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mura@RCFのブログ一覧

2017年01月22日 イイね!

チューニング振り返り【#8】

ざっと振り返るだけなのに#8まで来ました。
やったこと自体はあっさりしていますが、一つ一つが濃いのか長文化します。
(^^;)

鈴鹿デビューを果たしたマークXですが、やっぱりリミッターに当たっていては・・・ということでリミッターカットを敢行。
SARD CUVU Evolutionを導入しました。
高いですが色々出来るチューニングECUです。

色々出来るのに、スロットルマップとリミッターしか弄っていません。(笑)

スロットルマップはスポーツモードとノーマルモードのペダル開度と電スロ開度の関係マップを書き換えるのですが、
思いっきり特性を寝かせました。
かなりじわじわと電スロが開いていく設定です。

スポーツ走行で大事なのは「レスポンス良くスロットルが開く」ということではなく、
「狙った量だけ開く」ことです。
少しアクセルを踏むだけでガバッと開く設定は乗りにくいを通り越して危険だとすら感じます。

なので僕の車はSPORTモードよりもエコモードの方がアクセルペダルに対して電スロが機敏に反応します。(笑)

パワー関係は一切弄らず。
純正A/Tはノーマルのパワーに応じたトルク容量+αしか持っていないのでパワーアップに対しては慎重です。

そもそもやったところで、僕の車は吸排気ノーマル(今はマフラーはフジツボになりましたが、ほぼノーマルと呼んで良いと思います)なので、ハード側が大きく変わっていない以上はそんなに変わらないだろうなと言うのもあります。
学習して元の特性まで戻ってきたりして・・・などと考えるとやる気が沸きません。(苦笑)

SARDのECUにした理由は、単純に最高車速と言うスロットル閉じ要求が出る制御定数を書き換えるだけで、全域元々の制御の延長で走れるからです。
HKSのVACは(買ってないので分かりませんが)リミッター車速以上はVACがトランスミッション制御を行うようで、「VAC独自のAT制御」ってなんだ?というのが良く分からなかったので避けました。

スロットルチューニングは何度も書き換えを行って結構苦労しましたが、
走りやすくなるのでまぁこれだけでもCUVUにしておいて良かったかなと思っています。

去年からエンジン開発に詳しい知り合いが出来たので、
手が空いたら何かやってみようかなとも考えていますがしばらくは妄想に留まりそうです。(笑)

~~~~~

そして僅かに後追いになってしまいましたが、国際コースのスピードレンジで走るということでHANSを導入。
本当はミニサーキットでもあったほうが良いとは思っていたんですがなかなか踏み切れずでした。
しかし流石に鈴鹿やFSWだと安全装備の意義が一気に上がってくるのでこれを機にと考えました。

HANSを使うにはHANSクリップが付けられるヘルメットが必要になるのでヘルメットも購入。
さらに使っていた4点式ハーネスは肩ベルトが3インチでHANSのガイドにベルトが綺麗に収まらないので、肩ベルトが2インチ&3インチの複合サイズになっているTAKATA RACE6に買い替えました。




ベルトの張り方にもきっちり拘り、専用のアダプタをワンオフしています。



シートレールのボルトにアンカーを共締めするという方法だと、ベルトがシートレールと干渉してしまい、
正しくテンションがかからないので微妙かなと・・・

これならベルトが途中で邪魔なものに当たることなく、真っ直ぐに張れるので良い感じです。

安全装備まで整ったところで本当の意味で鈴鹿仕様完成です。
Posted at 2017/01/22 20:39:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | マークX | 日記
2017年01月21日 イイね!

