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midnightbluelynxのブログ一覧

2021年07月15日 イイね!

諸舎

諸舎 神戸新聞社を中心として西日本のローカルメディアが連携し話題を提供する情報サイト「まいどなニュース」から、本日付『明治から令和を生き抜いたJR四国の文化財、取り壊し前の探検ツアーに同行してみた』に注目。

 麗しき鉄道施設、中でも普段は立ち入ることが許されない、車輌メンテナンスに供される建屋の数々である。


 私が幼少の頃、最も身近な鉄道施設の一つが、京王帝都電鉄(現・京王)・井の頭線の「永福町車庫」だった。

 既に井の頭線車輌のメンテナンスは、西へ下った富士見ヶ丘駅に隣接して新設された「富士見ヶ丘検車区」に移管されていて、「永福町車庫」は系列の京王バスの整備工場となっていた。
 航空機の格納庫を思わせる巨大な建屋で、バスの整備工場としては些か過大なサイズであったが、祖父母や両親から「あれは昔、電車の車庫だったんだよ」と聞かされ、子ども心に建屋の変遷を納得したものである。

 その後、京王バスの整備工場としても、平成の御代を迎えることなく老朽化で1986(昭和61)年に解体されてしまった。


 「永福町車庫」は、井の頭線が小田急資本の「帝都電鉄」の路線であった1933(昭和8)年に建設され、形態としては冒頭記事で紹介されているJR四国・多度津工場の「会食所一号」に似るが、航空機用格納庫の転用ではなく始めから鉄道施設として建築された建屋である。
 昭和の初め頃までは、鉄道車輌のメンテナンスに適した大空間を構築する手立てに乏しく、分厚い煉瓦造りの壁面に木製の小屋組み、という組合せが多かった。
 しかし、1923(大正12)年に発生した関東大震災で煉瓦建築の脆弱さが露呈し、経済・軍事の両面で重要なインフラを支える施設の建築手法として、軽量・低コストで耐震性の高い素材および技術が求められていた。
 そこへ1932(昭和7)年に、巴組鐵工所(現・巴コーポレーション)が鋼製アングル材を三角形に組んでトラス構造とした「ダイヤモンドトラス」で特許を取得、30mもの大スパンで梁を跳ばし、柱の無い大空間を安価かつ迅速に構築できる技術が普及していった。
 「永福町車庫」は、まさに鋼製トラス構造の建築物黎明期の傑作に当たる。

 巴コーポレーションは、「ダイヤモンドトラス」で培った技術と利益を基に、更なる巨大建築物を手掛けており、各地のドーム球場や東京スカイツリーなども、同社の高い技術を採用している。
 云わば現在のランドマーク群の「原点」を、幼い私は印象に刻んでいたわけだ。


 一方で多度津の「会食所一号」は、敗戦後に現在地へ移築されており、もともと海軍西条航空隊の基地格納庫として建築されたのは1926(昭和元)年で、国産の「ダイヤモンドトラス」が普及するよりも古い。
 「ダイヤモンドトラス」は、ドイツが開発した組立式の航空機格納庫を参考にしているが、その格納庫自体も、商社が軍による調達を期し日本国内で営業攻勢を仕掛けていたという。
 公表されている資料には、「会食所一号」の構造材となっている鋼材のメーカーや、施工を手掛けた企業の情報が無く、詳細は不明だが、もしかしたら輸入鋼材および外国から導入した技術に基づき施工された建屋かもしれない。
 いずれにしても、鋼製トラス構造を採用した建築物としては国内最古級で、旧軍の施設だった経緯を含め、極めて貴重な存在であることには間違いがない。


 もう一つ、現在は展示館として用いられている「諸舎一号」も、気になって仕方がない。
 天井部の装飾や、階段手摺に洋風の意匠がふんだんに施され、油臭い鉄道の現場とは思えない瀟洒な雰囲気を醸す。
 こちらは、日頃は工場幹部が詰め、時に来客時の応接施設として迎賓館のように利用されていたのではないかと推測する。

