目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
さてオイルパンに塗布する耐熱用の液体ガスケットですが、整備書ではスリーボンド1280E(ダイハツ純正部品扱い) を使うよう指示されていますが、
今回の作業についていろいろとお世話になりました、みん友さんのEnnaさんにご教授いただいたところ、1280Eは柔らかめでコーキングガンで塗りやすいのだが、接着後4~5時間くらいは放置しないと完全にガスケット状にならないのだそうです。
そこで今回当方がチョイスしたのは、同じスリーボンド製ですが1207Fという品番の物で (末尾の英字品番がいくつかありますが、今回はFです)、使ってみれば分かりますがかなり固めな材質で、この時期なのでこたつの中に入れて幾分暖めてから塗布したものの、やはり硬くてチューブからガスケットが出にくく手が震えながら塗りました。
ただしこちらの1207Fは塗布後すぐにオイルが投入できるとは言われますが、さすがに私は不安になり周囲の後片づけをしながら時間を潰して1時間はゆうに経過してからエンジンオイルを充填しました。
またこの1207Fのいいところは、硬めなため塗りにくいが垂れないことと、色がグレーで周囲とマッチすること、それから耐LLC性があるということもあり、万能性に富むいい液体ガスケットだと思います。
ところでこの1207Fはあまり売れないのか、はたまた知られていないのか、置いているところはかなり少ないようですが、モノタロウならすぐに手に入りました。さすが多数の工場用品を置いているだけあって即納でした。
そして直径4mm前後で塗布と整備書には書かれていますので、付属のノズルを内径が4~5mmになるよう、ハサミであらかじめ切断しておきます。
2
今回の作業に対し多大なご協力をいただきましたみん友さんのEnnaさんが、わざわざ今回の作業のために、整備書には書かれていない作業の要点を手書きで作成してくださいましたので、ご承諾をいただいたこともあり、当方のページでも掲載させていただきます。
液体ガスケット1207Fをオイルパン側だけでなく、エンジンブロック下部の接合部分にも塗布することと、接合面に位置する四隅はオイルパン側にも多めに塗布しておくこと、それからこれは整備書にも書かれていますが、塗り始めの開始点は合わせ面でないところ、つまりオイルパンの中間地点あたりにすることでしょうか。
製造コストをけちっているのか、アルミのKFエンジン、一体成型でなくてなんと実は両脇とも貼り合わせて造られています。右側は非常にオイル漏れを起こしやすいタイミングチェーンカバーとなりますが。
3
ダイハツのKFエンジンの液体ガスケットの塗布方法、丸い形の Ø4mm で棒状に塗布するのですが(私は Ø5mmにしました)、そのように塗布してから貼り合わせますと、丸い形で塗られていた液体ガスケットが圧縮されて両脇に押し出されます。
そうすると押し出された部分が壁になり液体ガスケットが蓋をする、という感じになります。これを専門用語で凝縮破壊(ぎょうしゅく はかい)と言うのだそうです。
「凝縮破壊」 私は初めて知りました。奥が深いと言えば奥が深いのですが、なかなか素人では知りえないところです。
4
スリーボンド1207Fは淡いグレー色なのですが、ガスケット塗布中は手袋にガスケットが付着したりして、塗布直後の撮影などしてなかったので、きれいに清掃したオイルパンに、ペイントソフトを使って黒色で1207Fを塗ったイメージ図を作成してみました。
特に四隅の角部分は追加で塗布し量を割り増ししたこと、それとこの写真で言えば、下部の真ん中あたりに分かりやすいようにわざと切れ目を入れましたが、塗布開始点をこの切れ目あたりにするように注意することでしょうか。
当然ですが、実際の塗布作業は切れ目など無く、一筆書きで開始点まで一周するように線径 Ø4~5mm で塗布していきます。
5
ということで、整備書には書かれてませんが、写真ではちと分かりにくいので赤矢印で表示しておりますが、矢印の先端部分、貼り合わせの面4か所にもスリーボンド1207Fを塗布。
時間がかかるオイルパン側を先にガスケット塗布し、こちらはすぐに塗れるので素早く塗ります。
6
液体ガスケット1207Fを塗布完了すると、こちらのガスケットは猶予があまりないので、整備書に書かれるまでも無くオイルパンをとっととクランクケースへと装着していきます。
このような作業にいつも大活躍するのがこのナットドライバーです。6mm径のボルト・ナットには対角10mmのナットドライバーが適合します。8本のボルトには対角12mmのナットドライバーを使用しました。
このナットドライバーを使ってまず対角線上にボルト・ナットをはめていきます。組み付け順序の指示は書かれてませんが私は中央の4本のボルトを対角線上の順番で締め、残りのボルト・ナット8つもまずナットドライバーで手で素早く確実に締めていきます。
それが完了しましたら、ラチェットレンチで本締めしていきました。
なおここのボルト、他車のものは絶対使用禁止ですので、長らく開けたことがなければ、ナットも含めて全部新品のボルト・ナットに交換しておくほうが無難です。全部交換しても1000円ほどですし。
7
これが硬化し凝縮破壊ではみ出した、スリーボンド1207Fです。このようにはみ出すことによりがっちりと封がなされて、オイルパンからのオイル漏れは完全に解消しました。
ところが何日間かすると上からわずかにエンジンオイルが落ちてきていまして、調べてみますとエンジン裏側のクランク角センサーの接続ソケットの付近のエンジン貼り合わせ付近からだと判別。
どうやら恐怖のタイミングチェーンカバーからもエンジンオイルがわずかに漏れているようです。
たとえDで10年間のオイル漏れ保証修理で直しても、タイミングチェーンの部品一式が新品になるわけではないので、さらなるスキルアップと30万km近く使用したタイミングチェーンの伸び具合の確認、その他の部品の劣化具合も知りたくて4月に3連休を取ったので、その時に修理して完全にオイル漏れをなくし、品番変更されているタイミングチェーン一式もごそっと交換しようと思います。
詰りは全くなかったのだが、オイルパンを剥いだだけでは交換できないプラ製のオイルストレーナーも新品交換する予定です。
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