
気が付けば1年以上日記を書いてない。まあ、ADHDの自分としてはあるあるなので気にしていないけど。
それより、悶々としているのでネット上で書き散らして憂さ晴らしをしたいと思う。僕は兄の影響で中学生の誕生日にアコギを買ってもらった。ヤマハの一番安いFGナンチャラというヤツで3万円しなかったと思う。もう42年前のことなのでカタログ落ちして、品番が分からない。
そして1993年に初めて岐阜県のヤイリギターまで嫁さんと行って、カスタムして20数万円で作ってもらったのがYD-28である。それからもう30年か。これだけ弾いてきて、そこらへんの高校生の方が上手だというのが何とも言えん。
とにかくコロナも落ち着いて学生時代の仲間と飲んでいるときにライブの話が持ち上がったため、ギターの鳴りが悪くなっていたため、ヤイリに電話してリペアマンの松尾さんにお願いしたのだ。
一か月ほどして電話がきて、ブリッジ部分が低くて音が小さくなっていたのでサドルを交換したこと、エレアコのシールドジャックが劣化して音が出にくかったので、これもサービスで交換してくれた。ネックやボディーもピカピカにバフがけしてくれ、フレットもキラキラ。これでなんとたったの2,000円ですよ!ほぼジャックとサドルの原価だけでしょう。それで運送代金の方が高くて3,000円足らずですから。
本題はここからです。昨日ヤイリギターさんからヤマト運輸さんを介してギターが届きました。私は宿直があったので、そのまま職場に行って今日の昼過ぎに帰ってきて段ボール箱を開け、ハードケースを開けました。
わーピカピカじゃん。どれどれ、アンプにつないで蘇ったエレアコの音を確かめてみようじゃないか・・・とシールドを指そうとしたら・・・
???????
へ?なんか目がバグっているんですけど?????
何ですかこれは????
がーーーーーん!!!
割れとる。めっちゃ割れとるがな!
幅17cmくらい裂けて、5mmほど陥没してるー!
なんで?どないしたらこんなんなるん?
すぐにヤイリギターに電話して松尾さんとお話し。
「出荷したときは注意を払って梱包したので、その時点で破損することは考えにくいです」「おそらく配送段階で起こったと考えられます」
松尾さんは伝説のリペアマン。店に行っても、電話でも、始終穏やかで声を荒げることなんてありません。その注意深く粘り強い精神で、どんなに傷んだギターでもミクロ単位の割れ目でも見抜いて治してこられた方です。
ヤマト運輸にはヤイリさんから連絡をするということで、とりあえずギターを着払いで送り返して欲しいとのことでした。開封して1時間で故郷にお帰りになるDY-28様。ウウウ~行ってらっしゃい。生まれ変わって帰ってくるんだよ~。
そして先ほどヤマト運輸の支店に出かけ、ギターを預けてきました。荷物を預けたときに対応した店員さんが「この段ボールの中のギターはケースに入っていますか?」と聞くので「ええ、入っています」と答えました。すると「ギターはとても繊細な楽器なので、ちゃんと梱包していただかないとね」と言うのです。
普段であれば心の中で「ごもっともです」と思うだけで気にもとめない言葉だったわけですが、今日はその言葉に引っかかってしまい「それはギター弾くので、私が一番よく知っています」と言い返してしまいました。
「ちょっといいですか?今日、なぜこのギターを出すかというと、ヤマト運輸さんの配送過程でこのギターが割れてしまったから楽器屋さんに返さないといけないからなんです。これだけ厳重に梱包してもそういうことが起こるわけです。充分に気を付けて運んでください。信頼してますからね。」と話しました。
するとその店員さんは「信頼してると言ってもね~。アコギってのは繊細なものなので壊れることもあるんですよ」と言う。
カチンときて破損したギターの画像を店員さんに見せて「これを見てください。配送途中でこうなったんですよ。アコギは繊細と言いますが、楽器だって、家電だって、どんなものでも繊細なものはたくさんあります。その繊細なものを運ぶのがあなたのお仕事なのではないですか?壊れることを前提にお仕事をされているわけではないでしょう。」と言ってしまいました。
そうすると店員は「ハイハイ、申し訳けありませんでした。」との対応。こりゃあかんわと思って話しをするのはあきらめて支店を出てきました。これがことの顛末です。
これはある意味、よくある話しのひとつだと思います。配送途中で破損なんてのはアマゾンや楽天のコメント欄を見れば腐るほど出てきます。珍しいことではありません。でも、壊された本人にしてみれば「よくある」のひとつではないのです。30年育ててきた音が一瞬で壊れ、リペアしても同じ音にはなりません。1億円のバイオリンであれば保険をかけるプロもいるでしょうが、それでも壊れればその音は失われてしまいます。買い換えて済む話ではないのです。
「あら壊れちゃった。新しいのと買い換えよう。」で済むものもあります。一方で、取り返しのつかないものがある。そのことが痛いほどわかる出来事でした。
「ヤマト運輸けしからん。二度と使うものか」と言っても、他の運送会社でも起こりうることですし、ヤイリギターは運送をヤマト運輸に業務委託しているので「ヤマト運輸を使わないでください」とはなりません。
このギターが大阪と岐阜県を往復するまでに複数台のトラックと運転手が介在しています。支店から府県の本部に、本部から長距離で支店に、支店から依頼先へ。様々な形の荷物なので、おそらくひとつひとつを手で運ぶ「バラ積み」でしょう。
家電など同じ大きさの箱ならパレットに乗せてクルクルっとラップで巻いてリフトでつまみ上げてトラックに乗せるので、損傷の可能性は低くなると思います。
しかしバラ積みは大型トラックで数百個から千個ほどの大小いろいろな段ボール箱をひとつひとつテトリスのように隙間なく積んでいかなくてはなりません。目的地に着いたら、今度はそれをひとつひとつ降ろしていくわけです。運転手はトラックを運転するのが仕事ですが、積み下ろしを専門にしている業者は少なく、運転手がしなくてはならないのが現状です。
大きくて軽い箱もあれば、小さいのに重い箱もある。その加減を確かめながら1000個も降ろさなくてはなりません。長ければ2時間ほどもかかる重労働です。荷台から地面に降ろすとき、ギターの入った箱をそっと降ろさずに思わず手の力が抜けてドンっと落としてしまった・・・。そんなところではないでしょうか。
あ、マズッた。という経験を運転手さんは結構していると思います。だから破損は「よくあること」になる。だから私は「ヤマト運輸め」「運転手のヤロー」とストレートに怒る気にはならないのです。だって大変な仕事ですからね。でもモヤモヤは晴れない。万が一ヤマトさんから「弁償します」と言われたって嬉しくもない。むしろ弁償なんてして欲しくない。
それより「うちの会社が大切なギターを壊してしまった。限りなく破損がゼロになるように何か手はないか考えてみよう。運転手や支店の教育方法に問題は?、バラ積み専用の人員の配置は?積み換え時の危険性を減らす方法は?繊細なモノを包むための専用の箱の開発は?」など具体的に企業として対策をとっていただく方がずっといい。それで私やヤイリギターさんが「やっぱりヤマト運輸さんにお願いしてよかった」と結果として安心できれば、それが一番なのだと思います。
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2024/03/27 17:01:40