
こんにちは。
我が家にはもうすぐ20年目を迎える古いミニコンポが置いてあります。昨日はそのコンポの音を20年前以上に良くしてやろうとたくらみまして、ある計画を実行してみました。
うちのコンポはケンウッドから出された[k’sシリーズ」というものです。1993年に発売されたものですから、19年になります。「K」という頭文字は、まさに「ザ・ケンウッド=これがケンウッドの音です」ということを謳ったものだからです。だからと言ってハイコンポのように○○○万円もするような高級ハイコンポではありません。
当時の名立たる音響関係の大メーカーは次々にミニコンポを発売していました。それは、機能満載のコンポ。カセットテープとCDが同居する時代でしたから、当然テープはダブルデッキで倍速録音などは当たり前。
ボタンひとつでドンシャリ系の音になり、バスドラやベースの音を強調することができる、「音場」を選べる→「レコーディングルーム、ロック、ボーカル、ライヴ会場、コンサートアリーナ」などが選べ、もちろん簡単なイコライザーがついてるものがありました。そしてサラウンドスピーカーとウーハーが後付けできるものもありました。
後ろのコードのつけ方も簡単。すでに輪ゴムほどのケーブルが束ねてあって、上からFMチューナー、アンプ、CDデッキ、カセットデッキと積み上げた順にケーブルの先についたカセットみたいなものをカチャカチャと差し込み、あとは本体とスピーカーの穴にこれまた針金のようなケーブルをチョンチョンと挟めば出来上がり。何も知らなくても音を鳴らせるというものでした。これで7~10万円くらいの価格帯で販売しておりました。
ところが、このケンウッドのK’sシリーズというのは、機能はシンプル。アンプとスピーカー、それに後付けでテープデッキ(ダブルデッキではありません、ラジオチューナーがついてくるというだけ。イコライザーもついておらず、音場設定もサラウンドスピーカーもつける機能はありません。なのに、ボリュームのつまみはアルミの削り出し、スピーカーケーブルは当時ととしては太くてバナナ型ターミナルでつけるものでした。目に見えないところでもコンデンサーはハイクラスにも耐えられるものを使用するなど、「機能を削ったお金は、音を良くするためにすべて使う」というコンセプトでつくったものだそうです。「K」の自信・誇りが感じられるのはそのためです。
アンプは6万円、スピーカーは2万円くらいだったと思います。ハイコンポでもないのに、なんでこんな良い音なのかびっくりして、数日後嫁さんを大阪の日本橋まで連れて行って音を聴かせて、説得して買ったことを覚えています。「ふ~ん、君はいますぐ家電売り場の店員になれるね」と嫌味を言われました。(確かに松岡修三みたいに熱っぽく語っていたと思います。)
K’sシリーズのアンプ[A-1001]について「解体新書」というものを書いている人がおりますので、詳しく知りたいひとはぜひクリックして読んで見て下さい。
さて、このコンポも20年近くがたち、15年前に引越しをして組み立てたときに「あれ?あまりいい音しないな」と感じたこともあって、何をどうすれば気持ちよい音が戻ってくるか試行錯誤しました。
例えばコンセントにはプラスマイナスがあるって知ってました?コンセントの穴の長さって少し違うんです。基本的に左の穴の長い方がマイナスで右の穴の短いほうがプラスなんですよ。コンポの配線を見るとプラスの側に文字や線が入っていますから、そちらを右のプラスにして差し込むと、だいたいの場合音が良くなります。同じようにアンプとCDとか、アンプとスピーカーにも方向が決まっているので、いろいろ試したわけですが、納得がいきませんでした。
最近になって、スピーカーケーブルを交換すると音がよくなるという情報を耳にしました。そういえば、ケーブルも20年たてば錆びてくるし、穂先がバラバラになれば情報が少なくなって音が悪くなるわけです。そこでいろいろ調べてみたら主にオンキョーが指定しているアメリカのメーカー
「モンスター」という会社のケーブルが非常によいという評価を聞きました。
画像の右が、ケンウッド純正のケーブル。左がモンスターケーブルです。なんとなく同じ太さのようにも見えますが…
先っぽを拡大してみれば一目瞭然。材質の違いから色が違うのもわかりますし、太さも違います。当時の針金のような他社のケーブルよりケンウッドのケーブルはすごく太かったのですが、時代は進化し、更に太いケーブルになっているわけですな。
これを方向性を確認しながら、バナナ型ターミナルにギューギューとねじこみます。要はアンプから出された情報を、どれだけロスなくスピーカーに伝えるかが鍵ですから、ここでケーブルのターミナルで接触面積が少ないと良い音にならないわけです。せっかくケーブルを太くした意味がありません。
ちなみに、左右のスピーカーケーブルの長さは同じにしてください。左右のケーブルの長さが違うと音の到達距離が変わるし、周波数特性なども変わるので「とっても気持ち悪い音」になります。片方のケーブルが余る場合は、テキトーにぐちゃぐちゃに裏に押し込んで下さい。変にクルクルまいて綺麗に束ねると、そこがコンデンサーのような働きをしてノイズを生む原因になりますから。
今ではデジタル処理ができるようになって、ケーブルの長さが違っても、音の到達距離や周波数特性を補正することのできる機能も開発されたそうです。その場合、マイクを「聴く人の位置」に置いて、信号を発信して相異関係を読みとって補正をかけるという作業をするみたいです。カーオーディオ取り扱っているカロッツェリアがこれを採用しています
(オートタイムアライメント)。いずれにしても、家ではかなりのマニアックな人でないと使えない装置みたいですから、難しいことは考えずに「右のスピーカーまで3メートル必要だったら、6メートルのケーブルを買おう」と考えたらいいと思いますし、そちらの方がお金が安く済むと思いますよ。
さて、実際にCDを入れていくつか音楽を聴いてみました。正直に言って音が出てすぐに分かるほどの変化を実感できました。中低音が豊かになりました。高音は粒がそろって、これまでは気がつかなかった小さな音が聴こえるようになりました。全体としてまとまりがあって気持ちよく聴く事ができます。しばらく聞き惚れていたら「早く終わってよ。テレビみたい!」と子どもから総攻撃を受けてしまいました。トホホ…。
コンポで音楽を聴く人も少なくなり、アイポッドコンポで、テレビを5.1チャンネルでとか、パソコンオーディオで、・・・という人の方が増えているかもしれません。その場合でもモンスターケーブルをはじめとした最近の音響メーカーはパソコンやテレビ、カーオーディオに対応した端子や太いケーブルを売っていますので、試してみるのもいいと思います。
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2012/04/14 12:21:15