チューニング振り返り【#7】

まだまだ続きますチューニング振り返り。
今回はやはりブレーキの話は一旦置いておいて次に進みます。

ブレーキの次はLSDに手を出すことにしました。
LSDの必要性としては立ち上がりにイン側のタイヤが空転してしまってトラクション不足に陥っているというところと、制動時のリヤのばたつきを抑えるというところ。


FR車でサーキットを攻める場合、基本的にリヤタイヤで路面を蹴るようにしてコーナリングしたいため、
蹴った力が逃げないようにするのがLSDの役割です。
これは何となく有名な話ですからこれ以上は割愛します。


制動時のばたつきというのは、フルブレーキングの時にリヤがむずむず動くフィーリングになっている場合を指します。
これは180km/以上の超高速域からフルブレーキングした場合に起こった現象です。
左右のブレーキの熱の入り方に差があると顕著に出ます。
鈴鹿の1コーナーとか、セントラルの1コーナーとかのように下りの傾斜が付いているとさらに出やすく、水平路ではバッチリなブレーキバランスでも前荷重になってしまうために発生したりします。
この状態はブレーキング時に左右の車輪速が微妙に差がついてしまっている状態なので、LSDで差動抵抗をつけることによって緩和できます(後輪駆動車の場合)。


LSDは立ち上がりの恩恵にスポットが当たりがちですが、このように立ち上がり以外のケースにおいても恩恵が得られます。

例えば、コーナリング中にリヤがズルッと言った場合にスライドのスピードを抑える役割もしてくれます。
左右の車輪の差動を制限するので、車が自転するうごきを規制してくれるんですよね。
滑り出しからスピンモードに陥るまでの時間が延長されるので、対処も簡単(?)になります。


こんな感じであちこちで恩恵が得られるということはその逆もまた然りと言うことで、
不用意なものを入れると思わぬネガが出ますので注意が必要でした。

僕とチューナーで拘ったのは、やはり高速コーナーでタイムを稼ぎたい鈴鹿を狙ったセッティングなので、「コーナリングの真っ最中にLSDがどう効くか」です。

アクセルON↔OFFで挙動が急変するLSDではNG。
よく「アクセルONでアンダー、OFFでオーバー」とか「アクセルOFFで巻き込むように曲がる」とか言う文言がありますが、その文言通りになっていると例えばマッチャンコーナーやFSWの100Rでアクセルを抜くとスピンの恐怖と戦わなければいけないということです。
LSDを使って旋回姿勢をコントロールしたいのであれば、低開度から高開度までアクセルを自由に開けたり閉じたりできなければいけません。
僕がマークXに投入したのはアクセルがONでもOFFでも挙動が急激に変化しないLSD。
確かに効いているのだけれど、走行中にLSDが効いているということを意識しないようなセッティングです。

そうするとLSDのネガである「操作をトリガーにして車の特性がコロッと変わる」というのが無いので恩恵だけを受けられます。

じゃあそんなLSDをどうセットアップするか・・・
これはブログ上では公開できません。。。(^^;)
僕も大まかな概要と思想はディスカッションしたので当然把握していますが、
細かな勘コツはチューナーお任せなのでそもそも正確に書けませんし。(苦笑)


ちなみにこの背反として、美浜みたいな各コーナーが小さすぎるコースではブレーキング中に向きを変えないといけないため、LSDがそれを阻害する形になっています。
実際、僕の美浜のベストラップはオープンデフ時代のものです。
鈴鹿に照準を合わせるというのはこういうことで、どこでも満遍なく速くなるわけではないということを念頭に置いておかなければいけません。



で、続けて次のサスアームも書いてしまいますが、これは狙いはキャンバーセッティングです。
LSDを入れて上記のようなセッティングを行うと基本的にアンダーになるので、
アライメントでアンダーを消します。

使ったのはクスコネガティブアッパーアーム。
フロントはマークX用は設定が無いのでJZX100用をベースにワンオフ(アジャスト部を現車合わせして溶接)しています。
120系用だったらアッパーアームがあるとか、実はIS用がいい具合にキャンバーがつくとか、キャンバーボルトと言う商品が合ってそれを純正アッパーに噛ませればキャンバーがつくとか色々と別案の情報もありましたが、
いろいろ買って付けて外してはしんどかったのと、
クスコなら強度面で心配はないだろうということでクスコのJZX100+追加工で腹を括りました。(ワンオフの内容が内容なだけに高かった・・・汗)

ノーマルのマークXはトーしか調整できないんので、
キャンバーを弄れるようにするだけでセッティングの自由度がグッと上がります。

アライメントをLSDの特性を考慮してセットすることで、LSDによるアンダーステアを緩和することが出来ます。
実際、LSDを投入後にアンダーが強まったという印象は全然無く、
グイグイ曲がるのにリヤはベタっと踏ん張り、勝手には流れてこないという楽しいフィーリングに。

それまでのリヤが意図せず流れてくるかも・・・(流れたらタコるかも)という感じから、
流れだしたらカウンターを当てよう(それで間に合う)という感覚になりました。

リヤタイヤが、本当は後部座席のさらに後ろにあるんですけど、
まるで運転席の真後ろにあるかのような回頭性かつ、自分の体のすぐそばで駆動をコントロールしているような感覚で乗れる車になりました。

このLSD・サスアームまでのチューニングでマークXは完全に化けました。
非常にコントローラブルで限界付近で車をコントロールするということが出来るハードスペックが揃った感じです。
西浦を走らせてもシェイクダウンで2秒フラット出ましたし、明らかに速い車になりました。


これでいよいよ満を持して鈴鹿デビュー。
初めて走った時のベストタイムは38秒9でした。
初めてのクリアラップで、しかもリミッターカット無しでメインストレート、裏ストレートともに180キロでリミッターに当たっています。


その時のタイム表がこれですが、、、



マークXの前後のタイムで走る車のラインナップを見て、
ますます火がついたのはまだ記憶に新しいです。


続く。
Posted at 2017/01/21 22:28:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | マークX | 日記
2017年01月19日 イイね!

