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midnightbluelynxのブログ一覧

2021年07月04日 イイね!

複製

複製 公共放送・NHKのニュース動画サイト「NHK NEWSWEB」の配信コンテンツから『静岡 熱海の土石流 上流側の開発現場 盛り土含む斜面が崩落』に注目。

 各位、熱海における土石流の映像に衝撃を受けられたことだろう。
 土石流発生のメカニズムを研究する上で、大変貴重な資料となるべきもので、残念ながら巻き込まれて亡くなった方の無念に報いるためにも、行政の防災担当者および土木のエンジニアは最大限の教訓を汲み取らねばならない。

 冒頭紹介しているNHKの報道に拠れば

「開発前の2010年ごろと、開発後の2020年の現場周辺の地形のデータ、それに現在の斜面を比較した結果、盛り土の大部分が崩れた可能性があるということです。
 またこの分析から崩落した盛り土の量は少なくとも5万立方メートルに上り、これを含めて崩れた土砂の全体の量は10万立方メートルにのぼる可能性があるとしています。」

 とある。
 これらの解析が発災後僅か一日で完了し、数値が導き出されたのには、静岡県ならではの事情がある。

 静岡県は「VIRTUAL SHIZUOKA」と銘打ち、仮想空間上にもう一つの「静岡県」を複製(デジタルツイン)してある。
 レーザースキャナーを搭載した自動車やヘリコプターを用いて、県土を隈なく巡って集めた点群データ(緯度・経度・標高のデータを持つ無数の点)に加え、県内の土木工事およびインフラのメンテナンス工事などで収集された点群データの提供を受け、静岡県のあらゆる場所を様々な視点から三次元で見ることができる。
 静岡県は、このデータを広く一般に公開しており、具体的な活用策として自動運転システムの開発や、リモートでの観光案内、そして災害対策を挙げている。

 つまり、2010(平成22)年当時の地図情報と、「VIRTUAL SHIZUOKA」上に蓄積されているデータ、そして被災後にドローンを飛ばして取得した最新の地形情報を重ね合わせれば、極めて短時間に地形の変化を検出し、そこから流失した土砂の量を推定できるのである。


 私が禄を食む建設業界では、3Dデータに基づき操作を一定程度自動化できるICT建機を用いた施工が普及しつつあるが、これも日々ドローンを飛ばして最新の三次元地形データを取得し、前日の地形データとの差分で進捗(=移動させた土量)を判断する。
 スケール感がだいぶ違うものの、行っていること自体は今回の災害における流失土砂量の算出プロセスと変わりない。
 当然に「VIRTUAL SHIZUOKA」のデータを、インフラ整備およびメンテナンスに活用することも期待されている。

 今のところ静岡県がトップランナーとして先行しているが、各行政でも同じ取り組みを進め、災害対応に活用できるデータ蓄積を急ぐ必要がある。
 また静岡県においても、崩落地の3Dデータは取得済みで発災後には役に立ったが、発災前に崩落の危険を察知するところまでは至らなかった。
 ドローンや衛星を用いて一定のインターバルで「VIRTUAL SHIZUOKA」のデータを更新していく過程で、AIを用いて旧データとの比較し、地震や富士山噴火に伴う地殻変動や、災害の要因となりかねない危険な開発行為を炙り出す…といったヴァージョンアップが理想だろう。
 
 災害対策に責任を負う行政、そして対策の実効性を高めるインフラ整備を担う建設業界は、引き続きデジタル分野での革新を推し進め、想定外をも想定する高度な防災体制を構築していかなければならない。



2021年07月03日 イイね!

針筵

針筵 関東のブロック紙・東京新聞が運営するニュースサイト「東京新聞TOKYO Web」の配信記事から『三菱電機、社長発言を訂正 株主に不正報告見送りで 』に注目。

 先週後半の経済紙・誌を騒がせていた三菱電機の不正問題で、社長辞任を以て一定の区切りがついたかと思いきや、当該社長の発言内容が問題視され訂正を迫られたとの報。

 不正そのものも当然問題なのだが、取締役会を開かず、個別に役員の切り崩しを図ったとみられても仕方のない行動で、ガバナンスの面からも非難を免れ得まい。


 近しい家族に関係者がいることに加え、三菱電機は最大規模の企業内技術士会を組織しており、その動向を折に触れて注視していた。
 鉄道用機器の売上は比率が非常に低く、経営面での影響は小さいそうだが、企業イメージ失墜に伴う損失は計り知れないのと併せ、同社に所属する技術士各位の立場では、間違いなく忸怩たる思いに苛まれていることとお察しする。

 社外から批判されるのは社員であれば誰でも同じだが、技術士は社内からも「資格者がいてなぜ?」と責められるだけでなく、他の技術士と対面した際にも肩身が狭く、常に「針の筵」状態と感じてしまうことだろう。

 技術士は法的に技術者倫理の遵守が課されており、積極的か消極的かを問わず不正に関与してしまったとすれば、「技術士」たる前提が崩れ去ってしまう。



 当面は技術士が先頭に立って、顧客対応に全力で当たり、万が一にも品質不良が原因の事故を起こさぬよう、万全を期してもらいたい。
 並行して、やはり早急に進めるべき淀んだ企業風土の改革にこそ、技術士の本領を発揮する場面があるものと期待する。

 他の企業内技術士会では、外部の講演会などにおいても自社の不祥事を忖度なく話題とし、技術士に課された公益確保の責務を果たそうと尽力している。
 為すべきは問題点が生じた際に、隠して無かったことにしてしまうのではなく、エンジニア間で問題意識を共有し、時に外部のエンジニアへも支援を求めて相互に知恵を出し合い、最善のソリューションを見出すことである。

 技術的バックボーンと法的に課された義務・責務を以て、企業を生まれ変わらせられるのは、在籍されている技術士各位を措いて他に無しと考える。

 今後の行動を注目しつつ、三菱電機の事業とは直接的に無関係な部門ながら同じ技術士としてエールを送りたい。



2021年07月02日 イイね!

