今日はとてもいい天気でしたが、ちょうど我がコンテくん55000kmになっちゃいました。
55000kmの達成場所は自宅の近所だったため、今回は残念ながら達成場所の写真とカーナビ画面は未掲載といたしますが、あと5000kmも走れば、一般保障部品の保障期間が切れちゃいますね。
で、今日は天候に恵まれたため、エンジンオイルを初めてDIYで交換しました。
そしてもうすぐの今月4/22の日曜日に岡山県の蒜山(ひるぜん)高原にて、西のコンテオフ会も開催されるのでまた距離を走ることもあり、前回オイル交換をしてから4000km近く走ったのもあり、仕事休みの今日はオイル交換のいいタイミングだったようです。
(2012.4.22日曜日の蒜山の西コンテオフ開催場所 : 筆者撮影)
(MOTUL H-TECH MULTI STANDARD 5W-40外観 : 筆者撮影)
今回当方がチョイスしたのは、前回お試しでリンクにも掲載しています京都市内にある 「車の修理屋たけしくん」 さんで入れた、モチュールの一般的な 「H-TECH 100 Plus 5W-30」 ではなく、もう少し高温側の性能が良い方の 「H-TECH Multi Standard 5W-40」のほうです。
【2013.8.24 追記】
このエンジンオイルはモデルチェンジしたらしく、API SNになって
“H-Tech Prime 5W-40” という名の商品に引き継がれたようです。
コンテのターボ車の純正指定は低温側が5Wなので、今回のオイルの選択には柔らか過ぎないのも考慮しました。といっても実際にこのオイルを触ってみると、かなりネバネバしています。
我がコンテRS号はターボ車のため、ターボの風車(タービン)が回る軸受け(タービンシャフト)のところが流体軸受?なのか、ベアリング式なのか未確認ですが、どちらにしても1分間に10万回転!ともいわれる超高速でタービンが回る軸受部分の発熱はものすごく、この部分をエンジンオイルが循環することにより冷却しています。
車種によっては(コンテRSも含む)、別立てで冷却水(LLC)の通路も設けて、エンジンオイルと合わせてタービンを冷却している場合もあります。
こちらの写真は、我が車のターボーチャージャーの写真が用意できなかったので、
ウィキペディアで掲載されていたのを代わりに掲載です。
(ギャレット製のターボチャージャー : ウィキペディアより)
よってコンテの取扱説明書には、
「ターボのRS車は、登りの坂道を走った後、および高速道路の走行直後は、
いきなりエンジンを切らないでください」
と書かれています。 俗に言う人間ターボタイマーですね。
私の場合、高速のSAに入ったときなどは30秒~1分程度、
アイドリングしてからエンジンを切るように心がけています。
(ターボチャージャーのカットモデル 赤が排気側 青が吸気側 : ウィキペディアより)
こういう事情なので、ターボ車はNA車と違ってオイル管理がとても厳しく、
取扱説明書でも
最大で!5000km以内(距離を走らない人は年2回)
での交換がしっかりと書かれています。
私は日本ではチョイ乗りが多いことを考えると、
ターボ車の場合は、5000kmでの交換頻度でも長すぎると思いますが、
よく聞くところですが、ターボ系統の故障はたいがいオイル管理が悪いか、オイル粘度の選択ミスの事例が多いようですね。
ちなみに取説では、ターボ機構搭載のムーヴコンテRS車での指定オイル粘度は、
“SJ級以上の5W-30” の一択となっています。
当方は整備屋ではないので、劣化したオイルによるエンジン内のスラッジ満載写真や、オイル通路のパイプの目詰まり写真などは一切ありませんで、しかもフリー画像も入手できなかったので、とりあえずそれらが掲載されているホームページにリンクを貼っておきます。
http://members.jcom.home.ne.jp/lotas.ishiyama/tubuyaki2/tubuyaki2.htm
http://takeshi-kun.seesaa.net/article/418694332.html#comment
もしどなたさまか、ここに掲載させていただけるスラッジまみれなどの写真をご提供してくださるようでしたら、お礼はできませんけどメッセかコメントなどでご一報くだされば助かります。
