KFエンジンのオイル漏れ修理 と タイミングチェーン交換 その① 準備編 1
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すでにご紹介してますが事の発端はこれで、エンジン背面のベンチレーションバッフルの液体ガスケットを塗り直して修理し、次にこの写真のように、エンジンオイルがにじみ出てきたオイルパンの劣化していた液体ガスケットを塗り直して、オイル漏れ修理は直ったかに思えました。
が、修理後2日ほどするとわずかにオイルパンの底にエンジンオイルが付着していました。
やはりオイル漏れはまだ完治してなかったのでした。ということで結局はタイミングチェーンカバーからも、エンジンオイルが漏れ出ていたということで、チェーンカバーの液体ガスケット塗り直しが決定。
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新車購入から8年目にして、ヘッドカバーパッキンからエンジンオイルが漏れだすようになり、約2年前の2018年 4月 16日の日、ヘッドカバーパッキンを交換しました。
パッキン交換時の走行距離は、当時のキリ番の記録から24万km直前だったようです。
やはり20万kmを超えてきますと、いくらエンジンオイル交換、油脂類、クーラント、ブレーキフルード交換などをきちっと管理して交換していても、やはり劣化してきて不具合各所の交換・整備が必要となってくるようです。
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ヘッドカバーパッキンを交換したあと、忘れずにタイミングチェーンカバーとの境目に液体ガスケットを塗ってから、素早くヘッドカバーの12本のボルトを装着します。
ただその時に手トルクで絞めてオーバートルクだったのか、あるいはネジ穴にエンジンオイルが入っていたのか、赤矢印部分のねじ山が半分ぐらいなめてしまって、不完全な締結のままヘッドカバーを装着しました。
ただこの破損気味のねじ山を直そうとすると、リコイルとかヘリサート加工、もしくはタイミングチェーンカバー自体を交換するしかないので、これまで幸いエンジンオイルが漏れ出てこなかったこともあり放置していました。
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潰れ気味のねじ山にヘリサート加工やリコイルをするといっても、ヘッドやシリンダーブロックは車部品の中でも最も温度変化の激しいところ。
当然アルミ製のヘッドやシリンダーブロックは伸び縮みするわけで、こんなところをリコイルやヘリサート加工などをするには不安要素いっぱいなので、ずっと放置してました。
今回タイミングチェーンカバーとエンジンブロックとの境目に塗られている液体ガスケットの塗布場所から、オイルが漏れ出てくるのを修理するため、エンジン本体からタイミングチェーンカバーを取り外すのに合わせて、カバー自体を交換することで対処することにしました。
あと1~2年ほどしか乗らないのであれば放置しておきますが、まだしばらく乗るので新品交換で対処しましたが、実はこのチェーンカバー、品番変更されてオイル漏れ対策がおこなわれたのとの情報を頂きました。
しかも私は知りませんでしたが、カバーASSYで買いますと、オイルポンプ一式も装着されてくるということで、オイルポンプも更新されることとなり、トロコイドの摩耗による油圧低下の不安要素も同時に解消されますね。
なおこの部品はASSYなので、オイルフィルターの差し込み口の真横に、シール剤が塗り込まれたスタットボルト 90041-26005 が装着された状態で供給されますが、他のスタットボルト 90041-26006 は新品交換するなら別途用意する必要があります。
また金属バリもかなりあり、私は完全に取り除きましたが、これも結構面倒でした。
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こちらはオイルパン(エンジンオイルを貯めておくところ)からエンジンオイルを吸い上げるための、オイルストレーナーという部品です。
先におこなったオイルパンの液体ガスケットの塗り直し作業まで知りませんでしたが、この部品、最新の設計のエンジンでは改善されている可能性もありますが、このダイハツのKFエンジンではなんとタイミングチェーンカバーを外さないと、この部品は交換できない構造で絶句しました。