チューニング振り返り【#6】

#5の続きでブレーキです。

前後ともキャリパーとローターを変えることにしましたが、
仕様の選定はとにかく慎重でした。

なぜなら、マスターシリンダーの容量を考えないと、むやみに大型化してしまうと
供給流量が足らないため、ペダルストロークがかなり深くなってしまう可能性があります。
マークXのマスターシリンダーは7/8インチ。
劇的に小さくはありませんが、大きくもありません。

やはり熱容量とブレーキバランスを考えてフロント6POT、リヤ4POTは欲しいところです。

当てずっぽうに行くと外すので、まずは純正サイズを基準に考えます。
純正ローターはフロントがφ334×30mm厚、リヤがφ310mm×18mm厚なので、

大体前後比で1.07〜1.08くらいの大小関係です。
純正の状態で前がかなり効くんですが、キャリパーがフロントは4POT⇒6POT
になるところ、リヤは片押し1POT⇒4POTになるので、キャリパーだけでも結構リヤにバランスを寄せられると睨んでローターサイズはほぼ純正のバランスを維持することにしました。

バランスが決まったので今度はサイズですが、
特にリヤは純正状態では一瞬でブレーキパッドが無くなるレベルで容量が足りないので、出来るだけ大型化を狙います。

まずはフロントローターに行きます。
フロントローターはリヤローターよりも大径にするため、先にこっちを決めないとホイールとのクリアランスの問題が発生します。

純正ホイールが履けなくなることは仕方なしとして目を瞑りましたが、
社外ホイールが履けなくなると困るということでフロントは360mmローターに決定。
18インチを履くエボXが355mmで問題なく走っているという実績をよりどころに、
オートマでエンブレが効かないことを考慮しての360mmです。
厚みは目一杯確保したいのでキャリパーが許容する目一杯のサイズに。

キャリパーはレース用のCP5555と、ストリート用でサーキットも走れるCP9020が候補となりましたが、先の記事に書いたようにローターもパッドも極力厚くしたいのでCP5555に。

CP5555は36mm厚のローターまで飲み込めるため、36mmに設定。
これで純正よりも6mm厚みが増します。

フロントローターの径が決まったのでリヤの径が決まります。
360/1.07で336mmです。

リヤはフロントがレース用なのでリヤもレース用にしたく、
AP RACINGのCP5147というキャリパーと、CP6730というキャリパーを候補に挙げてもらいました。
前者は26mmローターまで許容、後者は28mmローターまで許容です。
350Sの純正はリヤ18mmローターなので厚みはどちらでもかなり余裕が期待できます。
普通に考えたら余裕はあって困るものではないので28mmローターを許容できるCP6730の方が魅力的ですが、
チューナーの助言でピストンサイズに着目すると、
CP6730はCP5147よりピストンサイズが大きいようで、マスターシリンダーの容量が気になります。
流用できるマスターが無いかも探したんですが見つからず、
流石にブレーキがぶかぶかになると嫌なので無難にCP5147にしました。
フロントが6mmアップなので、リヤが10mmアップというのもまぁ、余計じゃないかなという読み。
唯一心残りなのが、CP5147は336mmローターが一杯一杯で、これ以上リヤをサイズアップしたい場合には対応できません。
結構悩みながら、最終的にはチューナーの言うことを信じてCP5147にφ336mm×26mm厚のローターを収めることにしました。

フロント






リヤ






ローターはGARLANDレーシングローターに12本のカーブスリットを入れたものになりました。
GARLANDレーシングローターはGT300やニュル24h耐久にも供給実績があるものを、