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【2013.8.24 追記】
ところで、ネットを徘徊中に見つけた記事の中に、最近の車 超低粘度の 0W-20 のエンジンオイルを使用するものが散見されますが、その真相というのが、どうやら省燃費が目的というより
冷間始動時の排ガスのコールドテスト (日本では外気温0℃ 欧州では-10℃) での排ガスを減らすのが目的だとの記事です。
これ私は全く知りませんでしたがなるほどと思いましたよ。
よってあくまでその記事によると、そのような目的で0W-20を導入しているので、極寒冷地でない限り、普通はエンジンの保護のために 5W-30 を使ったほうが良い
… と
記事(リンク) は結んでいました
(0W-20の怪!)。
リンク先のURLはこちらです →
http://www.poweraccel.co.jp/engineoil.html
まあ、我がコンテのNA車でも 0W-20 と 5W-30 の両方の純正オイルが
ラインナップされているのはそういう事情があったのですね。
ところで、最近ネットを徘徊するとよく見る事例に、欧州車などはエンジンオイルは20000km交換だとか、トヨタ車でも取説には15000km(シビアコンディションの場合7500km)交換とか書かれているので、これの交換基準で十分だとのご意見です。
特にヤフー知恵袋とかにこの手の回答がなぜか多いのですが、車のことを知らなそうないい加減な回答も多いが、これらの回答者の通りのオイル交換サイクルをおこなってトラブルが起こっても、回答者たちは非常に罪作りなことをしていますが誰も責任は取ってくれませんよ。
もちろん過剰整備は満足度以外に全く無駄なだけですが、あくまで私個人的な意見では、
欧州車の20000kmのエンジンオイル交換サイクル、寒暖の差が激しく高温多湿で、渋滞も多く、しかもチョイ乗りも多いこの日本での、この欧州の交換基準では車のエンジン、スラッジで汚れてしまうのではないかと思われます。
しかも特に冬場の冷間始動やらチョイ乗りでは、どうしても燃焼室やブローバイから
ガソリンの燃えカスやら結露した水分やらがエンジンオイル内に混じって酸化する
ので、特にこれでエンジンオイルが劣化! していきますね。
使用するオイルの質にもよりますが、時々ネット上で見かける、先ほどご紹介したホームページのように、20000kmにも渡りエンジンオイルを交換せず (ここの事例は条件の厳しい軽ターボ車だが)、スラッジでコールタール状のヘドロがこびりついたお車のエンジン内の写真を見るたびに、エンジンオイルの交換基準ってなんなのか? と思ってしまいます。
このエンジンオイル交換周期が何万キロという異常に長い設定は、環境問題といいながら
実は10万キロぐらい乗れれば良い程度の設定に、
車の製造メーカー側がしているのではないのか?
とも、あくまで私個人的な考えですが、巧妙ですが考えようによってはそう受け取れもできますよね。
まあ新車からのエンジンなどの重要部品の保障もちょうど10万キロだし、この保障期間をクリアーできるギリギリの線が、このノーマルコンディションの15000kmというオイル交換周期なのかとも勘ぐってしまいます。
不景気のせいなのか、昔ほど新車が売れなくなってロングライフ化が進んでいるのが最近の世の中の状況ですが、10万キロ付近で車が不調になればメーカーとしては新車が売れていいのだろうが、本来ならちゃんとメンテすればまだまだ乗れる車を廃車にするほうがよほどエコに反してます。
ところで車メーカーが指示しているメンテナンスデータ、
これ聞くところによりますと、
外気温22度 湿度60~70% 無風平坦路、
時速60km/hでの一定走行という、
とても信じられない好条件で走行した場合のテストデータらしいのです。
日本の車メーカーのテストコースのフリー写真は入手できなかったので
BMWのものを掲載しました。
(フランス ミラマにあるBMWのテストコース)
でも日本国内の一般道、地方都市でも信号が多いし、ちょっと街になると時間帯によってはすぐ渋滞するし、広大な土地を有するアメリカやアウトバーンをずっと走り続けるドイツなどと比べると、高温多湿かつ冬場はかなり冷えるといったこの日本独特の国土、
