ダイハツ純正 , 13523-B2011 カムシャフト タイミングギヤーORスプロケット
前項の続きとなりますが、こちらはターボ・NA車共通の排気カムシャフト側のスプロケットを交換していきます。本当は前項の吸気側のスプロケットと統合して一つのパーツレビューにしようと思っていましたが、部品名がやたらと長く分けて掲載することにいたしました。
こちらの部品も歯車の部分にはどうやら焼きが入れられているようで、材質までは不明ですがただの鋼ではないと思われます。それでも30万km近く使うとクッキリとチェーンとの摩擦跡が使われた歯車の山から確認できますね。
後でプランジャーのパーツレビューのところでも詳しく取り上げますが、当方のタイミングチェーンではこれだけ走っていてもほぼ伸びは無かったのですが(10mm以下だと思われます)、タイミングチェーンの駒同士を連結しているところが摩耗してきますと、当然連結ピンのところにすきまが生じて、チェーン全体を見ますとかなり伸びてくることになります。
伸びてくる原因の主なものはエンジンオイルの管理が悪すぎるのが大半ですが、エンジンオイルも安価すぎるものはベースオイルの質(基油)と、極圧剤などの添加剤の質と量が十分でなく、更に交換周期が長いと摩耗が激しくなるようです。
もちろんタイミングチェーンが少しぐらい伸びても、テンションアームをバネが仕込まれた専用のプランジャーが押してくれるので、プランジャーが押さえられる範囲内ならばチェーンがたるむことはありませんが、バイクの駆動チェーン(ドライブチェーン)と同様に、チェーンの連結ピン付近の摩耗により駒と駒との間隔が広がりますので、今度はスプロケの山をご丁寧に削っていくということになりますね。
よってバイクのチェーンも初期伸び以外を防ぐために、連結ピンの中にグリスが封入されたシールチェーンなる物が開発されて、使用時のチェーンの伸びは大幅に押さえられるようになりましたが、タイミングチェーンではそれはエンジンオイルの役目なのでオイルが劣化いたしますと、削られたタイミングチェーンやスプロケの山の微量な金属粉がエンジンオイルの中に漂うということになり、オイルフィルターまでたどり着かなかったり、フィルターで取り切れなければエンジンにとって良くない状況になっていきますね。
ということで、ひと昔のベルト式のタイミングベルトの時代に比べ切断という最悪な故障はほぼ無くなったと言えるものの、今度は特にオイル管理が悪いとチェーンの伸びとか固着とかいった問題を引き起こし、これを直すにはエンジン内にまで分解接着といった大掛かりな修理作業が必要となり、作業工賃は過去のタイミングベルト時代の比ではないようです。整備作業工賃レートは私は知りませんが工賃は10万円コースぐらいになりそうですね。
まあもとはと言えば製造メーカーが机上の計算だけでタイミングチェーンだから交換不要として、簡単に交換できないような設計にしたのが、すでに指摘しましたようにアホでマヌケだとは思いますが。
だからといいまして、10万円? ほどの工賃を節約するためと、整備屋さんやディーラーの作業者の質が分からないこともあり私は自らやってしまいましたが、見よう見まねだけでこの作業をされるのは、すでに前項のところでも書きましたが絶対におやめくださいね。まず作業項目が多く工具もそれなりに必要で、最低でも修理書がないとまずできないと思ったほうがいいです。
まず右マウントの脱着を伴いますし、冷却水を抜いたり補充とエアー抜きも必要ですし、先にも触れましたが排気上死点を出し、さらにあの面倒なクランクシャフトプーリーの脱着もあり、カムシャフトも不用意に動かしてしまうとバルブをピストンに当ててしまって、エンジンそのものをオーバーホールしなければならなくなります。
ただプロ向けの車の整備ブログでも不鮮明な写真も多く、しかもここまで詳しくは書かれていないことも多いので、当方はあえて多数の写真を掲載して詳しく解説しておりますが、単にエンジン内はこうなっているんだ、エンジンオイルはそれなりの品質のものをシビアコンデションで交換しなければならないんだ……という観点で見て下されば当方としてもうれしく思います。
次へつづく
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前項とセットでその続きですが、吸気側のスプロケの交換完了後、排気側のスプロケを交換しにかかります。
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今度は排気側のカムシャフトのサービス用六角を、21mmのスパナーかモンキーでしっかりと押さえます。
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21mmサイズのスパナーか、ガタの無いモンキーを用意して47Nのトルクを掛けても動かないよう保持。
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やっと排気側のスプロケットも47Nのトルクで、無事にカムシャフトに固定できました。
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こちらは29万kmも使ったチェーンのスプロケ。焼き入れがなされていると思うが、結構歯形の段差が。
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こちらは新品のスプロケ。見た感じでは山部分のところには焼き入れ処理がなされているように思えます。
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この赤矢印のところはNA車はオイルコントロールバルブ、ターボ車はめくら板が装着されますが発注し忘れ。
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前出ですが、すべてが組みあがりプランジャーのストッパーを抜けばチェーン関係は整備終了です。
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