その4はこちら
サーキットのデビューを終え、もしもサーキット走行にハマってしまったアナタ、そう、アナタですよ!
ようこそ、こちらの世界へ!
WELCOME!
(イメージは
こんな感じ)
ハマったら、足繁くサーキットに通うことになるでしょう。そして、車もいじりたくなって、あれこれパーツを投入したくなるでしょう。
サーキット走行を、楽しく続ける秘訣としては、個人的には一つしかありません。
それは、
全てにおいて無理しないこと。
たとえば資金的。サーキット走行代、ガソリン代、移動費、車いじり代・・・この趣味を続けていると、自ずと出費も増えてきます。特に車の部品代については、一気に入れたい気持ちもわかります。でも金銭的に続かなくなってしまっては、結局やめざるを得なくなります。
資金的に無理がないように、車に投資をしていった方がオススメです。
たとえばタイム的。いずれラップタイムが気になる時期が来るかと思います。そのとき、どうしてもタイムアップをしたくて無理をしてしまうと、一番楽しくないクラッシュに直接つながります。クラッシュしてしまえば多大な出費が必要となる上、精神的にも参ることになるため、避けなければなりません。
タイムはあくまで楽しく走った結果でついてくるもの、無理して狙いに行かない方が、長く続きます。
自分のライフスタイルに合わせ、無理なく走り続けるのが、一番楽しく走れます。
・デビューからのステップアップ
さて、前回までに説明したことは、デビューに必要な準備。
もちろん、毎回前回までのデビュー準備をすることで楽しく走ることはできます。ただしサーキットにハマった方は、これから走り続けるため、ひいてはより楽しく走るために、
車および装備品をステップアップしていく方が多いです。まぁ、みんカラ見てるくらいなら、みんな車が好きでいじりたいでしょw
これから一つ一つ書いていこうかと思いますが、
今回はその基本的な部分を取り上げます。
・オイルの選択と交換頻度
オイル(エンジン、ミッション、デフ)に何を使うかは、正直宗教的な物もあるので、周りの人に聞くかみんカラを見てRX-8のサーキットアタッカーが使っていそうな物を使用すれば良いです。粘度についても、余り気にする必要は無いでしょう。ただしRX-8に限らず一般的に言われていることは、
燃費重視の0W-20は余りオススメできず、最低でも0W-30にしておいた方が良いでしょう。
交換頻度については、エンジン・ミッション・デフ全てで、おおむね下記が目安です。
・全化学合成油:サーキット3回ごと
・それ以外(部分合成、または鉱物油):サーキット走行ごと
※エンジンオイルエレメントは、10,000kmごと
正直、純正鉱物油でもサーキット走行に向かないわけではありませんが、劣化が早いという弱点があります。化学合成油は鉱物油の3~4倍の価格になりますが、その分3倍持つ上に保護性能が高いので、
個人的には化学合成油を使うことをオススメします。
交換頻度はあくまで目安です。特にミッションやデフについては、3回走らなくてもギヤの入りが悪くなる・デフの効きが変わるなどが発生することがあります。そのときは素直にオイル交換をしましょう。
・タイヤの準備
サーキットを走って、タイヤの消耗がかなり速いことに気がついたでしょうか。サーキットではタイヤが加熱され、しかも一般道以上の力がかかるため、かなりの勢いでタイヤが減っていきます。時には溝に囲まれたブロックが丸ごと飛んで、ボロボロになってしまうこともあります。
繰り返し走るのであれば、
タイヤはサーキット走行に向いたタイヤに変えることをオススメします。資金的に十分であればホイールごと(サイズ等は次回解説)購入するのが良いのですが、とりあえず手持ちのホイールに合わせても全く問題ありません。
タイヤは各メーカーのハイグリップラジアルと呼ばれる、一般向けの中でも最も溝が少なくブロックが大きい物をオススメします。
メーカーはどこの物でも大丈夫です。国産メーカーの場合は、価格は高くなりますが、サーキットでの性能もかなり高い上に、街乗り兼用時の使い勝手も考慮されています。アジアンメーカーの場合、価格は国産の1/3~1/4と非常に安く、サーキット性能も十分高いのですが、製造品質のばらつきから時々ハズレタイヤが混ざっていることと、街乗りタイヤを兼用するようであれば騒音・振動を覚悟する必要がありますので注意しましょう。
初めてのハイグリップタイヤとして個人的なオススメとしては、
国産なら
