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2024年05月06日 イイね!

蕩尽

蕩尽 マンガ・アニメ・ゲームの情報サイト「マグミクス」の配信記事から本日付け『昭和だとしても「アウト」! 『宇宙戦艦ヤマト』西崎義展氏の不適切すぎた生涯』に注目。

 昨年末に身罷られたSF作家・豊田有恒氏の著作「宇宙戦艦ヤマトの真実」の記述をベースに、プロデューサー・西崎義展氏との関わりが語られている。
 当該書誌自体は、2017(平成29)年10月に発刊されたもので、豊田氏が堪能な韓国語を駆使して情報収集を進め、朝鮮半島情勢についての解説本を上梓するなど、ペースを緩めながらも著述家として現役だった頃である。


 豊田氏を始め「宇宙戦艦ヤマト」に携わった人々が、本当のところ西崎氏のことをどう思っていたのかを、外野から覗い知ることはできない。
 想像でしかないが、多少の山っ気はあっても、様々な才能をまとめ上げ、作品をヒットに導いた功績に免じ、また自らもそのような作品に携わった誇りを大切にして、見逃してきた、或いは目を逸らしてきたのではないだろうか。
 豊田氏にとっては、同窓の先輩でもある(ちなみに、やはり同窓のささきいさお氏は、豊田の後輩)。


 ただ年を取るにつれて、西崎氏の放蕩狼藉が目に余るようになってきたのと並行して、世間も法令順守に厳しくなり、庇い切れなくなった、或いは腹に据えかねてきたことを吐き出すようになった……ものと推測する。
 結局は敗訴してしまったが、既に大御所となっていた故・松本零士氏が、原作者の地位を認めるよう西崎氏を告訴した顛末も、恐らくはこの流れの中にある。


 現在は複数の企業(制作会社・マスコミ・出版社・ネット配信企業・スポンサー企業)が連合を組む「製作委員会方式」が定着しており、資金調達・リスク管理・多方面への作品展開などを組織的に進める体制の下、世界展開を狙う良質な作品が生み出されている。

 カリスマ性溢れるプロデューサーが、資金調達からリスクまで負担する一方で、作品の収益を独占するような事態は、もう起こらないだろうし、そもそもどんなに才覚があろうと、山師のようなプロデューサーが出現する余地は、もはや残されていない。

 昭和の思い出と受け流すには、余りに生臭く、今なお痛みを伴う醜いエピソードである。
 しかし、西崎作品に胸踊らされた視聴者としては、作品そのものの価値とは切り離して、「産みの苦しみ」の一つとして記憶にとどめる他、受け止める術はあるまい。






Posted at 2024/05/12 01:21:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画 | 日記
2024年05月04日 イイね!

掉尾

掉尾 全国紙・毎日新聞のニュースサイトから、連載コンテンツ「鉄道車両紀行」の本日付『車掌室は何に使う? 秩父鉄道「ヲキフ100」の謎』に注目。

 以前にも弊ブログで「車掌車」「緩急車」に関する話題を扱った。そのリンク先記事でも、秩父鉄道”ヲキフ”の画像が掲載されていたが、今なお現役の”ヲキフ”についてかなり深堀した記事。

 埼玉に長く暮らす者にとって、秩父鉄道は遠足やハイキングなどの思い出とともに語られる路線だろう。
 鉄道ファン、特に機関車好きにとっては、多数の電気機関車が石灰石を満載した貨車を牽引して雁行するという、一昔前までは全国的に見られた、しかし今となっては夢のような光景が残されている。


 既に貨物列車から車掌車・緩急車が廃止されて長いにも関わらず、秩父鉄道では連綿と連結され続けていたことは、実際に沿線で見掛けたりして存じ上げていたが、その詳しい事情については記事で初めて知った。
 急勾配区間での安全確保、推進運転時の前方監視という、限られた区間ながら緩急車本来の役割を果たし続けていることが分かり、頼もしく感じるとともに、他の事業者・運行区間で類似の路線状況があった場合、どのように取り扱われているのか(そのまま緩急車なし?/監視員が機関車に添乗?)が気になった。

 それにしても、奥行き1mほど、空調も利かず、硬いバネで乗り心地の悪い貨車の端部に、車掌が延々乗り続けていた頃の労働環境を思い遣ると、安全優先を願いつつも車掌の添乗廃止は已む無し……と判じざるを得ない。


 国鉄時代、コンテナ貨車の車掌車では、やはり乗り心地の悪さが問題となり、コイルバネを採用していた系列の緩急車だけ、乗り心地の良い空気バネに交換した例があった。
 労組の力が極めて強く、車輌の仕様決定にも大きな影響を与えていたことや、巨大鉄道組織ならではの潤沢なリソース(交換用の台車や施工々場)が為し得た改造である。

 緩急車が廃止されると、ボルト止めされていた車掌室ユニットを外してコンテナ緊結装置を取り付け、コイルバネ台車に再度換装して一般のコンテナ貨車にする改造が進められた。
 デッキ部分のテールランプ付の妻板がそのまま残されたほか、コイルバネ台車の払底で空気バネ台車のままだった車輌は、荷重制限のため車掌室部分にコンテナ緊結装置を取り付ける一方で、中央部の緊結装置を外して4個積みにしていた。
 車掌室ユニットの重量<コンテナ重量(満載時は6t程度)で、緩急車としては空気バネで問題なかったが、コンテナ5個のフル積載には耐えられなかったこと/4個積みにする際のバランスを考慮しての措置(5個積み仕様であっても、荷が少なく4個しかコンテナを積まない場合は、中心の1個分を空ける)である。
 ただ、積載効率が悪く台車の老朽化も進んでいたため、早々に廃車されてしまった。台車を換装されフル積載可能となった車輌を含め、国鉄時代に調達が完了したコンテナ貨車は全て退役しており、現在は緩急車の設定がそもそも無かった系列のみで運行されている。

 
 車輌からも、鉄道マンからも、そしてファンの記憶からも、車掌車・緩急車が遠くなる中にあって、現役を維持し続ける秩父鉄道の”ヲキフ”が末永く活躍するよう、祈って已まない。

 古い鉄道ファンにとって、車掌車・緩急車は、当に列車の「掉尾を飾る」存在だからだ。

Posted at 2024/05/06 21:45:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記

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