
怪しい病気が流行して、お国から外出自粛令が出たために走行会も中止になり、ハンドルコントローラーを買ってAssetto Corsaでレースシム練習を始めました。・・・というのが、ゴールデンウィークの話。
前回までで、キャスターとロッキングを殺せば普通のオフィスチェアでもレースシムが出来るというのがわかったのですが、臨時収入があるなら使ってしまおう、ということで、ハンコンシートを導入しました。
これは今年発売されたらしい、
Next Level Racingの
F-GT Lite。折りたたみ式ながら、けっこう剛性があるので、そもそもオフィスデスク&チェアでも十分と感じてた私には十分すぎるほどでした。ただし、剛性確保のためかごつい関節になっており、頻繁に折りたためる構造ではありません。
ちなみにディスプレイは手持ちの30インチディスプレイ
DELL U3014、ディスプレイスタンドは同じく手持ちの
ベッドテーブル、床マットはホームセンターの
ヨガマットを使いました。
ここまでは前振り。
さて、Assetto Corsaはイタリア製のレースシミュレーターで、コースや車は主にヨーロッパ製のものが標準で入っています。ダウンロードコンテンツで一部車種の追加も出来ますが、その中には日本のコースと、肝心のRX-8は入っていません。
しかし、公式にユーザーが作成するコースや車(通称Mod)に対応しているため、自分でデータを作る、または雄志が作ったデータをダウンロードすることで、RX-8で日本のコースを走ることが出来ます。
RX-8のModも数多くダウンロード可能で、労せずともエイトで走ることが出来ます。
でもどのModも、実際に走らせてみると何か変です。
・どんなセッティングにしても、オーバーステア。
・ストレートが妙に速い。または、妙に遅い。
実車よりも難しいという状態なので、これで練習して上手くなれば良い、という意見もあるでしょうが、ここはMod、せっかくデータを弄れるので、より実車に近い状態で練習したいです。そこで、データを修正していきます。
1.サスペンション設定変更
ほとんどのRX-8 Modはものすごくオーバーステアで、どんなにアンダーステアなセッティング(フロント車高高、リアトーイン等)にしても、必ずリアが出ます。なおかつ、リアが滑り出した後のコントロールが実車よりも難しく、すぐスピンしてしまいます。
具体的には、TC2000の80Rや鈴鹿のダンロップを全開で走ると、いとも簡単にスピンする、TC2000の最終や鈴鹿の1コーナー立ち上がりでアクセルくれるとスピンする、という状態です。そのかわりきついコーナーの回り込みはかなり良く、あっという間に向きを変えてくれます。
RX-8はこんな挙動の車じゃない、とサスペンションジオメトリを確認してみると・・・
黄色がロアアーム、赤がアッパーアーム、青がタイロッドorトーコンロッドです。
特にリア側が、RX-8実車に比べて全然違う設定になっています。8のロアラテラルアームは車体中心のデフ脇ギリギリまで伸びていますし、ロアのラテラル・トレーリングアームはA形状に配置されていて、このようにL型の配置になっていません。
・・・なんか、この配置、見たことあるな・・・
こいつだ。
これはご存じRX-7 FD3Sの設定。このデータはダウンロードコンテンツに入っている、AssettoCorsa純正のデータ。このメーカーの純正データは定評があり、相当よく出来ています。実際、FD3Sのサスアーム配置も、簡略化するとこれとほぼ一緒。
つまり、巷のRX-8 Modのほとんどは、ゲーム純正RX-7用データから車体外観を変更したけど、サス配置は変更していない状態、ということです。私みたいな下手くそではキリキリ舞いになるわけです。
幸い、自分の手元にはRX-8実車があります。さらに、RX-7と8のサスアーム長がどれだけ違うかは、マツダが公式に謳っています。それを元に、サスペンションジオメトリを再設定。
こんなもんでしょう。
ちなみに後期を参考にしたので、前期であればリアアッパーアームのホイール側ピボットを下げればOKでしょう。
これで走らせたところ、強烈なオーバーステアは全くなくなり、RX-8特有の「基本アンダーステア、リアが滑り出してもしばらくはコントロール可能」という、相当実車に近い挙動にすることが出来ました。
2.エンジン設定変更
こちらも、ほとんどのRX-8 Modは妙に速く、TC2000のバックストレートで170km/hオーバー出てしまいます。走らせてみた感じでは、どうも
中間域のトルクがありすぎ。そして、ギアの繋がりも素晴らしく良い・・・というか、極端に良すぎる。これも、
エンジン回転慣性が少なすぎて、レスポンスが良すぎているため。RX-8はそんなレーシングビンビンエンジンではありません。
また、他のModで試してみると、今度は妙に遅い・・・鈴鹿のダンロップをアクセル全開で上っても、速度が上がらないんです。これはピークパワー不足。8のエンジンパワーを再現したかったのでしょうが、おそらく8の「遅さ」を勘違いしているのでしょう。ピークパワーは実測でも200ps以上あるので、そんなに遅い車じゃないよ。
よって、これも修正。
Assetto Corsaでは、エンジン性能曲線(回転数/トルク値)をぶっ込むことが出来るので、実車のこれを入れればOK。さて、実車のデータは・・・
はるか昔の2014年のRX-8処刑台祭りの時に、ローラーシャシダイで計測したデータがあるじゃん! ダイナパックと違って、本当にタイヤ出力で計っているので、このようなときは逆にありがたい! ということで、このデータをぶっ込んでみました。エンジンの回転慣性は、値を変えて走ってみて、のトライアンドエラーで修正。
最終的に、各コースのストレートエンド速度や、ギアチェンジポイントが大体一緒になり、走っている最中の違和感も相当少なくなりました。
これで車両側はかなり実車に近くなりました。
このシリーズ、なんと次回へ続きます。
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Posted at
2020/06/18 15:30:26