普通に乗っているだけでも、何もせずとも初めから
“ シビアコンディションに相当” なんじゃないでしょうか。
それとエンジンの設計思想の違いもあるのだろうけど、
日本車のエンジンは欧州車と違い、走行中にエンジンオイルが飛んで減ってくる、なんてことは普通ならあまりないですね。私の175000km走ったコンテRSでも、走行によるオイル減少は今のところ全く見られません (2015.9現在)。
したがって過去のものになりつつある2stバイクのように、大量に新品オイルを継ぎ足すこともないでしょう。
よって適切なエンジンオイル交換時期、これさまざまな説が飛び交っていますが、
停車回数やチョイ乗りも多く、気候変化の厳しいこの日本の国土なら、タクシーなどアイドリング時間が極端に長いとかの特殊な場合は除外するとして、普通ならシビアコンデション時期でのメンテナンスが適しているように思えます。
環境を守るためにオイル交換基準が非常に長い、と謳っている欧州車、
理想論ばかり掲げるその一方で、
走行中にどんどんエンジンオイルが、ガソリン(または軽油)と共に燃えて、大気中に拡散してしまう … これ、どちらが悪影響が多いか考えれば分かりそうです。
そしてこのことは、ヨーロッパに酸性雨が多いことと無縁ではないでしょうね。
それにオイルレベルゲージもなく、日本車に比べ電子部品の信頼性もいまいち低いのに、
警告表示だけと言うのも私から見ればちょっと不安を感じるところです。
【2015.9.26 追記】
やはりといいますか、ついに暴かれましたね
……フォルクスワーゲン VWの不正排ガス問題。
ヨーロッパではいくら低硫黄分の軽油を使っているといっても、ディーゼル車は自然着火のうえ、さらに直噴が多いので、エンジンの構造上不完全燃焼による窒素酸化物の発生は避けられませんが、あのような不正をしたのでは大気汚染、かなり深刻だと思いますよ。
日本では都知事だった石原慎太郎さんのときにこの問題が盛んに言われて、しかもいすゞ自動車のように不正に近い状態? でディーゼル車を販売していたメーカーもあったが、それでも昔みたいに黒煙を吹いて走るティーゼルトラックとかはかなり減ったけれども、まだ絶滅まではいっていませんね。
ちなみに検索すると、パリのエッフェル塔とかがスモッグに覆われていて霞んでいる写真がいっぱい掲載されているではありませんか。
すでに現代は21世紀になっているのにもかかわらず、
ヨーロッパの各都市では日本の1960~70年代によく見かけた
光化学スモッグ状態だとか(下数枚の写真)。

(富士山も見える2015年の東京の空と、排ガスで覆われている2014年のパリの街:2chのサイトより)
そしてやはりヨーロッパ域内に多い酸性雨による森林被害、このディーゼル車が主原因なのはまず間違いないでしょうね。なにせ基準値の何十倍もの窒素酸化物とかを吐き出していたのですから。しかも乗用車の半分以上がディーゼル車といいますから。
日本では過去には硫黄の含有率が高いという軽油の質にも問題があったのだが、窒素酸化物に対する規制のため現代の乗用車はガソリン車主体となったのは、今考えれば本当に良かったと思います。
それに対してヨーロッパでは二酸化炭素の排出が少ないからと、ディーゼル化を推進しそれをことあるごとに自慢していたが、これらの不正を見るにつけ、NOx=窒素酸化物だけでなく、CO2排出も果たしてガソリン車と比べて本当に少ないのだろうか? 本当に疑問だと思えます。

(主にディーゼル排ガス規制で綺麗になった2015年の東京の空 : 2chのサイトより拝借)

(ディーゼルの排ガスで1km先のエッフェル塔が霞む2014年のパリの空 : 2chのサイトより拝借)

(世界中で最も最悪な大気汚染状態だと思われる2013年の北京の空 : 2chのサイトより拝借)
ヨーロッパ各地の大都市、中国みたいにあんなに大気が汚染されているのに、何が環境対策に力をいれている……などと妄想を言っているのかと思います。
自国の開発が遅れた自動車会社を保護するために抜け道だらけの検査で、日本車を締め出すためのクリーン規制や(日米に比べればNOx規制は相当に甘いが)、CO2規制だったのでしょう。だからと言って自国産業というより主にドイツの自動車産業を保護するために、住人の健康に絶対悪影響を及ぼしていると思われる、あんなにひどい大気汚染を放置していいはずがありません。