  
 これら既に文化財となっている建物群で、近々解体工事が始まり、重機の露と消えるのは非常に残念である。
 せめて「諸舎一号」だけでも、貴重な鉄道文化財として残せないものだろうか。

 仮に全て解体を免れないとしても、3Dスキャナを用いて点群データを取り、仮想空間上に建物群を保存するとともに、「諸舎」「会食所」「職場」といった略称で建物を管理していたソフト面の記録もまた、遺漏なく残しておいてもらいたい。



Posted at 2021/07/15 20:17:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2021年07月14日 イイね!

属州

属州 関西のスポーツ紙「デイリースポーツ」が運営するニュースサイト「DailySportsOnline」の配信記事から『IOCバッハ会長「最も大事なのはチャイニーズピープル」慌てて訂正も痛恨言い間違え』に愕然。

 昨日はオリンピック村が正式に開村するなど、大会当日に向けた準備が着々と進んでいる。
 今朝の出勤時、都心の街路で初めて大会ヴォランティアのユニフォームをまとった女性を見掛けた。
 さていよいよ……という段階で、有り得ない粗相が露呈したのは、冒頭記事の通り。


 毀誉褒貶さまざまな評価のある人物に関し、個人的にはこれまで「ドイツ出身の弁護士だし、それなりに実直厳格なところもあるのだろう」とニュートラルな立場で静観していたが、今回のエピソードを以て批判されるべき側に堕ちた。
 大会の最高権威が、かくも拙劣な認識でいるとあらば、大会後に我が国が国際社会で得られるレガシーなど、たかが知れている。



 逆の見方をすれば、むしろ日本人を目覚めさせた功労者と言えるかもしれない。
 どうせ、あと数十年もすれば大陸中国の経済的・軍事的圧力に屈して属州となり、「人民共和国日本省の省都」になるんでしょう。
 そうなれば晴れて「チャイニーズピープル」ではないですか……と。

 某ドイツ人は、決して国際感覚が拙劣なのではなく、むしろ先見の明に長け、冷徹に我が国の周辺事態および国際関係を見通して警告を発している……と受け止めるのは如何だろうか。


 この発言に不快感を覚えた日本人は、せいぜい皮肉を込めて「Welcome to China!」とバナーを掲げ、大会関係者を迎えてはどうだろう。

 極めて恥ずべき事態であるという認識が、IOCに在りや。




Posted at 2021/07/14 08:48:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | オピニオン | 日記
2021年07月13日 イイね!

放尿

放尿 中京圏のJNN系地方局・CBC(中部日本放送)のサイト「CBC web」で配信しているニュース動画から『信号機が折れて倒壊した事故 原因は「犬の尿」の可能性が高いとの調査結果』に注目。

 弊ブログでは、5年以上前になるが大阪における照明器具の倒壊例を紹介し、犬のマーキング行動が原因のインフラ損壊に警鐘を鳴らしている。

 鈴鹿市の事案は、公道上に設置されている信号機器を架装した支柱で、重大な公衆災害に直結しかねなかった。
 地際部分が発錆している・不自然に揺れるといった予兆が見過ごされていた可能性もあり、管理に責任を負う三重県警は同様の施設の総点検など、再発防止に万全を期してもらいたい。


 併せて、弊ブログでも提案している「愛犬家インフラパトロール」を組織し、日々の散歩のなかで気付いた点を報告してもらうスキームを、三重県に限らず全国的に検討していただきたい。
 愛犬家の名誉のため、鋼製の支柱が腐食に因って損壊する原因を詳細に分析すると、必ずしも犬のマーキング行動が主たる要因とも言い切れない。

 そもそもが施工不良で、耐食性が著しく粗悪だったかもしれない。
 凍結防止剤の塩分で腐食が進む例は、雪国を中心にして非常に多い。
 海沿いのインフラであれば、海水由来の塩分にほぼ毎日曝されている。
 強酸性を示す土壌で、鋳鉄製水道管が損壊し長期断水となった例がある。
 もしかして現場から検出された尿素は、ヒト由来の可能性も否定できない。

