ダイハツ純正 , 13521-B2010 クランクシャフト タイミングプーリー / 90042-80034 ウッドラフ キー
吸排気カムシャフトを駆動するための、タイミングスプロケット2個を規定トルクでしっかりと取り付けた後は、それをタイミングチェーンで駆動するためにクランク軸に差し込む 13521-B2010 クランクシャフト タイミングプーリー のスプロケットの交換にかかります。
先に取り上げましたカムシャフトのスプロケはかなり大きな歯車でしたが、スペースと回転数などの点からクランク軸直結のスプロケはかなり小さな径の歯車となっており、そのせいでたくさんの回数でタイミングチェーンとの接触が生じるのと、こちら側がチェーンの駆動部分となるのでトルクもかかり、取り外した部品を見ますとスプロケの山は結構摩耗しているようです。
当方の車ではモチュールの8100エクセスという良質なエンジンオイルを、ターボ車ゆえ比較的短距離で交換してきて、エンジン内にスラッジ等は全くなかった状態でも、エンジンオイルを被りながら回転しているこのスプロケの山は、手でこすってもわずかですが段差が分かるほどなので、オイル管理の悪いお車だとかなり摩耗するのではないかと思われます。
バイクのドライブチェーン(駆動チェーン) もですが、チェーンのピン部分が摩耗して回転部分にすき間が生じてきますとガタつくと同時に、引っ張られてチェーンが駆動するせいで駒と駒の間隔がわずかに広がり、そのせいで歯車(スプロケ) の山とのかみ合わせがズレてしまい、歯車の山もチェーンのピンも摩耗していくという悪循環になっていきます。
当方のタイミングチェーンは若干の固着はあったものの伸びは5mmも無かったぐらいでしたが、調べてみると何cmも伸びている事例もあったようで、ここまでタイミングチェーンが伸びてしまうと歯車もかなり削られているのではと思われます。もちろん削られた微細な金属粉はエンジンオイルの中を漂うわけで、当然エンジンにも良くありませんね。
しかもそんなにチェーンが伸びればバルブタイミングも大幅にずれてしまい、排ガス検査に通らないばかりか、最悪の場合はバルブとピストンがこんにちはをして、エンジン終了となっちゃいます。
このタイミングチェーンの交換作業工賃、前のパーツレビューで10万円ぐらいだろうと勝手に述べておりますが、オイル交換をさぼったツケは超高額の修理費となって帰ってきます。
まあエンジン内が、人体で言えば動脈硬化やコルステロール満載といえるスラッジだらけの状態なら、こんなタイミングチェーン等を交換するまでも無く、ヘッド内やピストンリング部や燃焼室がすでにドロドロだろうから、ここだけ整備しても全くの無駄でしょうが。
ちなみに下写真の説明文が1写真につき50文字以内という制限のため詳しくは書ききれませんでしたが、タイミングプーリーのスプロケを固定しているのが、差し込み式の 90042-80034 ウッドラフ キー という名の半円形の形をしたものすごく小さな部品でして、この小ささゆえこれを取り外すのに非常に難儀しまして、エンジンの一番下のところにあり、かつクランクシャフトにキズを付けないように持ち上げて取り外すのにほとほと困りました。
精密ドライバー等をなんとか先端に刺し込んで持ち上げてやっとこさ取り外しましたが、本当に小さな部品なので取り外した時の反動でどこかへと飛ばさないよう特に注意します。当方の今回の作業は砂利敷の駐車場でしたので、はめ込む際に落としたりして失くしたらまず見つけられないと思い、この 90042-80034 の部品、無駄だと思われるが新品部品を1個余分に発注しておきました。
またこの部品ですが調べてみますとバイクでよく使われているようですが、一度取り外して再利用すると外れやすくなる傾向にあるようなので、見た目には傷んで無さそうでも再利用はせずに、新品部品を取り寄せて交換しておくほうが無難なようです。
これを失うとここで作業がストップしてしまいますので本当に要注意部品ですが、当然-ドライバー等で押し込んで差し込むときも、浮いてないようによく確認しながらズレもないようにしっかりと奥まで押し込みます。もし組み立ててしまってから外れてしまったり、走行中に外れてしまうと車は動かなくなってしまいます。恐らくピストンとバルブが突きあう可能性も高いです。
なおタイミングプーリーの奥に設置されているギザギザ山の薄い鉄板みたいな丸型の部品は、クランクシャフトの位置を検知するための、クランク角センサーに情報を与えるための部品です。すべてのギザギザ山が同じ形状にはなっておらず、一部に長い山があり、それらの位置を磁気的に検知してクランクの回転位置を検知していきます。下の9番目の写真です。
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タイミングチェーン関連の交換部品全てを撮影。チェーンカバーの脱着は重整備なので迷わずすべてを新品に。
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まず一番最初に排気上死点を出しておく必要があります。クランクプーリーを時計回りに回して0度にします。
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前項からの続きとしてクランク軸に装着するスプロケを交換していきます。刺さっているピンを取り外します。
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なかなかピン(ウッドラフキー)が引き抜けず苦労したが、クランク軸をキズつけることなく抜き取りました。
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新しいプーリースプロケをクランク軸に挿し込み、ウッドラフキー穴に切り欠きを正確に合わせていきます。
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極小さな新品のウッドラフキーの膨らみ部分を下向きにして押し込み、-ドライバー等で圧入します。
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ウッドラフキーが押し込まれて、無事にタイミングプーリーが装着できました。
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各カムシャフトのスプロケの目印とチェーンの銅色の駒が一致するように、チェーンをはめていきます。
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次に黄色のポンチ穴の目印に合わせてチェーンの銅色の駒が一致するように装着します。
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先の写真ではすでにチェーンガイド等を装着している状態で撮影してますが、ここでチェーンガイド等を装着。
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最後に赤矢印のプランジャーを装着し、チェーンの色付きの駒3ヵ所が所定の位置にあるかよく確認します。
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こちらは29万km使ったタイミングプーリー。径が小さいので3つのスプロケの中で最も摩耗が激しいです。
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スプロケの山の部分を拡大して掲載。エンジンオイルも回り硬質な材料のはずだが、かなり山が削れてますね。
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