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2013年09月22日

三菱名車館 1962 MINICA

三菱名車館 1962 MINICA 1962年 岡山県倉敷市水島の新三菱重工から、初の軽四輪乗用車「初代三菱ミニカ」が発売されました。
終戦後に三菱水島航空機製作所(後の三菱自動車 水島製作所)では、それまでの航空機生産から、航空機材料を転用した鍋釜の生産を経て、みずしま号などのオート三輪の生産が事業主体となっていましたが、1961年に三菱360シリーズ(商用車でボンネットトラック、ボンネットバン車型がラインナップ)を発売し四輪車事業へ転換を図っていたのです。

初代ミニカは、この三菱360商用車をベースに、Bピラーから後方を完全に新作し、軽自動車ながら3ボックスセダンのデザインを創出しています。現代であれば、バンと同車型でリヤシートを後方へ設置して後席居住性を高めてセダンとする手法が一般的ですが、三菱は敢えて投資と時間の掛かる開発手法を選択したのです。そして、ペットネームに「ミニカ」と云う特別な愛称を与えたのです。

今から50年以上も昔の話ですので、定かなことは分かりませんが、当時は自動車設計部の社員でさえ自動車の免許証を持っている方が珍しかったと言われています。その中で、社外デザイナーの金子徳次郎氏をコンサルタントとして招きながら、本格的な軽乗用車としてのデザイン・車型・ペットネームまで与えての取り組みは、四輪事業で水島製作所の身を立てて行くと云う三菱の並々ならぬ決意の表れを感じさせます。

このミニカは、2サイクル強制空冷2気筒エンジンを縦置きFR搭載し、T/Mはコラム4速を採用、何と高速道路の無い時代に最高速89km/hをカタログに謳っています。ドアが後ヒンジを採用しているのも面白いです。

先日、岡山県のあるメーカーさんを訪問した時に、この初代ミニカの実車に初めて対面しました(下の写真です)。外観が極めて美しく手入れされているだけでなく、エンジンも掛かり、しっかりと実走行できる状態で車検も通しておられ、とても生産後50年も経っているクルマとは思えない素晴らしいものでした。

その後、ミニカシリーズは8代目までサクセッサーを生み、水島製作所を三菱自動車の主力工場へ成長させて行く原動力となったのです。
そのミニカも2011年6月に8代目の生産終了を以って、50年に亘る長い歴史に終止符を打ちましたが、今もポロポロと云う愛らしい排気音を残して走って行く姿は、小さな体ながら三菱水島の人々の夢を叶えた名車と言えるでしょう。

<参考>
1962年から続いたペットネーム「ミニカ」は国産車では、ダイハツハイゼット、スバルサンバーに続いて第3位の長寿です(Wikipediaより)。外国車では、1959年生まれの「ミニ」がありますが、ミニと云う名前は長い間愛されるようです。





ブログ一覧 | 名車の思い出 | クルマ
Posted at 2013/09/22 14:31:41

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この記事へのコメント

2013年9月22日 20:43
このミニカを三菱勤務の時に点検修理した事有ります。レストアしたのか程度が良く車のユーザーは意外にも20代位の若い男性でしたネ。最近の車と比べ超シンプルでした。
コメントへの返答
2013年9月22日 21:13
私も岡山で実車を拝見しましたが、エンジンルームなど何も無いと言うくらいシンプルですね。
強制空冷のダクトが、フロントグリル部に取り付けられたファンからシリンダーブロックまで覆っていて、エンジンらしきイメージの物が見えませんでした。
驚いたのは、2枚目の写真に写っていますが、エンジンルームのトーボード側の黒い物体です。なんとガソリンタンクがエンジンルームに在ったんですよ。
衝突安全試験とかが煩い昨今では、絶対に出来ない配置ですね。
2013年9月23日 0:49
懐かしいですね~♪
私がケンメリに乗ってた頃・・・
20年くらい前かな?隣の家の納屋
を壊す時ににこのミニカのトラックが
眠ってたので。。。整備して乗るつもり
だったのですが。。。

書類が無く撃沈。。。すると何処から
かぎつけたのか同じミニカに乗ってる
人が現れ買い取っていかれました(^^;

コメントへの返答
2013年9月23日 7:20
このミニカのトラックも、なかなか可愛いデザインですよね。
スズキのマーボウと云うクルマが在りましたが、あれよりカチッとしたデザインが、三菱の働くクルマのイメージに合ってますね。

ひめ蔵さん、惜しかったですね。
(^^)/~~~
2013年9月23日 13:49
こういう車を間近に見れるというのは
羨ましいですね(^^ゞ

自分の車もここまで維持できるか、
やはり値打ちは何十年か後にならないと
出ないですけど、試してみたいですね(^_^;
コメントへの返答
2013年9月23日 20:12
まったく別の用事で訪問したんですが、素晴らしいコンディションのミニカが玄関前に停めてあったんで、思わず見せて下さいとお願いしました。

この会社のクルマとして、メンテナンスされておられるとのことで、三菱水島製作所のイベントとかに展示したこともあるようでした。

これだけの長期間に亘って維持するのは、仕事とか義務とかでは無理で、真に惚れ込んでいると云う事なのだと思います。

自分のクルマに50年間、惚れ続ける事が出来るのかと問われると、私は果たして何と答えられるのだろうかと・・・
(=^ェ^=)
2013年10月4日 8:07
とても懐かしいですね。
車が大好きだった子供の頃を思い出します。(今でも車は好きですが)

「三菱は敢えて投資と時間の掛かる開発手法を選択した」
「四輪事業で水島製作所の身を立てて行くと云う三菱の並々ならぬ決意の表れを感じさせます。」
「高速道路の無い時代に最高速89km/h」等々、
いろいろなところに当時の三菱自動車の「こだわり」を感じます。

今もこの「こだわり」は続いているのでしょうか........
コメントへの返答
2013年10月4日 13:16
「こだわり」・・・
重要ですね。しかし、こだわりを持って生きるのが難しい時代になっているのも感じます。結局、大袈裟に言えば、その人の人生観なのでしょうね。
しかし、人に感動を与える事物とは、通り一辺倒の仕事ぶりでは、生まれ得ないものでしょう。
志と魂無ければ、光を産まず人を動かさずと思います。

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