まあ今回、フォルクスワーゲン社の不正がアメリカから暴露された
本当の理由はもっと別のところにあるのかもしれませんが、どちらにしても公害まき散らしの車造りを平気でしてきた主にドイツは真剣に反省せざろう得ないですね。
しかし報道を見るにつけ、実に巧妙なやり方で排ガス規制をすり抜けたものだと、そちらのほうに感心しちゃいますが、ロングライフを前提とした設定での劣化したエンジンオイルも、走行中に燃料と共に燃えて大気中に拡散してしまう問題も同類ですね。昔の2stバイクと同じ現象です。
でもこれで独政府を巻き込んでの不正なディーゼル車は
相当に規制され、下手すれば販売数はゼロになり、
しかも大国なのにあまりにも自動車産業だけに偏っている
ドイツ経済はかなり打撃を受けるだろうが、
その反面、深刻なヨーロッパの大気汚染が改善されて、
多くのぜんそく患者とかが救われることを思えば、
長い目で見ればヨーロッパの人たちにとっても
良かったと思います (追記はここまで)。
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とにかくそんなこんなで、自分の乗っている車やバイク以外のことは分からないので、いろいろ調べていたら、トヨタのノアやほかにも一時期よく採用されていた直噴エンジン車の吸気バルブ周りには、スラッジが非常に溜まりやすく、トラブルが多い……というのがありました。
3000km/毎のエンジンオイル交換でも、エンジンが焼きついて止まったとの報告も見ました。
(トヨタの大型ミニバン ノア)
「スラッジ」 というからには、エンジンオイルが十分暖まらず温度が低すぎてヘドロ化したような感じも受けますが、私は専門家ではないので本当のところはどうなのでしょうか。まあお車を買うときにそんなところまで調べあげてまで買う人はまずいないだろうから、欠点といえば欠点なのでしょうけど、高価な買い物だけにちょっと考えさせられますよね。
ちなみにウィキペディアで 「直噴エンジン」 を調べると、
従来のタイプとは違い、吸気バルブから混合気を吸わずに空気だけを吸うので、圧縮時のノッキングを気にせず超希薄燃焼が可能で、圧縮比も高くでき、高出力化と低燃費との両立のメリットがある反面、圧縮された高圧の燃焼室の中に直接希薄燃料を吹くので、これがうまくいかないと不完全燃焼をすぐに起こして、燃焼室内やその周辺にススが溜まりやすく、メンテが大変だというのがありました。
→ そしてこのススの一部が、エンジンオイルに混ざって非常にオイルが劣化してしまう
… とも書かれてありました。
よって
エンジンオイルも専用のものを選ぶ(純正の直噴用エンジンオイル一択?)必要があるようです。
結局トヨタの低コスト主義のせいなのか? 設計段階で十分な耐久性テストをしていなかったのか、はたまた耐久テストは下請けにでも丸投げしているのかとも思えてしまいます。ミニバンなどの大型乗用車は、何百万円もする高い買い物なのに致命的なトラブルを抱えるのは、客軽視もはなはだしいとしかいえないですね。
そう思ってさらに詳しく調べてみると、こちらに詳しいプログがありました。
ここにご紹介しておきます。前後の連載記事も合わせて見てください。
こちらです →
自動車学
http://blog.goo.ne.jp/carlogy2012/e/f0a6a2f3256b5b19b52a8e8bf0fd01fa
http://blog.goo.ne.jp/carlogy2012/e/8487a3351e015b2560a68d69043860c2
http://blog.goo.ne.jp/carlogy2012/e/c520aeeceb0a7e2aafb51347d93c7727
【2015.11.18 追記】
2015年 12月号の「オートメカニック誌」には(下写真)、直噴エンジン内に多量に発生するススの写真がたくさん掲載されていました。その雑誌の内容をここでご紹介するだけのスペースはありませんが、ポート噴射を併用しているトヨタ 86に採用されているD4-Sでも、たった20000kmの走行でかなりの量のススが吸気バルブ付着している写真が掲載されていました。

(ポート噴射と直噴を採用しているトヨタ 86 : トヨタのホームページより)
