会社ともに実機展示(汎用機だけでなく舗装機械や杭打機なども)に回帰。測量会社でも、航続距離やペイロードに余裕がある大型ドローンのみならず、ヘリコプターの実機を持ち込んで展示している社があった。
 ほぼ全てが公道走行できない(クローラ装着/サイズオーヴァー)建設機械で、会場への搬入だけでなく、撤収に際しても大変な手間を要することだろう。

 展示社には海外企業も目立ち、中国やドイツ等のメーカーが、掘削機械や公道走行不可の大型ダンプなどを実機展示し、強力にアピールしていた。
 為替の動向が海外企業には極めて不利に働いているが、舗装機械などを除き、汎用機はほぼ国産で占められている日本市場での、将来的なシェア確保を見込んでいるものと推測する。
 ただ、海外企業の参入拡大については為替の問題も然ることながら、長期的には縮小傾向が予想される日本の建設市場での勝算が見込めるものか、少なからず疑問を感じる。

 これまでの各開催回次に参加してきた中で、今回初めてと思われる展示が、中古トラック販売を手掛ける企業の出展だった。
 低床トレーラーやセルフローダーなど、建設現場で多用される車種の実車を持ち込むなど、こちらも大変力を入れていた。
 建設機械を含めても、アタッチメントのデモンストレーションに用いるベースマシンを除き、中古車両を中心に据えた展示は見たことが無い。
 新車の納車が遅れ気味な状況下で、膨大な在庫から顧客要望の仕様を探すだけでなく、顧客要望の架装を新たに施す/車両間で架装をスワップするといった対応も受け付けているとのことだった。


 建設産業における技術の最先端を垣間見たのみならず、現在の建設産業が抱える問題点、社会経済から受けている影響についても考えることができた、充実の見学を通じ、CPD3ポイントを得て幕張メッセを辞した。





プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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