同素材同工法でそのままマークXに投入しています。
素材はベルハウジングが超超ジュラルミンで重量増を抑え、
パッドとの接触面となるアウターローターはレース用の特殊鋳鉄材。
これをフローティング構造で支持し、熱膨張時の歪みを抑えています。

ちなみにスリットの仕様はショップお任せで、24本スリットでも良いと言ったんですが、
出来上がったのはこれでした。(笑)

レーシングキャリパーの取り付けにはブラケットが必要ですが、
チューナーの得意分野なので現車を採寸して軽量かつ高強度なものをワンオフ。






パッドはランニングコストを考えてZONEを組みました。
欲を言うとフェロードを使いたいんですが、CP5555用のフェロードパッドは8万円もするんですよね。流石に割とストイックにやっている僕でもブレーキパッドに8万円は・・・(滝汗)



これなら1セット24000円なので現実的です。


こんな感じで、マークXに使えるブレーキキットを、探すのではなく作ってもらいました。(笑)


使った感想はもはや語るまでも無く、最高!
と言いたいところですが、こうやって振り返ってみて最近正直に思うのは・・・
マークXという車を舐めていたようです。

車が速くなりすぎてこれでもフロントが足りなくなりつつあります。(^^;)


前後バランスやブレーキフィールは本当に最高なんですが、
これでも国際サーキットではクーリングを少ししないとパッドがガンガン減っていくことが分かりました。(爆)
フロントローターにはヘアクラックが少しずつ入ってきていますし、来シーズンには流石に新品のローター投入かな?と思っています。(^^;)


ただ、これも根本対策と言ってこれ以上大きくしようとすると19インチのホイールも要るというデメリットも出て来ますし、
落としどころとしてはこのままもアリかなのかなとも思います。
19インチだとまたタイヤも高いですし、重くなるので2~3年に1度新品ローター投入という使い方での運用も一手ですよね。ローターもなんだかんだ消耗品ですし。

こんな感じで、良いものに触れるとハイスペックなものでも不満を覚えれば「ここはダメかも」とハッキリ言うようになり、
モノに正しい評価を下すようになりますのでますます迷走しなくなっていきます。
やっぱり正直にダメなものはダメと言わないと良くならないので、
本当に良いものにしか「良い」と言わなくなりました。
これはセッティングを行う上でも大事なことで、何をやっても「良い」と言っていてはゴールに向かっていかないんですよね。
良いものを良いというよりも、ダメなものをダメという方が収穫が多いと思います。


ちなみにこのCP5555というフロントキャリパー、380mmまで飲み込めるので、
本当に我慢できないくらいダメに思えてきたら19インチタイヤと380mmローターを投入し、リヤキャリパーも思いきって大型化です。(笑)
でも流石にそれをやるなら、マークXはやりきって卒業し、その先の話にしたいですけどね。マスター径の大きなスポーツカーでやりたいな。。。(^^;)






と、すごく凝ったスペックのブレーキにしたわけですが、
こんなことがあっさり出来ちゃうのもチューナーのお蔭ですから、感謝が絶えません。
自力で調べてやろうと思ったらここまでやる自信は全くありませんし、
純正流用とかですら全然詳しくないですから。(苦笑)


#7はブレーキについて続きを書こうか別の話に進もうか考え中です。
ブレーキを語らせると終わらないんですよね。(笑)


にしても、このキャリパークリアランスはいつ見ても素敵です。



これは文句なく「良い」と思います。(笑)
Posted at 2017/01/19 23:57:56 | コメント(2) | トラックバック(0) | マークX | 日記
2017年01月18日 イイね!

