
出張行程の度重なる変更は、概ね上手くいったのだが、唯一変更が確定できていない区間が残っていた。
帰路の最終区間、宮古~羽田の便である。本来は昨日の最終便を確保していて、途上の変更に伴い今日→明日と先送りになっている。
サイトを見る限り、明日は予約が全て埋まっているわけではなく、余裕があるはずなのに座席の指定ができない。
結論から言うと、明日24日が土曜日かつ年末運賃の開始日で、搭乗に用いていた企業向けの回数券が、本来使えない日だった。
宮古島の航空会社支店窓口へ出向き、予約を変更できない状態を相談したところ、そう言われたのだが、そもそも
度重なる機材故障で行程が狂ったが為に年末運賃日程に食い込んでしまったわけで、航空会社の責任で何とかしてくれと申し入れたところ、支店の端末からアクセスして、24日の最終便の席を確保して貰えた。
これで全ての行程が確定し、後は多良間島での業務を遺漏なくこなすだけと、勇み市街地から空港方面へ向かった。
午後便までは少し余裕があったので、空港手前の本土資本の量販店に寄って、行程延長に伴い不足する着替えとお土産の購入、そして隣接するステーキ店で昼食を摂り、鋭気を養う。
ステーキ店は滑走路(04/22)の延長線上にあり、北東(04)側に出発する航空機が真上を通過する。
離島としては発着便の多い空港ではあるが、然程頻繁に離発着があるわけではないので、飛び立つ飛行機を眺めつつ航空時刻表を参照しながら、「これは那覇便だね」「次は中部国際空港行きか」などと評定しながら食事をして、店を出た。
ジェット機も飛び立つ滑走路端から、空港ターミナルまでは少し距離があるものの、腹ごなしにちょうどいいやと歩き始めた時、上空をDHC-8-Q400CCが飛び去った。
あれ、この便は航空時刻表に無い。
度重なる機材故障等があったので、乗客を乗せないフェリーフライトとなったのかな……程度に考え、そのまま空港ターミナルまで歩き、チェックインして漸く多良間便の搭乗客となった。
多良間空港は、ローカル線の駅舎と言ってもいい位のこじんまりしたターミナルを持つ空港で、機材を降りてから歩いて到着ロビーへ向かう。
建屋に入り、到着ロビーのカウンターを何気なく眺めると、既に到着済みの便として宮古からの臨時便が表示されている。
状況が直ぐには理解できなかったので、到着カウンターの係員に尋ねると、午前便は欠航したが、前々日からの欠航で搭乗できなかった利用客の便宜を図るため、昼過ぎに臨時便を飛ばした……と。欠航でご不便をお掛けした皆さまには、それぞれご案内したはずなのですが……と付け加えた。
ステーキ店から出た時に見たDHC-8-Q400CCは、この臨時便だったのだ。
いやいや、臨時便が飛ぶなんて情報は受け取っていない。
私が欠航を知って直ぐに、手際よく午後便に振り替えてしまったからだ。航空会社としては、後続便を確保できているのだから、連絡はいいやと思ったらしい。
しかし昼に臨時便が飛ぶのを知っていたら、間違いなくそちらで多良間入りし、その日中に仕事を終えて宮古に戻り、羽田行きの最終便に乗り継いでいた。
機材故障に因り2日も宮古島で待たされた上に、臨時便の情報を伝えてくれないとは、どういうことか。臨時便に搭乗できていれば、多良間島での宿泊は不要だったので、この費用は負担してほしい旨、係員に抗議と要望を伝えた。
係員は抗議と要望を一旦引き取って奥に下がったが、程なく「ご宿泊の領収証をお示しいただければ、実費をお支払いします」と答えてくれた。
その対応には納得しつつ、機体整備に万全を期し欠航が無いよう、そして直前に搭乗便を変更した利用者が、臨時便の情報を知らない可能性にも配慮するよう、改めて申し入れた。
空港ターミナルに併設のレストランが、レンタカーの貸出しカウンターを兼ねていたので立ち寄り、足を確保。
面会予定の代理人さんには、漸く上陸できた旨の報告とお詫びを伝え、明日の予定をお尋ねすると、作業が始まるタイミングで宿まで行くので、朝一緒に現場へ行きましょうと仰る。
恐縮しつつ提案を受け容れ、明日の行動が確定した。
島内は、空港周辺や周回道路を除けば、概ね細い道ばかりで、観光地化され開発が進んだ島々とは異なり、離島で暮らす人々の静謐な生活の中に入り込むような感覚がする。
宿まではクルマで、チェックイン後は歩いて周辺を回ったが、村営の観光施設を除き、お土産物屋や飲食店の看板等はなく、少々離れた市街地中心部に、生協が運営するスーパーがある程度。あとはひたすら個人のお宅が並んでいる。
宿はコテージ形式で、テレビが置かれたリビングと玄関が共有だが、鍵の掛かる個室が配置されている。ベッドも大きく、居心地はよさそうだ。
ただ夕食は、厨房が病欠で食事を提供できないとのことで、居酒屋を探して食事にありついた。
明るいうちは気付かなかったか、民家の庭先に在る、少々大きめの納屋かと思っていた場所が、夜は居酒屋として営業していた。
明確に観光客と見受ける客はおらず、我々のように仕事で来島している人か、地元の人か……という構成だった。
ここでも多良間の暮らしに溶け込んだような経験をさせていただき、時折雲間で煌々と輝く星々を眺めながら、宿に戻って明日に備えた。
Posted at 2024/05/06 12:43:26 | |
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