 多様な要因で損壊が進むインフラを、継続反復的に観察し、異常を発見する「目」が、これからの維持管理には必要になってくる。
 我々エンジニアは、仕事を離れてプライヴェートな時間を過ごしていたとしても、その社会的使命から異常を発見したら遅滞なく管理者へ通報し、公衆の安全を確保しなければならない。

 加えて、愛犬との愛情を紡ぐ時間を、社会的に求められている重要な行動と結び付けていただければ、これ以上有意義かつ心強いことはない。
 心ある愛犬家の方々から、まずは実行をお願いしたい。


 


2021年07月12日 イイね!

線引

線引 地方紙「千葉日報」のサイトから、本日付『八街児童死傷事故 「非線引き自治体」とは何か? 虫食い開発で基盤整備に遅れ 通学路だけじゃない郊外特有の課題 【急上昇ニュースのウラ】』にオブジェクション。

 弊ブログでも意見を申し上げた、八街市での小学生轢過殺人事件(「事故」などでは断じてない)について、空港建設の候補地となっていたエピソード等、地域の歴史的経緯を交えて地元紙ならではの切り口でまとめた記事……と言えなくもないが、内容については相当な問題を孕んでいるものと心得、指摘させていただく。

 なお、冒頭記事の内容は、概ね都市計画に関する行政の動きであるが、技術士の部門としては、私も登録している「建設」の範疇に在る。
 よって自主的な研鑽の一環として、改めて都市計画の初歩を学習し直している。


 八街市域における都市計画を推進する上で、「市街化区域」と「市街化調整区域」に峻別(=線引き)して乱開発の抑制と地域環境の保全を図るのではなく、そもそも人口が急激には増えず積極的な開発の手が入らない前提で、前段の「線引き」を行わない「非線引き区域」を選択するメリット・デメリットを概説している。
 その上で、あたかも八街市が選択した「非線引区域」であることが、秩序ある開発、ひいては通学する子どもの命を護る歩道整備の足枷となっているかのように記しているが、ちゃんちゃらおかしい。


 記事に拠れば、「非線引き地域」は「市街化調整区域」よりも土地価格が高く、用地買収が困難で歩道整備が遅れたとある。
 開発が抑制されている「市街化調整区域」の地価が安いとしても、道路が「市街化調整区域」で完結するものではない。当然に「市街化区域」も通るわけで、そちらは「非線引き区域」よりも遙かに地価が高い。
 また「非線引」を選択したことで農地の取引が活発になり、市の財政が潤った、とある。その税収増で、街路整備を進められたのではないか。

 「非線引き区域」だから道路用地が調達できなかったとする根拠が、極めて薄弱である。


 元々線引きが為されていた自治体が、「非線引き」に移行した例がある。
 四国の中心都市、高松市およびその周辺自治体である。
 市街化区域に人口が集中する一方で、都市機能が老朽化し機能不全に陥ってしまう前に、中心市街地の人口を郊外に出して均衡ある開発を期しつつ、中心市街地の再開発を進めて活性化を図る目的で実行された。
 開発行為における市街化区域の優位性が消滅したことに加え、中心市街地からの人口流出で、旧市街化区域の地価が下落している。
 近年は市街地中心部の再開発が進んだことから、改めて市街地中心部への人口回帰も見られ、郊外での宅地開発および人口流出は落ち着てきたとされる。

 高松市の場合は「非線引き区域」への移行時点で、都市計画道路の整備率が8割を超えるなど、既に基本的なインフラが整っており、八街市とは成り行きが異なる。
 しかし線引きが有ろうと無かろうと、高松市として、或いは八街市としての都市計画を練り上げているわけで、そこにプロットされた都市計画道路を粛々と整備し、安全な街路を造り上げていけばいいだけのことだ。
 「”非線引き”だから秩序ある開発ができなかった」という言い訳は、全く通用しない。