チューニング振り返り【#5】

チューニング振り返り、#5はブレーキ編です。

僕がブレーキに手を入れようと思ったのは、
フロントキャリパーの変色がきっかけでした。



マークX 350Sは純正でフロントに対向4POTキャリパーを備えていますが、
これがスポーツ走行すると悲しいくらい熱容量不足で過熱状態になるのです。
上の写真、塗ってないのにこれですよ。(笑)

他のメーカーがこのクラスの車でも片押しキャリパーを採用したりする中、
で、対向4POTを採用しているマークXは頑張っている方だと思うので、
純正の仕様にダメと言うつもりは全くありませんが、
カタログ上だけでなく、実使用において「スポーツセダン」をこの車に期待するとブレーキは期待に応えてくれるスペックではないというのは事実です。


最初は良く聞く「パッドとフルードを変えればOK」というのを信じて、
ディクセルのZとかプロμのHC+とかパッドを色々買いました。
やはり摩耗のスピードが尋常じゃないですし、プロμに至ってはパッドの塗装が弱すぎるので過熱して剥げて、パッドが周辺部品を巻き込んで錆びるという状態に陥ります。

それでも「重い車だからこういうもの・・・」と勝手に納得していましたが、
サス/ショックの検討を通して「根本解決しなければ終わらない」という頭になった自分は考えを改めます。「ちゃんと車に合ったブレーキに変えれば、こんな状態にはならないはずだ」と。

そもそも熱容量が足りていないのに摩材を変えて持ちこたえさせるって、アプローチがずれていたんですよ。
熱容量が足りなければ、熱容量か冷却性能を上げなければいけないんですよね。



具体的には、ローターを大きく、厚く。パッドを大きく、厚く。
これがブレーキ容量不足に対する正攻法です。

ローターを大きくするとなぜいいかと言うと、
当たり前ですが体積が増すので同じ発熱量でも温度が上がりにくくなります。
物理的に熱容量が増すということです。

一方で厚みはと言うと、ベンチレーテッドローターですからローターが厚いほど大きなベンチレーションが設けられるため、これで冷却性能が高まります。





これは僕がフロントに入れているφ360×36mmローターです。
ベンチレーションが純正ローターと比べて尋常じゃなく大きいですよね。
これでローター温度が50~150℃くらい下がるそうです。

大径かつ分厚いローターを使うにはレーシングキャリパーの投入が必要です。

パッドはレーシングキャリパーを使うと勝手に大きく厚くなります。
6POTのレーシングキャリパーはピストン数が多いので、必然的にブレーキパッドが大きくなります。
さらに、レース中にパッドが摩滅してしまってはいけないので、
パッド自体も普通のパッドよりも厚く、新品状態だと摩擦材だけで13mmくらいのものが採用されます。



これだけ厚いとピストンとローターが離れていますから断熱効果もあり、
ブレーキフルードを熱から守ることが出来ます。


またこうしてブレーキローターを大型化すると、ピストンがローターを押す径が大きくなるため、同じ踏力でもブレーキが効くようになります。
ということは、セミメタルパッドみたいなローター攻撃性の高いパッドでなく、
ロースチール材の弱いパッドでも制動力を確保することが出来ます。

選んだパッドはZONE 10F。
ちょっと国際コースでは摩耗が速いかなというのを悩み始めはしましたが、
このパッド、適正温度が常温~650℃です。限界温度は700℃。

これでもフェードしてしまって走れないということはないので、
これで明らかに熱容量が増して熱害からかなり解放されたことが証明されています。

はっきりと効果が確認出来たため、これだけでも
「ブレーキやるならキャリパーとローターをまず変えろ」という感覚が自分の中に根付きました。
キャリパー、ローターって一見高コストですが、"痛い出費"ではありません。
狙い通りの効果が出て、これ以上ブレーキで悩まなくなったからです。


もちろん、ブレーキチューニングの恩恵はこれだけではありません。
ブレーキをキャリパー、ローター単位で変える場合、
ブレーキパッドの特性を前後で弄ることなくブレーキの前後バランスを調整することが出来ます。

ブレーキパッドを前後で換えてしまうと、パッドの熱の入り方、タレ方が前後で大きく差がついてしまうことがあるので、走っていると前後バランスが変わってしまうということが考えられます。
例えばフロントには常温から効くパッド、リヤには200℃まで上げないと効かないパッドなどを入れるとそうなりますよね。

