
「このクソッタレがぁ!
被れやがってぇ! 頭からオロナイン軟膏でも塗ってやろうかぁ!!!」
(お前も蝋人形にしてやろうかぁ! by聖飢魔II みたいな感じで)
と言う大変ありがたいお言葉を、
我家の奥様から頂戴しておりました。(結婚前よ)
でもさ、若い頃には夢やロマンがあっても良いじゃん?
女子は現実主義だからねぇ。
で、何に被れてたかって言うと
音響の仕事でした。
よくあるでしょ?
その手の専門学校に行ってさ。
でも中々仕事にはありつけないって奴。まあ趣味なら良いけどね。
まあ一応プロとして、その業界で3年程働いていたんだけどね。
実質、アルバイトみたいな物です(一応社員だけど)
いろんな小屋(ホール・〇〇公会堂などなど)、またある時は都内のスタジオ。
まあ下っ端のペエペエだから大した仕事は任されなかったけどね。
それでも音作りの現場に携わっていると言う充実感だけはあったかな。
そう、充実感だけ。
いくつか会社を渡り歩いて仕事をするんだけど、同じ業界だからだんだん顔見知りばかりになっちゃう。
中には5個目の会社は、最初に入った会社でした。
って事も。
同じ会社に長くいても収入は増えて来ない。
どんどんスキルアップして、他の会社に自分を高く買ってもらう。
だから、仕事で大きな失敗(小さな失敗もかな)しちゃうとアウト!
翌日には、業界には知れ渡ってる。
狭い世界。
「この仕事はやりたい奴なんて、掃いて捨てるほどいるんだよ。
お前の代わりなんかいくらでもな! 給料なんか要らないからやりたいって奴がよ!」
ミスった先輩がチーフに怒鳴られていたっけ。
多分、映像業界、TV業界なんかも同じなんだろうね(怖)
当時は、パワハラ、モラハラなんざ当たり前。
そう言えば、PAの会社の時は月給7万円くらいだったかな。
もう40年以上前だけどさ。
ただビータ(旅)が結構あるから生活は出来ます。
19泊20日!
演歌歌手の地方巡業。
食事はほぼ会社持ち。(ヘボい弁当。海苔弁?シャケ弁?)
宿泊、会社持ち又は移動の車中。
酒はチーフもしくはたまに看板(主演者)持ち。
なのであまり自分のお金は使わずに済んじゃう。
よく言われたのは「早飯、早グソ芸のうち。どこでもすぐ眠れる事が大事だぞ!」
だもん、20代までですよ、この世界はね。
直接の仕事以外で楽しかったのは、夜間移動のバトル。
自分達、音響屋と照明屋、楽器屋のトラックがバトルしたりしてね。
みんな若かったねぇ。
それに比べれば、スタジオの会社の方が肉体的には楽だったかな?
いやいや、こちらは時間と音がねぇ。
オールなんか当たり前。
モニタールームの音量が半端ないです。
みんな既に難聴になっちゃってる。
PA屋と違って、終わりが見えない作業が続く。
自分はせいぜいスコアのベースパート部にレコーダーのカウンターを記入する位だった。
あとは準備と撤収。
結構神経的に疲れるお仕事でしたね。
当時、一番優秀なスタッフが揃っていると言われていたのが、虎ノ門にあったキングレコードのスタジオ。(今でもあるのかしら?)
逆に「最低!」って言われちゃったのが、今は亡き一口坂スタジオでしたね。
もう40年以上も前の話だからさ。今の業界はもっときちんと?なのかな。
さてさて、当時使っていた機材の中で
今回、マイクに目を向けてみました。
マイクと言えば、誰もがイメージするデザイン。
shure sm58
主にPAでね。
このウィンドスクリーンって汚いです。
みんなのヨダレが沢山。
あまりに汚いので、マイクに付けたまま水道の蛇口ひねって洗っちゃいました。
それを振って水切ったら普通に使える。
丈夫なマイクです(笑)→マネして壊れても責任は持ちません。
こちらは58のウィンドスクリーン無しタイプ、sm57
まあ楽器用ですわ。
オールマイティーね。
ギターアンプにセッティングする時に、アンプのサランネットにマイクヘッドを着けるか、離すかで揉めた事があったっけ。
音の違いは???
