3度目の車検整備 その③ -フロントハブ・ハブベアリング交換 前編-
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元々の発端は今年(2017年)の春先で、冬タイヤから夏タイヤへとタイヤの入換作業をする際、20万km以上走行しているということで、フロントブレーキのソリッドディスクまで外して各部を細かくチェックしました。
そうするとキャリパーピストンのダストブーツが破れていたり、この写真のようにフロントハブがサビですでにボロボロ、というのが分かりました。
もちろんこの程度のハブの腐食ぐらいではまだまだ大丈夫なのかもしれませんが、もしもホイールナットを受けるハブボルトが腐食で根元が朽ち果てて、最悪空回りなどするようなことが起こるとホイールナットが外せずおおごとになりますね。
また後でご紹介していきますが、今回の車検でフロントディスクを更新する際に、ステアリングナックル部分をすべてバラすので、合わせてフロントの足回りをすべて更新することに。
ただそうすると部品代がかなり嵩むので、以前から少しずつ部品を用意することに。
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こちらの写真はすでに作業終了後の状態を撮影したものですが、この黒く塗装された半円の部品、つまりこの13インチディスクに対応したダストカバーを、ステアリングナックルに圧入しなければならず、そのためここの部分をすべて取り外すことになります。
交換作業のためすべて取り外すのであれば、ここに乗っかかっている部品すべてを一挙に交換すれば、作業工賃は一度で済むことになります。
俗に言う予防保全というやつですが、交換部品が1個何万円もするのであればちょっと考えますが、ハブ本体+ベアリングで片側でほぼ1万円、左右で2万円なので(工賃は別)、痛い出費ですが旅行等を控え他を辛抱し捻出します。
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こちらは米国製のサビ転換剤みたいなもので、POR製のPOR-15という錆止剤(サビ転換剤)みたいなものです。旧車のサビ止めとか補修などによく使われているそうです。
マフラー用の耐熱塗料といい、米国製の化学製品もまだ完璧とは言えず、ターボ車特有の高い排熱温度に負けて、塗膜に多少のひび割れが生じますが、日本のオキツモ製、もしくはそのOEMと思われる各社の耐熱塗料よりも、米国のラストオリウム社の耐熱塗料のほうが、ひび割れが生じにくく塗膜の持ちも断然いいようです。
やはり化学製品はまだまだ米国製も一長があるようですね。エンジンオイルといい、この分野では日本はまだ弱いのかなぁ。
ということでこのサビ防止剤・転換剤を、特にハブの裏側=フロントディスクに接しない空洞となる部分に重点的に塗布いたします。
No.1写真のようにここの部分、洗車場のガン式洗車銃でも、付着した消雪剤をなかなか落とすことができず、掲載写真のようにあまりにもボロボロに腐食してしまうからです。
そしてこのサビ防止剤がどの程度持つのか今後チェックしていきます。
【2017.8.4 追記】
フロントディスクの内部の風洞部分を黒塗装するためディスク板まで取り外したところ、POR15の塗料が無残にも剥がれてしまいました。
ハブとフロントディスクの接する面、及びフロントディスクとタイヤホイールが接する面、熱もかかるうえに圧着されるようなところはこのPOR15、塗膜が分厚すぎるのか、はたまたサビの部分に塗ったわけではなく固着してなかったせいか、塗膜が剥がれて塗膜がボロボロに。
よっていったんPOR15を綺麗にはがして、ハブ側はクレのシャーシコートのクリアー色 → 後日、ラストオリウムの耐熱塗料のクリヤー色を追加塗布、フロントディスクに接する面には、ラストオリウムの耐熱塗料のクリアー色に塗り替えました。
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ということで、更新用にあらかじめ取り寄せた新品のダイハツ純正部品の写真です。
こちらはハブボルトがすでに圧入済みのフロントハブSA(本体)、フロントベアリング(NTN製 AU0755)、フロントハブホールスナッブリング、アスクルシャフトナットM20です。
新品の部品は当然サビも狂いもなくピカピカで気持ちいいですね。ハブの裏面にはPOR15をあらかじめ塗布したものの、表面も裏面も後日シャーシクリアー & 耐熱塗料のクリアー色に塗り替えしました。
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こちらは、今回新品ハブとともに合わせて交換するハブベアリングです。ここの掲載写真では表裏が分かるように、表面と裏面と両方を撮影しました。
ベアリングの表面と裏面の両方を掲載したのは、ベアリングのシール部分にこげ茶色のものが塗られているのが気が付くと思います。
これは昔のカセットテープと同じで、ここにはすでに製造メーカーにて磁性粉が塗られていて、じつに48極だったと思うのだけれどABSの速度検知用のNSが刻まれています。
初期のABSはギザギザの歯車を用いて車輪の回転数を検知していたようですが、だんだんとハブベアリングの回転するシール部分に磁性粉を塗ってそこにNSを刻んで、それを磁気センサーが検知することにより車輪の回転数を把握する方法に代わってきたようです。
この方式になって検知精度は大幅に向上したようですが、同時にドライバーの先端など磁力のあるものをベアリングに近づけない、ハブベアリングの取り付けには向きがある、などの注意が必要になってきました。
もちろん社外品の使用などご法度です。まあ1個3000円ほどなので無茶に高価と言うわけではありませんが。交換工賃のほうが遥かに高いでしょう。
調べてみるとこんな整備トラブル事例がありました。プロの整備業者向けの記事からです(一般社団法人 大分県自動車整備振興会のホームページ)。
「ハブベアリング交換時には再度確認を!」
http://www.jaspa-oita.or.jp/jissen/2016/08/page1_1.html
もちろん基本的にはプレス機がないとベアリングをハブ本体に圧入できないのですが、これはめったにする作業ではないので、今回は道具を揃えることなく車屋にお任せです。
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ちなみにこちらの写真は、ハブベアリングの交換の際に必要なサークリップとアスクルシャフトナットM20です。どちらも再使用は不可です。
特にナットのM20は、シャフトからの脱落を防止するため、かしめ(折れ目)を深く付けるので再利用はできません。もちろんかしめをきちっと施工していないと、万が一ナットが緩んだ時には大変な目に遭いますね。
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そしてハブ交換の際、ステアリングナックルやタイロッドエンドも切り離すので、そのついでに破れる寸前のロアアームのポールジョイントのダストブーツ、ヒビはまだ無いものの7年の走行でゴムが硬くなっている、ステアリングブーツとタイロッドエンドのダストブーツも新品交換します。
この部品の新品の写真も撮ったはずと思うのだけど、撮影ファイルをまだ見つけられないので、取り外したほうの劣化したブーツの写真で代用です。
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車体に装着していた頃の破れる寸前のブーツ写真も撮影したはずなのだけど、これもまだ用意できなくて、取り外したヒビ割れたブーツ写真で代用です。
さすがに7年 & 20万km超も走ると、ゴム部品の劣化が進んできますね。
あと2年ぐらいで廃車にするなら、漏れていたウォータポンプとこのダストブーツぐらいの交換で済ませるところなれど、まだまだ乗るつもりなので、ここで大きく劣化している場所に手を入れておけば、あと6年ぐらいはそんなに気を使わなくても乗れるだろうとの予測です。
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