ローターとキャリパーのスペックで前後バランスを作ればそういう心配はなくなります。
チューニングと言う目線で言うと、こちらが特に拘りどころでしょうね。


当たり前ですが、前後バランスが調整できるということは、
フロントだけ大型ブレーキにするとリヤとのバランスが崩れてしまいます。
フロントが早期にロックするようになり、ABSが効いてしまって制動力がトータルで落ちてしまうなんて言うことも有りえます。

ブレーキはちゃんとやるならやはり"前後同時"。
所詮マークXだから、とか、ちょっとサーキット走るだけだから・・・という考えはこの時点でもう全くありません。
「最高のスペックにして走らせる」ことしか考えてないですから、キャリパーもストリート用ではなくレース用をほとんど悩まずチョイスしています。(笑)
レース用はダストブーツ無し、鳴き止めシムも無しですが、
キャリパー剛性が高く、ペダルタッチがとにかく最高です。


さらに最高なのは



マークX



ARTAガライヤ


GT300のレースカーの兄弟みたいなキャリパーだというところです。(笑)
「自分の車にはGT300の車とほぼ同じキャリパーが付いている」
って、これだけで既に滅茶苦茶嬉しいことですよね。

ちなみに埼玉トヨペットさんのS耐仕様マークXよりも僕のマークXの方が上級グレードのブレーキキャリパーが付いています。(ブレーキだけ)勝ったぜ!!と思いました。(爆)


ローターに関していうと、GARLANDレーシングローターはGT300やニュル24hにも供給されているローターそのものですから、ガライヤのローターとマークXのローター、どっちが上級かもはや分かりません。(笑)


初期投資は涙が出るレベルですが、その涙は車が戻って来てブレーキペダルを踏んだら感動の涙に変わります。(泣いてないけど)
ブレーキって地味ですけど、尋常じゃないくらい愛着が増すので本当にオススメですよ。

その代わり、車のキャラクターを無視して鳴くときは激しく鳴きますけどね。(笑)


次回#6では、前後ブレーキのスペックを今のものに決めた経緯をご紹介します。

続く。
Posted at 2017/01/18 23:06:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | マークX | 日記
2017年01月16日 イイね!

チューニング振り返り【#4】

引き続きの振り返り記事です。
今回はハイグリップタイヤの導入。

足回りを変更したその1か月後にタイヤをミシュランのPilot Super Sports(PSS)から
DUNLOP DIREZZA ZII STAR SPEC(ZII☆)に変更しました。

チューニングに対して最も寄与が大きいのがタイヤです。
タイヤのグリップを基準に全てのセッティングが決まると言っても過言ではないと思います。

脚を変更するまでは、ハイグリップタイヤはすぐに減るという印象から投入を避けてきました。
すぐになくなる消耗品を維持する自信が無かったからというのと、
そんなタイヤにしたらロードノイズがゴーゴー煩い(笑)と思っていたからです。

でも脚を変えてからは考え方が一転。
せっかくサーキットで本領発揮する脚に変えたので、タイヤを変えない訳にはいかなくなったのです。
脚が良くなって、タイヤが良くなったらどのくらい速くなるのか見たかったので。(笑)


当時はそれ以上何も考えていませんでしたというのが本音なので、
ここからは今思うハイグリップタイヤの必要性について書きます。


当時、それまで履いていたPSSもカテゴリ的にはスポーツタイヤでしたが、
国産ハイグリップタイヤには遠く及ばないドライグリップでした。
グリップが足りていないと操作通りに車が走ってくれるスピードレンジ・舵角がどうしても低く小さくなってくるので、
将来ずっとそのタイヤで遊ぶならそれもアリですが、いずれハイグリップという構想があるのであれば、ローグリップタイヤでの練習は時間もお金も勿体ないと僕は思います。

その理由としては、操作に対して車がイメージ通りに反応してくれないと運転に変な癖がつくんですよね。その矯正に時間がかかる。
具体的には、「遅れてくる挙動を予測する運転」「舵角が足りない運転」「タイヤを滑らせない運転」です。他にももっとあるかもしれません。

「遅れてくる挙動を予測する運転」は聞こえは良いですが、
タイヤのグリップ力が上がるともう操作の感覚が合いません。せっかく磨いた感覚を磨き直しになります。