鋼玉

鋼玉 アメリカで創刊された男性向けファッション・ライフスタイル雑誌「GQ」の日本語版サイト配信記事から『俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記──Vol.4 メルセデス・ベンツGクラス(2代目)』に注目。

 同誌のクルマ関連コンテンツ、特にゲレンデの話題は何度か弊ブログでも紹介しているが、純粋な中古車の記事は珍しいように思う。

 先端的なライフスタイルを読者に提示するメディアなれば、どうしても新モデルの新車に目が行きがちなのは仕方のないところ。
 そんなメディアが、敢えてモデルチェンジ前の中古車に触れているということは、現行モデルの地位を喪ってなお、旧モデルも流行の先端に在り続けている証左でもある。


 記事で紹介されているルビーレッドのショートは、1998年式なので私のカブリオと同級生。もしかしたら、同じ船便で届いた個体かもしれない。
 赤系の塗色は、顔料の経年劣化が他の色よりも激しく、屋内保管でないと20年以上も深みのある色艶を保てない。
 その外装および内装の綺麗さと言い、走行距離の短さと言い、文句ない出物だとわかる。

 しかし、である。幾ら好コンディションといえども、販売価格1,380万円は如何なものかと、ゲレンデオーナーながら思ってしまう。
 記事では、我がカブリオは更に希少で、やはり中古車が1,250万円(1999年式で1年若いが、走行距離は66,000㎞)で出ていることも記述されている。
 このカブリオ中古車は以前から存じ上げていて、お世話になっているゲレンデ専門ショップの店長氏とも、余りの高額さに「本当に売る気ある?」「この値段どーなんだろ」と話していたのだが、やはりまだ捌けていないようだ。


 バブル的な価格高騰が続くと、結局は誰も手にできず、バブル崩壊とともに人気も落ちてしまいかねない。
 また、現有のオーナーとしては盗難のリスク増大に対応を迫られかねない。

 適正かつ常識的な価格で流通する個体が増えれば、多くの方がゲレンデに親しむ機会を作れる。また中古マーケットが安定的に推移すれば、新車購入者も含めて、多くのゲレンデオーナーが広く利益を享受できる

 私個人としては、今回の記事で紹介された貴重な個体が存在することを喜びつつ、この個体にとっても、またゲレンデオーナーおよびオーナー希望者にとっても、より親しみやすい価格での流通を期待したい。



 ちなみに、10年前にカブリオを手にした当時、価格は諸々込みで400万円に満たなかった。
 リーマンショックからの立ち直りが遅れ、世界的に不景気の真っ只中だった事情も、特にカブリオのようなモデルは市況が大きく影響され、取引価格が下押ししたことだろう。

 そしてショップの見立てでは、今でも買った当時の値段で売れるのでは、という。
 人気車といえ、新車登録から20年以上が経過したクルマにそれほどの価値があるのか……とも思ったものだが、買った当時が底値であろうこと、そして今回の記事を話半分に聞いたとして、強ち間違いではないのだなと感じた。

 乗りたいクルマを手にして、それが高い価値を保ち続ける。つくづく佳い買い物をしたのだな思う。
 だが幾ら価値があるからと言って、それを手放して現金化しよう、或いは他のモデルに乗り換えようとは考えない。
 大切に乗って価値を保ちつつ、末永く相棒として愛でていこうと決心している。


Posted at 2021/07/03 15:01:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | ゲレンデ | 日記
2021年07月01日 イイね!

視察

視察 公共放送・NHKのニュース動画サイト「NHK NEWSWEB」の配信コンテンツから『千葉 八街の児童5人死傷事故 菅首相 現場で献花』に怒る。

 極めて醜悪な光景である。
 政権に批判的な弊ブログ主であるが、首相が捧げた哀悼の誠そのものに物申すつもりは、毛頭ない。


 ただ、首相が視察に訪れた現場は、SPによって取り囲まれ、交通規制が敷かれている。
 首相の急な来訪には、身の安全に万全を期して交通規制で応じるのに、現場となった道路を毎日通学していた子どもたちの安全の為には、地元行政・警察は何もしてこなかった。
 その不条理さ、ご都合主義が、この上なく醜悪なのだ。

 革命的発明を為す技師、世界経済を動かす経営者、まだ見ぬ美を編み出すアーティスト、肉体の限界を超えるアスリート、そして現職よりも遙かに偉大な政治家になったかもしれない子どもが命を落とすことは、首相暗殺に匹敵する、未来の人類に対する重大な犯罪行為である。
 そして懸念を承知しつつ、積極的に動かなかった地元行政・警察は、共謀共同正犯に等しい。


 首相の献花よりも前に、はたまた主体的に「歩道を整備します」と説明せず、物乞いの如く首相に歩道設置の援助を要請して当事者能力の欠如を露呈する前に、八街市・千葉県警は幼い亡骸に跪き、真摯に猛省すべきだ。


 

Posted at 2021/07/04 09:46:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | オピニオン | 日記

プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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