ポチ７号のブログ一覧

先日「次のタイヤ選び」というブログの中でHIFLYのHF805の印象について書きましたが

これについて数人の方から

サーキットや峠を走る上での可能性についてや、

みんカラで他の方が書かれているレビューとの比較についてもご質問を頂き

多くの方に興味を持って頂けたことに感謝するとともに

多少の補足を載せておいた方がいいのではないかと考えましたので

蛇足かも知れませんが若干の補足を記載させて頂きます。




HIFLYのHF805は、位置付けとしては「コンフォート」になります。

「スポーツ」でも「コンフォートスポーツ」でもないのですね。

メーカーとしてはコンフォートでありながらややスポーツ志向の性質を持つタイヤ、というように謳っているようです。

従って、このタイヤに高いグリップ性能を求めるのは、いささか的外れな印象を私は感じます。

一方、ブログに併載したBSのPOTENZA S001は「プレミアムスポーツ」です。

バリバリ走り系ではないけれども、プレミアムスポーツカーに標準装着するにふさわしい、高い次元でバランスのとれたタイヤ、というような位置付けですね。

私がHF805を買いだと感じた理由は、S001よりは次元は劣るものの、タテ・横のグリップバランスや剛性感、滑り出しの感触、滑った後の感触など、全体的なバランスがとれていて、とても扱い易く、安心して走れる感じを受けたことと、その性能比で見たときのコストパフォーマンスが高い製品であると思えたためです。

平たく言うと、絶対的なグリップを求める方には全く不向きなタイヤです。

一方でグリップは多少低くても限界が掴みやすくコントローラブルなタイヤを好む方には、高いコスパを示すタイヤではないかと思います。

なお、ウェット性能については試乗する機会を得ておりませんので不明です。




もうひとつ、注意点として挙げておかなければならないのは規格の違いです。

国産タイヤはJATMA（Japan Automobile Tyre Manufacturers Association：一般社団法人　日本自動車タイヤ協会）規格で、一方アジアやヨーロッパのタイヤはETRTO（European Tyre and Rim Technical Organisation：欧州タイヤとリム技術機関）規格です。

この規格の違いで注意しなくてはならないのが空気圧です。

通常、国産車は運転席のドアを開けたところに下の写真のように適正空気圧を示すラベルが貼られています。



写真は私が乗っているスバルレガシィツーリングワゴン（BP5 A型)のもので、これはJATMA規格に則った空気圧です。

赤丸の87という数字がロードインデックス（荷重指数）、黄丸の前輪の230、後輪の210というのがその荷重指数を満たすための適正空気圧（kPa）です。

JATMA規格でみると、ロードインデックス87、空気圧230kPaでの負荷能力は530kg、210kPaでの負荷能力は505kgです。

ところが、ETRTO規格のタイヤでは同じ負荷能力を満たすための空気圧が異なります。

ロードインデックス87で負荷能力530kgを満たすには250kPa、負荷能力505kgを満たすには230kPaの空気圧が必要になります。

これを知らずにETRTO規格のタイヤを履いているのに、JATMA規格の空気圧（前輪230kPa、後輪210kPa）に設定してしまうとエア不足の状態になり、結果として剛性感のなさ、タイヤのヨレ、応答遅れ等の感覚を受けることになってしまいます。

タイヤの負荷能力については、JATMA、ETRTO等で検索して頂くと出てきますので、確認してみてください。

また、ETRTO規格は正確にはスタンダード規格とエクストラロード規格に分かれています。

これについても同様に検索して頂ければわかると思います。