KFエンジンのオイル漏れ修理 と タイミングチェーン交換 その⑤ 分解編 1
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こういう重整備のDIY作業の前には、しっかりと事前準備が必要なので準備編に4ページも割きましたが、いよいよここからは作業に入っていきます。
本来の予定では3日間も作業日程を取り、しかも10日前から部品の発注もしていたものの、品番確認のほかその他もろもろの部品商との細かなやりとりがあって部品発注に時間を要し、結局注文した純正部品が我が家に到着したのが作業前日でした。
先ほど事前準備が大切だと申しましたが、時間がかかるだろうと思って早く部品発注をしたものの、結局注文部品の到着がぎりぎりになってしまったことが後々に響くことになりました。
しかも作業前日は夜勤仕事だったので、作業日初日は午後になってから到着部品の内容の確認やら写真撮影で時間を費やしてしまい、僅かしか分解作業が出来ないまま日没とともに作業終了。
翌日は晴天で作業日和でしたが、3日目は土砂降りの雨になるということで、2日目に徹夜までして早朝までかかって作業の大半をやってしまいました。
それから準備編には取り上げませんでしたが、当然エンジンオイル3L弱、純正のオイルフィルター、純正クーラント2L、精製水2Lほども忘れずに用意いたします。
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オイル漏れしているタイミングチェーンカバーを外すためには、まずスロープに車を乗せて、床下の作業スペースを確保します。
過去の当方の整備歴から、マサダの2tのガレージジャッキやリキマエダの馬も所持しているものの、今回は何日にも渡って作業をすることや、車体下に潜っての作業も多いことから、
安全上タイヤは外さず、エンジンは車載状態で整備する方針にしたので、車体が斜めになる欠点が生じますが、一番安全そうなスロープを使うことに。
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車体をスロープやリフトや馬に載せたあと、タイミングチェーンを交換するにあたり、真っ先にしなければならないのがコレ、0度の死点にクランクプーリーを合わせておくことです。
素人整備だと、ついこの作業をするのを忘れがちになるので真っ先にやっておくほうがいいです。
この0度の合わせ作業を失念し、タイミングチェーンカバーを取り外してしまうと合わせられなくなるし、0度に合わせないままタイミングチェーンを外してしまえば、最悪バルブをピストンに突く可能性があるので、絶対に失念しないように注意します。
まあこの整備記事や他の方の作業記事などを見て、見よう見まねだけでこのタイミングチェーンの交換作業をされる方はまずいないとは思いますが、
かなりの重整備となるのと繊細な作業が続くので、私はやっているものの正直よほど整備に詳しい方で腕に自信のある方以外は、工賃はかなりかかりますがプロに任せた方が無難です。
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そして次に作業に邪魔なフロントバンパーを外し、右側のヘッドライトも外し、ラジエターサポートもリインホースメントもエンジンガードもすべて外して前部は丸裸にします。
ここで死点の0度に合わせたほうがやりやすいですが。ちなみにここの掲載写真は、別の整備時のものを流用しています。
そしてすべてを丸裸にした後、順不同でエンジンオイルとクーラントを抜いていきます。
そのあと2つのベルトも取り外し、万が一作業中にエンジンオイルなどが発電機に付着すると、高価な純正発電機を傷めるため発電機=オルタネータも取り外すことにしたので、バッテリーの-端子も先に取り外しておきます。
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次に冷却水クーラントを抜いていきます。
ダイハツのKFエンジンの設計が悪くて、はっきり言ってメンテナンスのことなどを考えてないので、クーラントを抜かないとタイミングチェーンカバーを取り外せないからです。
ウォータポンプ部分を直接エンジンブロックに取り付けられる構造で、プーリーさえ取り外せばチェーンカバーを脱着できる構造にしていたなら、これらの整備の苦労はだいぶん減るのですが。
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ラジエタードレンからLLCが抜ける量は全容量の約半分程度なので、さらに抜き取らないとチェーンカバーは取り外せないため、さらにクーラントを抜きにかかります。
ターボ車なら赤矢印のターボウォータパイプを丸ごと、NA車ならシリンダーブロックに設けられているドレンボルトを取り外し、シリンダーブロック内のクーラントを抜きにかかります。
この処置でクーラントはヒーターコアー内に残留している分を除き、ほぼすべてを抜き取れます。
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準備編では取り上げてませんが、ターボ車ならここに写っている、16258-B2020 のターボウォータパイプとタービンとを結合する、交換用ガスケットをあらかじめ用意しておく必要があります。
このガスケット、タービンからの高熱がかかるところゆえ再利用は避けた方が賢明です。
またこれらは過去の当パーツレビューや整備記事で詳しく取り上げたので、ここでは詳しくは掲載せず割愛します。
すでに何度もしつこく述べておりますが、DIY整備ではこういう些細な部品一つも漏れ落ちることなく発注して用意しておかないと組み立てられなくなるので、修理箇所だけでなくエンジン・インテーク・エギゾースト全体の把握も必要です。
ちなみにNA車は、ターボウォーターパイプのシリンダーブロック側の接続箇所に、ウォーターパイプの代わりにガスケットをかませて専用ボルトで締めます。その交換用ガスケットが必要です。
ここのガスケット、もちろん再利用禁止ですが、よく劣化でクーラントが漏れるらしいので必ず新品を用意しておきます。
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この作業は先でも後でもいいのですが、オイルパンを剥がすのに邪魔になるメインマフラを外しておく必要があります。当然交換用のガスケットも用意しておきます。
マフラーをマニバータに固定している2つのボルトはまず固着してます。まずこれを取り外し、マフラー吊りゴムを車体から取り外せば、作業に邪魔になるメインマフラーは無くなります。
私の場合は車体の右側の地面に寝かして置いておきました。ちなみにここの掲載写真も、過去に作業した排気系のオーバーホール時のものを流用しています。
次へつづく
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