オイルパンからのアクセスでは、上側の締結ボルトが取り外すことが出来ないです。
しかもこの部品、旧来は金属製で造られているのが普通でしたが、KFエンジンでは熱や酸化に弱い樹脂部品で出来ていまして、しかも内部の上部分にゴミ取りの網があり、もしスラッジなど発生させて内部が詰まってしまい交換が必要になったら、タイミングチェーン交換と同じほどの作業工賃が発生してしまいます。
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今回はタイミングチェーンカバー自体も新品交換しますが、液体ガスケット塗布済みのカバー装着作業をすばやくおこなうため、カバーを締結するボルト・ナット類も新品を取り寄せて更新しました。
もちろんこれらの部品は絶えず高熱を浴び続けているので、他のエンジンから取り外したボルトナットの流用は禁止されています。
またこの全16個のボルト・ナット類のうち、一番最初に締めるメインの2本のボルト 91552-E1045 はシールボルトとなっているので再利用は絶対禁止のため、この作業をする時には必ず補給用の新品ボルトを取り寄せてから作業を始めてくださいね。
なおこの写真掲載のボルト類の各品番は、2010年製の当方のエンジンに対応した部品品番ですが、2013年の7月前後で仕様が大きく改変され使用部品がかなり変更されているため、適合品番確認は必須です。
私の場合、素早く組み付けられるよう、掲載写真のような細長い空箱に、品番が表示された新品のボルト・ナット類を取付順に並べて、迷わず装着できるようにしておきました。
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タイミングチェーンカバーに液体ガスケットを塗布後3分以内に装着し、15分以内にすべてのボルトナットを図表の順番どおりに締結せよ、と指示されているので、
私は間違いなく素早く作業できるように、修理書の該当部分のごく小さな図を、A3の大きな用紙になるまで何回か拡大コピーを繰り返して作成。追加で手書きによる使用ボルト・ナットの品番も色付きで書き込んでおきました。
それを大きな透明の差し込み式の下敷きに入れて、それを見ながらタイミングチェーンカバーをすばやく締結しました。しかも急遽予想外の深夜にこの作業をしたので、この図表はかなり役立ちました。
【追 記】
実は約半年後、シリンダー部分(腰下)と、シリンダーヘッド部分(腰上)を2回に分けて交換作業をしたので、短期間にこのチェーンカバー装着作業をなんと3回もやってしまうことに。
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次にご紹介しますのは今回使用した液体ガスケット、スリーボンド1207F 250gです。250gしか入ってないので念のため2本用意しておきました。
修理書によると、本来は油脂部分には同じスリーボンドの1280Eを、ウォータポンプ装着部の周囲には耐LLC用のスリーボンド1282B(黒色)を塗布せよと指示されています。
これら2種類の液体ガスケットはどうやらダイハツ純正部品扱いで一般には市販されておらず、純正部品として用意する必要があるようです。
まあタイミングチェーンカバーの脱着など、整備士か元整備士でもない限りまず個人ではやることはないだろうから、市販などされていなくても問題は少ない、ということなのでしょうね。
今回は当方、ここの部分は修理書の指示とは違う、油脂もLLCも両方使える万能タイプの1207Fを使用しましたが、この品番の物は粘度が高くて垂れない代わりに非常に塗りにくくてしかも速乾性、塗りつけると即組み付ける必要が。
調べると過去にはこの品番の物をダイハツも使っていたようなのですが、使い勝手が悪いから、粘度が低くて遅乾燥性で、コーキングガンも使える1280Eへと変更されたんではなかろうかと思われます。
もしピストンキットを購入してピストン周りを更新するならば、LLCの封の部分には専用のスリーボンド1282Bぐらいは用意しようと思います。
約半年後の腰下・腰上交換作業時には油脂部分の封にはこの1207Fを使いましたが、クーラントLLC部分の封には、もう廃車までこの作業はしないとの前提で、ダイハツ専用の1282Bを用意し塗布しました。
次へつづく
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