同じトヨタの40000km走行したマークXにいたっては、堆積物状態となっている吸気バルブの写真が紹介されておりました。下手をすると圧縮漏れを起こしそうなレベルです。しかもこれらのお車は自然着火のディーゼル車ではなく、ガソリン車だからなおさらビックリです。
現代のハイテク仕様のエンジンでも、不完全燃焼によるススの発生をなかなか抑えられないのに、車メーカーは今もなぜ直噴を採用するのでしょうね。今の状態なら明らかにデメリットのほうが大きいのは間違えなさそうです。
技術の進歩も非常に大切だが、車は高額の買い物なので大きな欠点があるからと言って、そうそう簡単に買い替えられるものではないので、車メーカー側ももっと消費者側の視点に立った商品開発をしてもらいたいものです。
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追記による余談が長くなりましたが、
今回から車の修理屋たけしくんさんのアドバイスにより、より安全を期して価格が約2割ほど高くなるが、オイル粘度が5W-40となる 「H-TECH Multi Standard 5W40」 をチョイスしてみました。
ちなみにコンテのNA車ならば0W-20か5W-30の二択となっていますが、コンテに限らず軽四のNA車は常用回転数が高いことから、特に夏場は5W-30を選択するほうが無難なように思えます。
(H-TECH MULTI STANDARD 5W40のラベル : 筆者撮影)
このエンジンオイル、メルセデス・ベンツのアプルーバル229.5等を取得したエンジンオイルですが、それよりもこのH-TECHシリーズ、表示は化学合成油となっているものの調べると、どうやら高VI(VHVI)の高度水素化分解精製の鉱物油系エンジンオイルのようなのです。
このエンジンオイルのパーツレビューは
こちらです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1144014/car/879006/4443349/parts.aspx
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こんにちでは高性能オイルといえば、化学合成オイル(シンセティック)というのが一般的なのですが、化学合成油でもいろいろな種類があるようで、エステル系は加水分解に弱くて高性能でも冬場やちょい乗りにはあまり向かず、PAO系は鉱物油と同様に加水分解に強い?ようですが、お値段がかなり高いみたいです。
そして 「高度水素化分解精製油(ハイドロクラッキングオイル)」 とは、当方ではネットでかじった程度の知識しかありませんが、
普通の原油から蒸留して生成する鉱物油に対し、さらに不純物を徹底的に除去して製品の色相・酸化安定性・粘度や粘度指数などのの品質を改善し安定させる為に、触媒を用いて水素を加えたりして分解処理を行い高粘度指数基油を作るのを水素化改質処理といいます。
これらの高度な処理により、化学合成油のPAO系の品質までには届かない?ものの、一般的な鉱物油に対して、高度に生成して特性をそろえてベースオイルの粘度指数が高くなるためでしょうか、スラッジの元となる添加剤の量が少なくて済む?エンジンオイルのようです。
ごく簡単に言えば、水素を加えて昔からある鉱物油をさらに高度に分解精製して不純物を取り除き、従来の鉱物油とは思えないような粘度・温度特性の良いベースオイルになっているということでしょうか。
そしてその良質なベースオイルに加える添加剤にこそ、オイルメーカーのノウハウがあるようです。
エンジンオイルは冬場の外気温の低温から、エンジン内の超高温に至るまで、過酷な状況にさらされていくうちに酸化していき、さらにはエンジン内とオイルパンとの中を循環していくあいだに、分子構造がせん断されそこから酸化が進んでいき、やがて寿命となります。
そのオイルの劣化の原因となる「酸化」と「せん断」をどれだけ防げるか、といったところに専業オイルメーカーのノウハウがあるとのことで、せん断しにくい分子構造や、たとえせん断されても切れたところが酸化しにくいポリマーなどの分子構造を持っている、とかがメーカーの持ち味となるようです。
