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カクシカおじさん(プレミオおじさん)のブログ一覧

2012年01月10日 イイね!

開放型バッテリー搭載バイクの代替レギュレータの悩み

開放型バッテリー搭載バイクの代替レギュレータの悩み
 本来はここのページにはすでに掲載写真が準備できている、以前に予告していましたカーナビとパソコンの音楽編集の話題を掲載するつもりでしたが、

 これはしばし後回しにして当方の所持している軽二輪バイクのCD250Uのレギュレータのお話をしたいと思います。

 もちろん興味のない方は読み飛ばしてくださいね。


 久しぶりにゆっくりと休めたため以前から懸案事項だった、当方の所持している軽二輪バイクのCD250Uのレギュレータの廃盤代替品の調査試験を再度行い、さらにこの一年間に渡って当方にて行ったいくつかの品種の調査結果を取り上げたいと思います。



 バイクの発電回路と搭載バッテリーは、ビックスクーターなどを除いて搭載できるスペースの関係上、四輪のようにしっかりとしたものはなかなか搭載できず、かなり簡素な作りになっています。

 その最たるものが発電機で、四輪も含め昔は「ダイナモ」といって、直流発電機を搭載していましたが、これはカーボンブラシとかが必要でしかもブラシも磨耗するので、半導体制御が発達してくるとまもなくACジェネレータという物にとって代わられました。

 ACとはもちろん交流の略で、バイクの場合は回路を簡素化することから、タイトル写真に写っている当方のホンダの233ccのバイクでは、チェンジペダルの上にある丸っこい形をしているアルミのケース (Lクランクケースカバーといいます) の内側には写真はないのですが、3つの層に分かれた円形状になっている発電用コイルが、ネジでLクランクケースカバーの内側に固定されています。

 その固定されている発電コイルの中を、クランク軸に直結されているフライホイールを兼ねた丸いローターが回るようになっているのですが、そのローターの内側には強力な磁石が取り付けられていて、電磁誘導の法則によって磁界を横切ることにより、非接触ながら電気が発電されます。



 ところでこの発電方式、回路が簡素でしかも非接触だし信頼性も高いのですが、大きな欠点として回転が少ないときには発電電力はわずかで、しかも発電電圧もかなり低いのだけれども、エンジンの回転が上がると逆にコントロールが全く効かず、とにかく必要以上に発電してしまうのです。発電した電圧も回転数に比例し、最終的には100Vをはるかに超えていきます。

 ちなみにCD250Uのサービスマニュアルによると、5000rpm時には190Wの発電電力になるとの記載がありますが、GB250クラプマンのサービスマニュアルには、もっと詳細に回転数と発電電力が記載されています。



 ところで四輪車の場合は、発電機のスペースが取れることもあり、回転するほうも回転しない外側のほうも、両方とも巻き線コイルとなっていて、エンジン回転が低いときには励磁(れいじ)する側のコイルに強く電気を流して磁力を強くして極力発電電力を得るようにしていて、逆にエンジン回転が高いときには励磁用コイルの電気を弱くし、磁界を弱めて発電電力をある程度セーブすることが出来ます。

 ところが励磁側のコイルに相当するのが、バイクでは磁力の変えられない融通の利かないマグネットなので、発電電力が足らない回転数が低いアイドリング時などは、バッテリーから絶えず電力を持ち出し、逆に回転が上がって発電しすぎだ余分な電力は、どこかでなんとか処理しなければなりません。



 そこでそれを制御するのがレギュレータ、正確にはレギュレータレクチファイヤーなる電子部品なのです。これはもちろん四輪にも発電機と一体となって搭載されています(オルタネーター)。



 そのレギュレータなる部品は、ネイキッドバイクのACジェネレータの0V~100V以上に渡って変化する交流電圧を、まず直流に変換します。その後搭載バッテリーの種類に応じて13.0~14.0V前後(密閉式バッテリー)や、上の写真のポッシュの簡易電圧計の指針のように14.0~15.0V前後(開放式=液式バッテリー)になるようにレギュレータ内部で出力制御します。

 ここでそのレギュレータの原理まで述べるつもりはないのですが、最近の二輪車に標準の密閉式バッテリー、俗に言うMFバッテリーは使用途中の補水は一切不要、転倒にも強く電圧保持力も高いなど、旧来からの液を入れる(開放式)バッテリーより優れている点が多いため、近年発売の二輪車はほとんどこの手のバッテリーを採用しています。


   
ただ一つの欠点は、販売価格が高めという点は別にして、
   密閉式であるがゆえに「過充電に弱い」という欠点ですね。

 開放式のバッテリーではもし過充電ぎみになっても、水素ガスが“ボコボコ”といいながら飛んでいくのですが (これもけっこう危険だが)、密閉式は密閉されているだけに、非常用にいちおう防爆弁なるものがあるものの、過充電にならないよう従来より1V弱ほど充電電圧を下げているようです


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 さて、ここからが問題なのですが、二輪車はもう原付を除いて1980~1990年代とは大違いで、現在では販売台数がかなり少なくなってしまったので、旧来の開放式バッテリー用のレギュレータの補修部品も、どうやら密閉式に近いような制御特性を示すものがあてがわれている?ようなのです。


 下の写真に写っています左側のレギュレータは、GB250クラブマン用のMF化された後期車の物です。バッテリーがYB9-Bの液式を使っていた、GB250前期の頃のレギュレータの部品番号 31600-KL8-710 を注文しても、MF化された後期のレギュレータの 31600-KL8-760 が代替品として示されます。