小田和正氏、ご愛用?のベイヤー。
自分は使った事ないですが、これってリボンマイクだったよねぇ。
さてマイクアレンジで一番面白いのがドラムス。
まあ今とは異なるマイクヘッドなんだろうけど、自分達の頃はこんな感じ。
ゼンハイザー421
主にタム類。
先輩から、「太鼓屋さんに叩かれないようにセットしろよ〜!」と。
ゼンハイザー441
主にオーバーヘッド用に2本。
スネアは先程のsm57
ハイハットもsm57かしら。
ただ、sonyの安い(当時5〜6,000円位)のコンデンサーマイクでかなり良い音が録れたりしました。
エレクトロボイスre20
キック(ベードラorバスドラ)用。
正面左下から奥の右斜め上を狙ってね。
昔、DJ赤坂氏がハンドマイクにしてたのはビックリ。
ハンドマイクにはデカすぎだろう!
最近のドラム用はakgが多いのかしら?
最後はスタジオ用の大御所。
ノイマンu87
大昔から(自分の知る限り1970年代)スタジオで楽器、ヴォーカル用に使われています。
Apf(アコースティックピアノ→グランドピアノ)のマイクセッティングで、上からか下からか?
通常は上からhiとloの2本で狙いますが、上1本と下1本なんてセッティングもありました。
ただしペダルのノイズが入る事もありました。う〜ん難しいねぇ。
自分はドラムのキックペダルのノイズがほんの少し入るのが好きです。
ちょっとライブ感があるのでね。
業界の都市伝説?
とあるスタジオで、レコーディングの準備中。
スタッフがこのu87をセッティング中に、手を滑らせてマイクを落としてしまいました。
それが何と、、、
落とした下には、蓋の空いたヴァイオリンケースが。
中には衝撃で割れたストラディバリウスが!!!
まあ都市伝説ですからね。いや本当にあった話なのかな?
生楽器の場合、スタジオとライブで使い分ける人が多かったです。
例えば、スタジオではマーチンD45でライブだと同D28とかね。
理由は金額的な事ではないんだろうけど、概ねスタジオ用の方が高額な事が多いようです。
最後にミキシングコンソールのほんの触り。
どう見てもスタジオですね。
こちらはPAかな。
下段のフェーダーが上下に凸凹していると、絵面的にいかにもミキシングな感じだけどねぇ。
自分達が現役の頃は、あまりこう言うのなかったです。
PAでもリハの時に音量が大体わかるので、プリフェーダーのダイヤルでバランス取りしちゃいます。
よって個々のフェーダーはあまり弄らないかな。
動かすのはグループフェーダーかマスターフェーダーですかね。
まあこれはスタジオも同じ感じ。
ある意味、フェーダーはオン/オフのスイッチな感じ。
それはエンジニアによっても違うから否定はしませんけど。
チーフ曰く「体動かした時に肘がフェーダーに触ったらバランスが崩れちゃうでしょ!」
楽しかった仕事は、大学の軽音のPAかな。
学生さん達は「音をデカく、迫力を!」
なんて言ってきます。
そうは言ってもバランスがねぇ。
eb(エレキベース)なんか自分でどんどんボリューム上げちゃうから、こちらも負けじとどんどん絞っちゃう(笑)
「下手くそは音出すな!」がモットーだったので、その辺りを上手くディレイなんかで誤魔化したり、、、
まあそれでオーディエンスがノリノリになってくれれば結果オーライ。
これがポイントだと今でも思います。
こちらも遊ばせてもらってました。
未だにケーブル巻きだけは日常で有効活用しています。(より戻し)
電源延長ケーブルとかね。
まとわらないで良いです。
まあアナログ時代の思い出を長々と書きましたが、現役でやられている方々は今大変だと思いますが、クリエイティブなお仕事を今後も是非頑張ってください。
失礼しました。