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2020年07月16日 イイね!

委託

委託 老舗有力経済誌・東洋経済が運営するサイト「東洋経済ONLINE」の配信記事から『「日本式」がベスト?岐路に立つ英鉄道の民営化~コロナ禍で「フランチャイズ制度」見直し論』に注目。

 コロナ禍に苦しむ鉄道事業運営について、鉄道なる運輸システムそのものの始祖にして民営化の先駆者たる英国の事例を紹介・解説するコンテンツ。
 なるほどと思う反面、図表の構成や用語の解釈で些か分かりにくい点や混乱が見られるので指摘しておきたい。

 鉄道事業に携わる諸機関の相関を示した図表の中で、「運輸省(Department for Transport)」とは別に「鉄道・道路庁(Office of Rail and Road)」がプロットされている。
 両方とも運輸行政に携わる中央省庁には変わりないのだが、「運輸省」の責任者が国務大臣たる運輸長官であるのに対し、「鉄道・道路庁」は内閣からも運輸省からも一定の距離を置く「非大臣省庁(Non-Minsterial Departments)」となっている。
 司法・王室財産の管理など、過度に政治の影響が及ぶのを回避すべき分野について、中央政府の職務を遂行する目的で設置されており、職員の身分は国家公務員である。
 内閣は担当大臣を任命(「鉄道・道路庁」の場合は運輸長官)するが、非大臣省庁は担当大臣から直接的に統制を受けず、代わりに運営に当たる委員会メンバーが指名される。
 
 いわゆる「我田引鉄」「道路族議員」に見られるような、鉄道・道路行政に対する政治の干渉を排し、中立・公正な政策遂行に徹するべく敢えて運輸省とは別組織とされており、日本における「省」→「庁」の関係(=中央官庁の外局)と同等に捉えてしまうと認識を誤ってしまうので、補足を附したい。


 もう一つは、「コンセッション方式」である。
 確かに、イギリスの地方自治体が管理する路線を民間企業に委託運行させる運営方法を「Concession」と呼ぶようである。
 しかし「コンセッション方式」と表記してしまうと、PFI事業において、民間事業者が運営主体となってインフラ管理を担うスキームに受け止められてしまう。
 イギリス地方自治体の運輸事業における「Concession」は、民間への「運行委託」であり、若干のインセンティヴを設定する場合もあるものの、利用者の多寡は受託した民間事業者の利益に影響せず、赤字リスクは全て運営主体である地方自治体が負う。
 一方でPFI事業における「コンセッション方式」は、民間事業者が運営主体となり、事業計画の立案・資金調達を担い利用者から直接的に対価を受け取ることで利益を上げる一方、利用者の減少に伴う収入減や、運営および資金調達コストの上昇といったリスクを負う。

 もし、コロナ禍に因る利用者減に苦しむ列車運行会社(Train Operating Company)に、運営リスクを全面的に負うことになるPFI事業における「コンセッション方式」を適用したらどうなるか。立ち行かなくなる以前に、誰も契約に応じなくなるのは明らかだ。
 「コンセッション方式」は、社会的にも経済的にも重要なキーワードであり、読者の受け止めに混乱が生じないよう、用法に注意していただきたい。


 今も運輸・交通政策に大きな関心を抱く者として、イギリスの鉄道事情を把握するのに役立った半面、老舗経済誌のコンテンツなれば重要な用語について、より厳格・慎重な適用を求めたい。


Posted at 2021/06/20 15:30:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2020年07月02日 イイね!

知担

知担 4月17日付の弊ブログ記事『陸軍』で、後輩の結婚式への参列要請を機に、歳相応の腕時計購入を検討し始めたはいいが、最終的に不適当(趣味的にはむしろジャストミート)なアイテムに手を出してしまった顛末を、恥ずかしげもなく披露した。

 その後、昨今の感染症蔓延に鑑みて、宴席自体が延期されてしまったのだが、参列に適した時計の選定自体は断続的に続いていた。
 延期はむしろ、検討に要する時間を十分に確保できることを意味する。

 改めて、欲しい時計の条件を整理すると、
〇アラビック・インデックスであること(鉄道時計で見慣れている)
〇オートマチックまたはソーラー充電式であること
 (電池交換の面倒を避ける+災害時に電池切れとなるリスク回避)
〇左リューズであること(左利きなので右手装着)
〇パーペチュアルカレンダーであること(月の大小で日付調整が不要)
 の4つ。

