先日、我がコンテ号に取り付けたX2Cの水温計ですが、今日は外気温37℃(車載のカシムラの外気温計)の猛暑日。
この外気温高い日に、とある一般国道の峠での長い上り坂区間で、先行車の遅いトレーラーに阻まれトロトロ運転していたところ水温計が徐々に上昇、95℃を突破しさらに100℃も突破し最高105℃まで上昇。
あぁあっさり100℃を超えるんだ、と新たな発見でした。
もちろん高水温警告灯が点滅したわけではないですが、コンテRSのラジエターキャプの刻印「1.1」は、だてではなかったと思った次第です。
そして峠を登りきって今度は長い下り坂になりますと、アクセル踏み込み量がゼロになり、エンジンブレーキだけでほぼ下れそうな速度では、今度は水温は徐々に下がり始め100~105℃が85℃へと20℃も低下しました。
この時期は猛暑なので普段は90~95℃付近を針がうろうろしています。高速道路走行時の上り坂はエンジン回転が3000~4000rpm前後と高めになるものの、逆に走行風にも恵まれるので意外に温度は上がらず、95℃付近でよほど吹かせば100℃といった感じでした。
で、結局水温は走行状態により、かなり温度が上下しているのが分かったのですが、これだけ水温が上下動することを考えれば無用なクレームを避けるため、適正水温時には純正の水温計は針が全く動かないようにしているのも、なんとなく納得してしまいます。
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水(車の冷却水はLLCクーラント)に圧力を加えますと圧力なべとかと同じ原理で、普通の大気圧では100℃で沸騰するのが、約2倍の2.1K圧となると122℃付近に沸点が上昇します。そしてお車の冷却水に圧力を加える機能を持っているのがラジエターキャップなのです。
冷却水が沸騰して冷却水内に泡が混じると、ラジエターの熱交換がうまく行われずエンジンはオーバーヒートしてしまいます。だから冷却水の熱による膨張を利用して圧力を加えて水圧を上げ120℃近辺まで沸騰しないような構造になっています。
よってキャップが熱い状態で開けると開けた瞬間熱湯が飛んでくるので、掲載の写真のように純正のキャップには
“危険” のシールが貼ってあります。
当方のコンテの純正品は「1.1」の刻印があり、この場合ですと大気圧を加算し2.1K圧となり沸点は122℃(水)になります。普通に多いのが「0.9」の刻印で、この場合は大気圧加算で1.9Kとなり沸点は119℃(水)で、実際ここまで水温が上昇すると問答無用でオーバーヒートですね。
ただ今は真夏なのでオーバーヒートのことばかりですが、今度は冬場のオーバークール時の状態、つまり水温50℃以下で点灯する冷水温状態の時ですが、検索すれば分かりますがこれの処置は人によってさまざまです。
私はエンジンオイルよりも、より固いミッションオイルが冷えているとCVTが滑らかに動かないのと、特に早朝は車のヒーターが全く効かず、車より我が肉体のほうがとにかく寒いので、最低でも冷水温ランプが消えるまではある程度暖気する派です。

(真冬時の朝の山中湖の外気温)
真冬の始動時は水温0℃あたりのことが多く (時にはそれ以下のことも)、当然冷却水のサーモスタットは閉じていて、コンテの場合は82℃前後から開き始めるので、それまでは冷却水は一切ラジエターには行かずに、エンジンとヒーターとの間を行ったり来たりしています。冬場の始動直後は特にラジエター下部と始動したエンジン内との水温差が激しいらしく、この状態での運転はあまりお勧めできないそうですよ。
また受け売りですが、冷水温ランプが点灯している状態では (50℃以下)、エンジンのピストンも適正値までまだ十分に膨張しておらず、クリアランス(膨張のための隙間)がありすぎで、ピストンが微妙に傾いたり(首振り)してエンジンのピストンリングやシリンダーを削り、磨耗が10倍?進むとも言われていたりします。
LEDランプになったとは言え冷水温警告灯がある以上、少なくともこのランプが消えるまでの間ぐらいは、暖気しておいたほうがお車のためにも良さそうです。
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ちなみにうちの軽二輪233ccバイクはキャブ式の自然空冷エンジン車のため、熱容量を大きくとっているせいか、冷間時はピストン等がかなり収縮しているようで、特に冬場の寝覚めはネボ・ネボ・ネボスケ以上に悪いです。夏場でも最低5分以上は暖気しないとまともに走らないです。走りもエンジンが熱くならないとギクシャクした走りとなってしまいます。
専用の冷却装置を持たない空冷エンジンは、水冷エンジン車よりエンジンの温度差の上下が激しいため、ピストン等は暖まった状態で最適になるよう設計されており、冷間時は水冷車よりクリアランスが大きくなりがちです。
冷却水機構が不要で手軽なバイクの空冷車ですが、その大きめに取っているクリアランスが、エンジンの始動性が悪くなる原因なのと、冷間時にはピストンリングの隙間から、オイルパンに向かって熱い燃焼ガスを放出して、エンジンオイルが劣化する原因ともなります。
ちなみにコンテは、私が以前に乗っていた過去のどの車より、すばやく水温が上昇するようになっていて技術の進歩を感じますが、暖気時間が短くなって車内も暖まりやすく、環境・燃費にも好都合ですね。
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【2011.8.21 追記】 関連情報URL先を変更しました。
【2011.8.26 追記】 以下の文面を追記です。
昨日は曇りのち雨と言った感じで割合涼しかったので、久しぶりにエアコンオフで走っていたところ、意外と水温が高めになっているのを発見。帰宅後エコに反し、しばらくエンジンをかけっぱなしでアイドリング状態のまま様子を観察しました。
(外気温が26℃前後で路面も濡れていたので、水温はそう上がるような状況ではなかったです)
するともちろん徐々に水温が上昇していき、純正の水温センサーが102℃に達したところで、ラジエターの冷却ファンが回転し始めます。そしてしばらく回転して水温が93℃付近になったところで、冷却ファンは停止しました。その後5回ぐらい様子を観察してもずっとこれの繰り返しだったです。
そのあと試しに、98℃ぐらいになった時点でエアコンスイッチを投入すると、エアコンガスを冷却するためにラジエターファンが回り始め、同時に水温も同じように冷却されるので、90℃前後に水温が下がります。
どうも純正のラジエターキャプの圧が1.1kであることからも、従来よりガソリンをさらに薄くして燃費性能を向上させ、さらには不完全燃焼を減らして、ブローバイの発生をも減らしているようなのです。
昔はよく空燃比が14.7 : 1 とかよく言われていましたが、機械仕掛けのキャブ車とは違いコンピューター制御の最近のお車は、O2センサーとかで燃調の状態を把握しながら、20:1とかさらにガソリンを薄くしているようです。
燃焼されるガソリンが少ない、ということはガソリンの気化熱が減る=ガソリンによるエンジン内の冷却も減っているわけで、そんなこともあり希薄燃焼の車のエンジンブロックは、以前の車よりエンジン周囲の温度が高くなっているようです。
ちなみに、コンテのサービスガイドのサーモスタット仕様のところを見ますと、開弁温度は84℃±2℃、全開リフト量は97℃で8.5mm以上の開弁とのことで、どうもけっこう高めの97℃でサーモスタット全開となるようです。
【2011.10.30 さらに追記】
この秋口の外気温が10~20℃弱の涼しい時期になりますと、エアコンスイッチオフで普通に走行すると、水温計の針はおおよそ90~92℃付近にいるような状態です。