もちろん元々のベースオイルの質が低いと、たくさんの添加剤で不足するオイルの性能をカバーしようとするので、使用していくうちに酸化やせん断が起こりやすくなり、時間と共にオイルの劣化が激しくなります。
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そして今回我がコンテRS号に入れた、「H-TECH MULTI STANDARD 5W-40」 は、その鉱物油系の改良である高度水素化分解精製油(高粘度指数鉱物油)のエンジンオイルでして、このエンジンオイルでは精製法から分かりますように、さすがに過激な運転にまでは向かないらしいです。
でも、私は別にレースに出ることも一切なく、峠でエンジンを回すこともこれまた一切ないので、そんなにオイル油圧・温度とかに神経質になる必要もなく、普通の街乗りレベルなものの、走行距離がめっちゃ多くて(笑)、しかも高速道路の運転も多い当方としましては、ちょうど性能と価格とのコストパフォーマンスが高いように思えました。
(エンジンオイルをゲージ部分から抜き取るオイルチェンジャー : 筆者撮影)
なお今回、このオイルは5W-40の鉱物油系ということと、省燃費オイルの規格であるILSACのGF規格は、このオイルでは認定されていないことから、二輪のCD250Uにも試験投入しまして10kmほど走りました。
常温で新品オイル同士を比較すると、見た目には今まで使っていた鉱物油のホンダ純正G1 10W-30より、この低温側が5Wのモチュールの5W-40オイルのほうが、はるかにネバネバしていますね。
最初は新オイルを投入したCD250Uを十分暖機したうえで、そろりそろりと走り出し完全にエンジンが暖まった後、きつい坂であえてエンジン回転を上げてみましたが、とりあえずクラッチすべりは感じられず、かえってホンダ純正の鉱物油G1 10W-30オイルよりは、はるかにエンジン回転が滑らかに、かつすばやく上昇するようになっていてかなりビックリしました。
とりあえず10kmほど走行した感じでは、クラッチすべりは大丈夫そうでしたが、四輪のオイル使用による長期的な影響 (特にどの程度入っているか全く不明な減摩剤の影響や、せん断による劣化) は、今のところ全く不明です。
よってクラッチやミッションギヤーによるオイル分子のせん断やオイル酸化による粘度低下が、走行するにつれどの程度劣化していくのか、カムシャフトやミッションギヤーとかに悪影響を与えないのか、オイルシールに問題はないのか、今後注意深く経過を見守りたいと思います。
後に2012年 6月の初めごろに1日で500km以上の日帰りの遠出走行してみましたが、とりあえずは無事走りました(追記)。
もしこの四輪用エンジンオイルを二輪へ試される方がいらっしゃれば自己責任にてお願いします。
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【2013.1.6 追記です】
先日知ったのですが、昨年2012年の夏ごろからとうとうモチュール(日本代理店はテクノイル・ジャポンKK)も、オートバックスとジェームス向けにJ-01シリーズという、H-TECHシリーズと同じようなエンジンオイル?を小分けして=4L缶と1L缶での販売を始めたようです。
詳細な中身はもちろん私には分からないけれども、どうやらこのH-TECHシリーズのエンジンオイルを小分けしたような感じにみえますね。この100%化学合成油となっているJ-01シリーズでも、上位2種のみエステル配合と表記されていることから、その他の3種はH-TECHシリーズと同様にVHVIのハイドロクラッキングオイルのように思えます。
なお、【関連情報URL】には、このJ-01のメーカーサイトをご紹介しています。
やはり街の業販店では、激安オイルをペール缶で購入して差額で利益を出しているようなきらいがあるので、このシリーズのモチュールのオイルはあまり売れなかった=数をさばけなかった、ということでしょうか? げんに私の自宅周辺でもこの“プロフェッショナルオイル”と名づけられた、このH-TECHシリーズのエンジンオイルを置いているところをとうとう見つけられなかったし。
モチュールのH-TECHシリーズのエンジンオイル、20Lのペール缶の購入となるものの、
街乗りレベルならオイル性能に対するコストパフォーマンスはピカ一だと今も私は思うのだが。