 G-SHOCKの英国陸軍コラボモデルを日常使用している中で、膝関節の治療で訪れた整形外科の医療機器(極めて強い磁気を発して患部を治療する)に触れて、時計表示やログがリセットされてしまう事故を数回経験した。
 上記に加えて、耐磁性の高さも検討項目とした。

 耐磁性の高いモデルと云えば、コクピット内計器が発する高い磁気に耐える必要性から仕様が定められた航空時計が挙げられる。
 紹介サイトには「○○空軍が採用したモデルを復刻」といった、ストーリー性に溢れる魅力的な解説が並ぶ。
 しかも左リューズのオートマチックモデルが複数あって、購入意欲が一旦は高まるのだが、アラビックインデックスとパーペチュアルカレンダーの条件が当て嵌まらない。

 初期の段階で見つけた、左リューズでアラビックインデックスのオートマチック、価格は〇十万円というドイツ製の時計は、軍や警察が採用するモデルを開発してきたメーカーだけあって高耐磁性をアッピールしており、改めて検討してみたが、やはりパーペチュアルカレンダー機能付きではないのがネックで、かつ日付調整の操作が面倒そうだったため、愛車に合わせてドイツ製の軍用モデルを装用……という夢は棚上げし、再び見送ることにした。


 せっかく買うのだから、佳き時計の定番たる外国製機械式クロノグラフが欲しかったのだが、さりとて無為に条件を妥協した末に、扱いづらいモデルであったりすれば宝の持ち腐れとなっていしまい、価格に見合う満足感が得られない可能性が高い。
 どうやら私が手を出せそうな価格帯で、上記条件を満たすモデルはないものと判断し、国産のハイスペックモデルから改めて選び直した。

 こちらも、条件はかなり厳しい。
 まず、左リューズのモデルが無い。
 高級機になればなるほど、インデックスがローマ数字やデザイン性に優れたバーになっている。
 しかしソーラー充電機能や、電波時計機能、更に一歩進んでGPS衛星の電波を拾い世界中どこでも自動で時刻合わせをする機能は、外国製品にないアドヴァンテージである。


 数ある時計の中で、ほぼ唯一と言っていいアラビックインデックス機が、イタリア語で「期待」を意味するシチズンのブランド・ATESSAの30周年記念モデル「ブラックチタンシリーズ」。
 偶数だけのアラビア数字表記(但し「6」はデュアルタイム表示と重なるため無し)だが、そもそもクロノグラフ機能を盛り込んだ文字盤に、全ての数字を書き込むのは困難で、明確な合理性がある。
 G-SHOCK英国陸軍コラボモデルなぞ、12-3-6-9しか数字表記がないのだから、ATESSAの方が余程希望の仕様に近い。
 高級感を損なわないように上手くインストールされたソーラーパネルは、室内の明かりでも充電が可能にして、GPS電波時計機能および西暦2100年2月28日まで調整の必要がないパーペチュアルカレンダーを備える。
 右リューズなのは致し方ないが、リューズの上下に操作ボタンが配置されていて、リューズそのものが目立たないデザインとなっている。
 耐磁性については、外国製の航空時計には劣るものの、JIS規格で定められた第1種基準(磁界が発生する機器に5cmまで接近しても性能を維持)の耐磁性能を持つ。

 普段は陽の当たる机上などに置き、着けたいときにすぐ機能して、世界中どこでも現地時刻を表示できる機能性および冗長性の高さが気に入った。
 加えて、ビジネスシーンでの装用にピッタリのモデルとあらば、この時計以外に選択肢はないと決断し、購入した。

 

 その現物が、今日到着。
 コンパクトな筐体に、どうしたらこれだけの機能を盛り込めたのか、理解不能なほど充実した説明書を参照しつつ、基本的な操作をマスター。
 我が国時計メーカーの技術力の高さと、深みのある黒色の鍛造チタンが醸すさりげない高級感に満足しつつ、散々迷った挙句にチョイスしたアイテムにつき、実際に手にした喜びも一入である。

 久方ぶりに経験した十数万円の買い物だけに、今後とも末永く愛用して、自身を演出したいと思う。
 
 

Posted at 2021/06/08 19:06:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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