グッドイヤー EAGLE RS Sport S-Specです。サーキット性能、使い勝手、街乗り時の乗り心地、ライフのバランスが非常に良く、初めてのハイグリップには最も適していると考えています。これ1本で街乗りからサーキットまで、1年間履きっぱなし、という使い方も出来るほどのイイタイヤです。
アジアンなら、初めてのハイグリップなら
ナンカン NS-2Rがオススメです。価格も安く、性能も十分で、減りも少ない方です。ただし、街乗り時の乗り心地は固めで、騒音もうるさくなります。
ちなみに最近86レースで使われている、
ハイグリップラジアルよりもグリップが高く、通常のメーカーカタログに載っていないタイヤ・・・便宜上、今後「
モータースポーツラジアル」と呼ばせてもらいます・・・は
最初のハイグリップとしてはオススメしません。個人的にはあまりにハイグリップ過ぎるタイヤは練習には向かないという持論があるのですが(それで初めてのハイグリップにブリジストンPOTENZA RE-71Rや、ゼスティノGredge07RSを勧めない)、それ以上にリムガードがなかったり、タイヤカスを除去しないと性能ががた落ちするなど扱いがやや面倒なので、初めてのハイグリップとしては少々難しいからです。
・ブレーキフルードの交換
意外と忘れられがちですが、
ブレーキフルードは消耗品です。
RX-8のブレーキシステムは車格に対して強力なので、比較的フルードに対する負担は少ないです。ただし、サーキット走行では思いの外高温になってしまい、劣化した中でサーキットを走ってブレーキが利かなくなった・・・では大事です。値段も工賃もそれほどかからないので、交換しましょう。
選ぶオイルは、各ブレーキメーカーから出ているスポーツフルード、具体的には
DOT4規格の物がオススメです。DOT5というより高温まで耐えられる物もあるのですが、取り扱いが難しいのと、先ほどの通りRX-8のブレーキシステムが優秀でそこまでの性能はいらないので、オススメしません。
(※DOT規格については、詳細はググってね)
フルードの交換は走行頻度にもよりますが、概ね1年に1回で良いでしょう。
・エンジンクーラントの交換
意外と忘れられがちですが、
エンジンクーラントは消耗品です。
ロータリーに限らずスポーツカーは冷却水への負担が大きいのですが、特にロータリーエンジンでは冷却系への負担は大きくなります。
正直言って、クーラントを変えたからと言って冷却性能が極端に上がることはありません。しかし、長時間高温下で使用したクーラントは、大事な機能の一つである
防錆性能が劣化してしまいます。これを使い続けると、
エンジン内部、配管、ラジエーターの内部が腐食して、最悪エンジンを壊してしまいます。前期のエンジンはウォーターポンプのプロペラがアルミ製で、そのプロペラがペラペラになるまで腐食しきって崩壊寸前、なんて例も見たことがあります。
クーラントついては、
純正やそれ相当品の水で薄めるタイプなら1年に1回、写真のような原液で使用するスポーツクーラントなら2年に1回は交換しましょう。個人的には、スポーツクーラントの方が防錆性能の劣化が遅いため、そちらをオススメします。
今日の最後に、1つだけ。
・どんなに手を尽くしても、車は消耗品
オイルに良い物を食わせようが、まめな頻度で交換しようが、ちゃんと温度管理もしていようが、
車の各部品は消耗品です。壊れるときは壊れます。早かれ遅かれ壊れます。
特にエンジンについては、「ちゃんと管理しているのに圧縮が落ちた、どうしてくれるんだ!?」的な事を書いている方をたまに目にします。でもロータリーに限らず、エンジンは人の手で組み立てた、過酷な環境で動いている消耗品です。保証期間内や常識外に早期の故障は別にして、それ以外で壊れたり圧縮力が落ちたりしたのは、メーカーのせいでも、ショップのせいでも、アナタのせいでもありません。ただ消耗しただけです。ミッションやデフについても一緒です。他の部品についても一緒です。
エンジン・ミッション・デフなど非常に高い部品は気持ちはわかりますが、消耗することは仕方なく、恨みっこなしです。
ちなみに、決してサーキット遊びをしているから早く壊れるかというと、必ずしもそうではありません。
メンテナンスをきっちり行い、正しい使い方をしていれば簡単に壊れませんが、それでも消耗します。それが早いか遅いかだけです。
さて、次回以降は各部の車いじりについて、自身の経験からのオススメを書いていきます。
続く・・・