 これらを受け記事においては、現職市長は「非線引き」が選択された後に就任しており、「批判を受けるのは気の毒」と擁護している。
 果たして、これも妥当な行為と言えるだろうか。

 地元出身者にして、市長として既に3期目。その前は市議を3期務めており、市議会議長も経験している。
 議員・首長として合計20年以上も市政に関わっていて、街路の危険性や「非線引き」に伴うデメリットを認識していなかったとは、到底考えられない。
 自身の任期中に生じた問題でないとしても、市民の生命・安全に影響する状況であるなら、議会人として、または最高位の行政マンとして、迅速に解消へと動かねばならない責任がある。

 因みに、市のHPで公表されている「都市計画マスタープラン」(参考情報URL参照)は、2016(平成28)年5月27日付となっており、現職市長がコミットしたものである。
 そして、行政および都市計画の方針として「都市計画区域に区域区分を定めない」と明記している。


 千葉日報が、何を意図してこのような行政ベッタリの記事を掲載したのかは不明であるが、よもや現職市長に忖度して貸しを作り、今後のネタ取りや営業に利用しようなどという邪な考えを持っていないことを、祈るのみである。



Posted at 2021/07/14 23:46:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2021年07月11日 イイね!

盛土

盛土 広島を本拠とする中国地方(一部の愛媛県島嶼部を含む)のブロック紙「中国新聞」が運営するニュースサイト「中國新聞デジタル」のコンテンツから、本日付け社説『熱海土石流と盛り土 もはや人災ではないか』に注目。

 建設業界および監督官庁、そして地元行政の責任について、いちいち社説が指摘する通りである。
 建設残土が原因の第三者災害は、より都市部に近い大阪でも発生しており、鳥取県で起きた「久本砕石」の事件と併せ、弊ブログでも解説と意見表明をしている。

 モラル無き業者のモラルに期待して、「やった者勝ち」の状態を固定化してしまい、やがて破滅的な事態に陥った末に周辺住民の安全が脅かされ、税金を投じての後始末を強いられる顛末は全ての事案に共通している。
 静岡県および熱海市は、投棄された土砂の崩落~土石流発生までは予測できなかったとしても、不正・不法かつ不安定な状況を見過ごした、不作為の責任を負わねばなるまい。

 誠実に事業へあたっている業者の権利を守るためにも、そしてなにより周辺住民の生命・財産を護るためにも、監督官庁および地元行政には或る程度の強制力を与え、不良業者の排除・確実な原状回復が可能な体制を布くべきである。


 一方で、熱海の土石流災害における発生後の行政の対応は、事態の初期段階で記事にした通り、ICT技術をフル活用して迅速かつ正確な状況把握を進めるなど、新たな手法が目に付く。
 国土交通省出身で土木エンジニアでもある難波副知事の存在も、技術的バックボーンに基づく状況判断やメディア対応などの局面において、静岡県を強く支えているように見受ける。

 また、原因究明や、これまでの行政判断(盛土の許可や不法状態の把握など)に対する検証に際しては、静岡県としてあらゆる情報を提供した上で、中立の第三者を入れ判断を仰ぐ意向を示している。

 その成り行きに注目しつつ、今後の災害対応において参考とすべきことが多いものと心得、弊ブログとしても折に触れて話題を提供していきたい。


 
 併せて、何ら技術的なバックボーンを持たぬまま、怪しげな「まとめサイト」の記述を根拠に、地元行政を口汚く責め立てる無責任な者がネット上に蔓延る。
 デマの流布は災害対応に有害となるだけでなく、現場で奮闘する公務員諸氏や、不便に苦しむ被災地住民に対する侮辱に他ならない。

 下らぬ発言を厳に慎むよう、強く要請する。


Posted at 2021/07/11 17:47:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | オピニオン | 日記

プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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