挙動を予測することは必要ですが、あくまで自分の操作に対する結果の予測が必要なのであって、操作と挙動が短いタイムラグで紐付いていないと頭の中でフィードバックできないですから「遅れてくる」は余計です。
特にスピードレンジが高いと遅れてくるというのはそもそも致命的で、車側で対処すべき話ですからドライバー側がここを頑張っても何と言うか的外れな努力になってしまいます。

「舵角が足りない運転」は感覚を直すのが大変です。いわゆる手アンダーというやつですが、
無意識に「これ以上ステア切っても滑るだけ」という先入観を持つので言われないとトライしなくなります。トライしないとハイグリップの性能を捨てることになります。。。

「タイヤを滑らせない運転」もそんな感じ。
タイヤをが滑ったとしても、コンマ1秒でも速く車を前に進めるというのがタイム短縮になるのですが、タイヤが滑る=ロスという図式が頭の中に出来るので滑らせてはダメだと勘違いしてしまいます。


そして、操作に対して挙動が遅れることには決定的な欠点があります。

「操作をミスした時にリカバリ操作が受け付けられない」ことです。
リヤが流れてもカウンターが瞬時に効きませんし、コーナーでイメージより膨らんでしまってステアリングを切り増してもそのまま膨らんで行きます。

まさか「コンマ5秒後にリヤが流れる!」なんて予測して運転しないですから、
遅れてくる挙動を予測するというテクニックは本当はドライバーにとっては不要だと思うんですね。

「車で直すべきところはドライバー側でカバーしない。」
これは僕のチューニングに対する拘りです。


そういうわけで、この最後の理由のためだけでもハイグリップタイヤは「いずれ履くなら今履け」だと思います。その方が多分、車を壊しませんから。。。



こういう話をすると人によっては「グリップが高いと滑り出した時の速度が高くて・・・」と言いますが、それはそもそも限界到達の考え方が間違っているのでそれを正さなければいけません。
タイヤから少し話が逸れますけど、「どうやって限界を迎えるのか」なんですよね。

「攻めた結果、車が予想をしない動きをした」という限界の迎え方をする人はどんなタイヤでもきっと事故ります。
(まぁ、確かにスピードが低くて軽傷かもしれないですけど。。。)

僕も昔はそうで、西浦でスピンしてコースオフしてしまいました。
軽傷でしたけどやっぱり凹みましたよ。事故は事故ですから。(^^;)

その時にショップで車体裏のグラベルを落としながら言われてなるほどと思いましたが
「限界は自分の操作でつくるものでなければならない」んですよね。本当は。

例えば、「FR車でリヤを少し滑らせながら曲がる」という挙動。
もう読んで字のごとくですが「滑ってる」んじゃなく「滑らせてる」じゃないですか。

速い人は限界を「超えてしまう」「超えるギリギリを狙っている」んじゃなく、
限界の丁度そのライン上を、自分の操作で狙って沿わせるんですよね。

そういう感覚を知ってからは僕は「限界ギリギリ」という言い方を殆どしなくなりました。
「限界ジャスト」。限界を迎えるその瞬間を全身で察知するんですよね。超えた瞬間にどういう操作をするかを十分に構えながら。
そうするとチキンレース状態になりませんから、限界なのにあまり危なくないんですよね。
「博打ではない限界アタック」というか、僕の運転の目指すところはそういうものです。
少しでも良いタイムで走りたいのはそのゴールの難易度と達成感を上げるものでしかなく、だからマークXでも狙い通り走ってさえくれればこれだけ没頭できるんだと思います。


そう言う目標を持った時に、操作に対する反応のタイムラグと言うのは絶対に許せないんですよね。
だから僕はハイグリップタイヤはそのための道具として要ると思っています。
金でタイムを買う、とも言われますが、金で挙動を買うというのも大きな目的です。


ちなみにこれはタイヤだけでなく脚周りから組み立てないとダメで、
少しサスの話に戻しますが、僕はそういう目線でも出来るだけストロークの少ない脚を好みます。それは限界ストロークというより、特に過渡的なストローク量。
ストロークたっぷりが褒められ、少しでもタイヤが浮かないようにとツインスプリングにするのがトレンド(?)ですが、大きく挙動変化するということは姿勢が決まるまでのラグが大きいということです。
ストロークは大きければ大きいほどいいというものではなく、ただドライバーが挙動を掴みやすければOKなんです。
