先日鈴鹿サーキットに行った時の話で、安田裕信プロにアドバイスをもらった話。
鈴鹿サーキットのチャレンジクラブフリー走行では無料でプロドライバーのアドバイスを受けられるサービスがあって、アドバイザールームで10分くらい自由に話せるのですが、今回初めて入室してみました。
というのは、いつもは大体CC-Bクラスを挟んで01枠と03枠とか連続走行するんですが、今回は01枠と05枠だったので間が空いて、タイヤのカスとりをするにしても時間に余裕があったからです。
たまたま一緒になった知人もいて、二人で行ってみましょうと言うことで初受講です。
入るとまず何に乗っているのか質問されます。
マークXと答えると「オートマっていうことですか・・・?」という反応で、
そりゃ鈴鹿サーキットにマークX持ってきて走る人なんて滅多に居ないでしょうから一瞬混乱したと思います。(笑)
テーマはなくて、基本的に受講者が自由に質問したことを話す感じで「何が聴きたいですか?」と問われます。
僕は1枠目でタイムが全然出なかった(このときはまだ原因不明だった) ので、
「タイムを削るに当たって、やっちゃいけないことをしていないかという観点でアドバイス下さい」
とお願いしました。
ドライバーなのでドライビングの話を聞かせて貰えるかと思いきや、
最初に出てきたのは「タイヤの空気圧」でした。
つまりセッティングですね。
僕は温間で250kPaくらいが好みのフィーリングで、
250kPaで走っていると伝えると「高過ぎ」と言われました。
理由は内圧が高いことでタイヤ中央が膨らんだような形になり、
タイヤ幅を有効に使えないからだということです。
200kPaくらいが良いよと。
いきなりそこまで落とすのが怖かったら220kPaくらいでと教えていただいて、
次の05枠で試すことに。
「それだけでかなり変わると思う」と仰るので、
僕の気持ちは興味津々。
実は空気圧については僕なりに理論があり、
僕のマークXはまず車重が重いので86やランエボが良いという空気圧よりも
高い空気圧が適正だと思っているのと、
バネレートが高いのでショックアブソーバーのダンピングをきちんと効かせようとしたらタイヤではなくてサスがきちんと動かないといけないと思っているんですね。
タイヤって減衰が全く効かないものではないですけど、
サスペンションとは直列のばね要素のひとつなので
タイヤが変形してしまったら本来ショックアブソーバで姿勢がキレイに決まっていたところが決まらなくなるなぁと。
そういう理由で空気圧が低くても僕のクルマは速くならないと思っていたんですが、
そこは僕が教えを求めたわけですから、まずは素直に従ってみるのが収穫になると考えて、
空気圧を下げてみることにしました。
この日はもうタイムもそう期待できないと思ったので、実験だと。
その結果に触れる前に時系列で話すと、デグナーやスプーンの走行ラインやブレーキの話もしてくださって、タイムがでない人はね。。。という話を聞きました。
立ち上がり重視過剰なライン取りや、ブレーキングの頑張りすぎの話。
そんな話を聞くと自分がどうなのか気になるので
「車載動画があるので見てもらえませんか」とお願いすると見ていただけることに。
「マークXに乗っている」「伸び悩み」と言うのでその言葉からの想像とのギャップがあったのだと思いますが、
「え!?上手いよ! 乗れてる乗れてる 出来てる人だよ!」
というお褒めの言葉を頂きました。(嬉)
これは正直言って自慢話として書きたかっただけのエピソードですが(笑)、
プロドライバーの人ってこういうレクチャーの場ではあまりお世辞は言わずに
「こうした方が良いよ!」を、まず言う印象があるのでとても嬉しかったです。
で、本題に戻りまして・・・(笑)
先導走行からピットに戻ったタイミングで内圧を測ってすべて190kPaに変更。ウォームアップで大体いつも30kPaくらい上がるのでこれで220kPa狙いです。
アドバイスがヒットすればブレーキがさらに安定するようになり、
立ち上がりもアクセルがもっと早く踏めるということでしたので
どうなんだろうと走ってみましたが、
これは残念ながらヒットせず、タイムは伸びませんでした。
旋回時間が長いコーナーや、横Gの大きい速度の高いコーナーで、
ステアリングのレスポンスが落ち、リヤもじわじわと流れてきます。
そのフィーリング通りにタイムもやや落ちました。
結果を報告すると「そうか~ ごめんね。。。」と謝られましたが、
まぁこれも収穫かなぁと思います。
ある程度のレベルまでは遠回りもせず、真っすぐ目標に向かっていくんですが、ある程度まで行くとそれ以上の正解ってなかなか最短距離では到達しなくて、
「不正解」に×を打って「不正解ではないところ」を絞り込んでいく作業だと思います。
そういう意味では、今回一つ「これはやっぱりハズレなんだ」ということが確認できたので今よりも良いリザルトに一歩近づけたと思います。
言われないと空気圧を下げてみるなんてやろうと思わないことですしね。
結果的には外れたわけですが、安田プロに感謝です。
純粋に、これだけ走れるようになって敢えて教えてもらうという体験も楽しくて
「あ、知ってることでも改めて教わるって面白いな」と思いました。
次からはなるべくアドバイザールームに行こうと思います。
にしてもクルマのチューニングってこれをやったら絶対に良くなるというのは無くて、奥が深くて面白いですね。
走りのプロが「ここだ」って言うところですらそう易々とは的中しなくて、
このように外れてしまう。常識は存在するようで存在しない。
色んなファクターが絡まり合って「最適値」が決まっているんですよね。
ちなみに今回は外れたんですが、
まだリヤだけ空気圧を下げたらどうかというところもまだ「不正解確定」が出来ていないので、またチャンスがあれば実験してみたいと思います。
リヤだけ空気圧を下げたらリヤが出にくくなるのか?と質問したら
それは分からないとのこと。そりゃ難しい質問ですよね。(笑)
もしかしたら空気圧を下げた状態で安定するようにリセッティングしたら底上げになる可能性もあるかもしれないので、
そこはデッキさんに見解を求めようかなと思います。
動画も比較で取れていますが、見比べてみても明らかに性能DOWNな感じでした。気が向いたら投稿します。