 ちなみにCD250Uとは、レギュレータの外観形状は全く同じでポン付けできますが、接続ソケットの形状は全く違っています。なおこの写真の右側のレギュレータがCD250U本来の物です。



 もちろんこれはあくまで私の憶測にしかすぎないのですが、
 廃盤となったCD250Uのレギュレータの代わりに、接続ソケットの形状のみ違っているがポン付けできるGB250とCD125T用のレギュレータを新品購入して (直上の写真で新電元の型番らしい、SH590B-11と印字してある分)、ソケットを転換してCD250Uに試験搭載すると、最大でも13.7V付近までしか電圧が上がらないのです。


 当方のCD250U君、入手性が非常に悪いバイク専用ともいえる純正のPH8 36.5/35Wのヘッドライト球から、四輪で一般的なH4球に転換し、しかも搭載しているデイトナのH4球用のライトレンズの下向きが拡散タイプのため、さらにスタンレー電気のレーシングクリアーの85/80WのH4球に変更し余計に消費電力が多くなっています。

 よって1Vほど充電電圧が低いMF用バッテリーの充電特性では、ホンダ純正の全周型グリップヒーターも効きにくくなり、バッテリーの充電不足も心配になって来ました。といいますか、そろそろグリップヒーターの電源制御も、MF用バッテリーにも合わせたような特性にするべきですよね。



 その後、CD125T1という最終型のキャブ車には、始動性を向上するためキャブヒーターが取り付けられた関係で、レギュレータが従来のCD125Tとは違う型番になっていることがオフ会のときに判明し (型番はSH590B-13)、これも取り寄せて試してみるとSH590B-11よりは0.5Vほど出力電圧が高めになっている感じで、これなら純正の35Wのヘッドライト仕様ならなんとか使えそうな感じです。

 で、またGB250初期車の開放型バッテリー時代の中古のレギュレータも購入して (こちらは250Uと同じ、SH590-12という型番が印字)、接続ソケットを付け替えて試してみると、もちろんU本来のレギュレータと同じ14.0~15.0Vの間に電圧計の針が来て充電もグリップヒーターり効きも全く問題はなかったです。



     【いただきましたコメントに対して追記です】

 残念ながらGB250用やCD125T系統の後期型のレギュレータは、電圧が内部比較型に変更になって配線が1本減りまして、開放型時代のように-アースにつなぐ線がレギュレータの外にまで出ていないため、いただきましたコメントのような手が使えないのが非常に残念です。


 そしてレギュレータの純正部品の販売元は確かにホンダなのですが、レギュレータを作っているのはほとんど新電元(しんでんげん)という会社なので、この型番の意味するところをホンダに尋ねても分からず=教えてもらえず、こちらで推測するしかないのですが、

 どうやらSH590は形状を表し、そのあとの「B」がMFバッテリーの制御特性なのか、と私は推測しているのですが、製造元に確認できないのと調査した事例が少ないので、この推測は間違っているかもしれません。もし、レギュレータの型番等の見方など、これらのことをどなたかご存知の方がおられましたら、ぜひご教授をお願いいたします。


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 実はバイクのレギュレータは四輪とは違い放熱フィンの付いただけの、中には放熱フィンすらない自然放熱の冷却に頼ったものばかりなのです。しかも取り付け場所が雨や水がかからないような場所にたいがい取り付けているため放熱性がかなり犠牲になっており、放熱用ファンで絶えず冷却される四輪用とは違い、現代の世でも二輪用はけっこう破損することが多いのが実情のようです。

 過去にもありましたけれど某掲示板にもありますとおり、H社のとある車種のバイクのレギュレータから発火した、という事例もあり、現在はほぼ放熱フィン付きのものに改良されました。


  しかもレギュレータが破損したり不調になりますと
    
・出力電圧が下がって、バッテリーがあがり運転不能になるか、
    ・逆に最悪の故障パターンとして、16V以上の過大電圧となって
        バイクの電気回路およびバッテリーを壊すか
                      
のどちらかになります。


中古品のレギュレータを搭載し、しかも遠出の多い当方では出先で泣き目を見ないよう、常時充電電圧が確認できるようにアナログ式簡易電圧計をバイクのメーターの中間に設置し、不良になったレギュレータは出先ですぐに交換できるように予備のレギュレータまでも積載している有様です。



 このポッシュが販売している針式簡易電圧計が14Vちょいを指し示すとき、手持ちのサンワのアナログテスターの針は14.4V付近を指していることから、ここに搭載しています簡易電圧計の誤差は-0.3~-0.4V前後のようで、大方の目安にはなりそうです。
 
Posted at 2012/01/10 02:15:58 | コメント(4) | トラックバック(0) | バイク / メカ | クルマ

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「我がコンテ号、325327kmにて初めてCVTオイルパンを開封(写真)。

CVTは3~4万kmでのフルード交換ぐらいしかメンテはしてませんでしたが、左端の円形のマグネットにヘドロがこびりついている以外はきれいでした。

当然、新品のストレーナ・マグネット・ガスケットへと交換。」
何シテル?   10/26 21:55
カクシカおじさんです。 ニックネームの由来は、我が愛馬コンテカスタムRSの別称、ダイハツの『カクカクシカジカ』と現在の年齢がおじさんになっているところから...
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