そのためにはフワフワプカプカと動く微振動を一刻も早く収束させ「基本的に車は揺れていない」という状態を作りだせていれば少しの姿勢変化をドライバーが感じ取ることが出来ますから、ストロークが小さくてもストローク"感"は確保できると思います。


実際、僕の車はむやみにストロークさせない思想なので限界のストローク量も少なく、リフトアップしても脚があまり伸びてきません。



仕様変更前の写真がこれですけど、今はこれよりもショートストロークです。
純正マークXの着地状態がこんな感じですよね。(笑)

流石にコーナリングでタイヤが浮くとダメな気はしますけど、
むやみに動かないようにするのも大事なチューニングです。


ちなみに先に交換していた脚の仕様は既にZII☆およびLSDの導入を睨んだものにして頂いていました。バネレートも減衰も。
タイヤ変更によるリセッティングは通常必須ですけど、最初からそのつもりで終わってるため不要。
これもステップアップ方式チューニングでないことによる最短ルート化のひとつでした。
これでいちいちやり直してたらお金が無限に要ります。(苦笑)

サス/ショックのオーダーをした時には実走確認もしてチューナー判断で「これで良し」としていますが、
その時点で履いていないタイヤをイメージしながらばっちり仕上げてくるので流石としか言いようがありませんでした(^^;)

ばっちりの根拠となるサーキット走行結果ですが、タイヤを変えたら美浜で1.3秒くらいタイムアップしましたし、LSDが無いと全然ダメと言っていたスカスカのトラクションもタイヤで少し改善。
オープンデフながらも少しはリヤで曲げ方をコントロールすることが出来るようになりました。
カウンターもPSSの比じゃないくらいさっと反応するので安心感が全然違いましたね。

腹の底で心配していたウェットグリップも問題なし。
見た目に溝がバッチリ切られているDIREZZA DZ102よりもZII☆のほうが遥かにグリップしたので、ハイグリップ=雨弱いというのも酸っぱいブドウの妄想に過ぎなかったんだなと反省した次第です。(^^;)


ちなみにタイヤサイズは当時フロント235/40R18、リヤ265/35R18。
これはチューナーからは「前後同サイズにしてよ~」と言われましたけど、
フロントに265を押し込む自信が無かったのでまずはリヤで2本買ってフロントに嵌めてみるという作戦だったためです。
今では前後とも265/35R18を履いて、これもサスと同じで前後のグリップ差がタイヤ幅とオフセットの差で出ないようにしています。


#5は超こだわりのブレーキの話です。#6までブレーキの話が続く気がします。(笑)
Posted at 2017/01/17 00:39:01 | コメント(2) | トラックバック(0) | マークX | 日記

プロフィール

「フロントブレーキローターを新調!」
何シテル?   03/15 16:43
LEXUS RC Fでサーキットを走ったり、Peugeot 308でドライブフィールに舌鼓を打ったりしています。 車の乗り味にはかなりの拘りがあります。 ...

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2022/12/05 12:32:02
バッテリー交換…実は2回目で去年の記録 
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2022/12/05 07:34:06
CUSCO LSD type-RS Spec-F 2Way 
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2022/01/16 10:32:35

愛車一覧

レクサス RC F DECK RC F (レクサス RC F)
チューニングコンセプトは「鋭く、優雅に走れるハイパワーFR」。 パワートレーンはノーマル ...
プジョー 308 (ハッチバック) 308GT (プジョー 308 (ハッチバック))
普通にその辺をゆっくりドライブするだけでも 心地良いドライブフィールを感じることができま ...
トヨタ マークX DECK マークX (トヨタ マークX)
"鈴鹿の超高速を気持ちよく走れるマークX" をテーマにした、サーキット仕様のマークX。 ...
ボルボ S70 ナナマル (ボルボ S70)
VOLVO S70。 2.5L NA L5エンジンを横置きで搭載するFFセダンです。 ミ ...
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