F116blueのブログ一覧

たくさん書きたいことはあるのだけれど・
平日のＰＣ作業疲れ？ついつい、先延ばしになってしまいます。

まずは、「コーニッシュ」から。

徳大寺有恒さんの晩年の著書、「駆け抜けてきた」は
冒頭、ベントレー・コーニッシュとの年末の赤坂での不思議な体験
から始まります。

以下引用
・「コーニッシュ」という名は、カンヌ、ニース、モナコを結ぶ道
リヴィエラ海岸沿いの風光明媚なドライブルートから名付けられた。・

１９９０年代大晦日の晩。徳大寺さんは赤坂を通りかかり
昔の自動車街を思い出しながらコーニッシュを駐車して、しばらく
歩き回る。

・駐車した場所に戻ると、ひとりの少年が私のベントリィをまじまじと
見ている。山王さんに来た子だろうか、それにしては家族の姿が見当たらない。
私は声をかけようかどうか少し迷い、かけそびれたままベントリィに乗り込み
エンジンをかけた。ふと、少年の姿を探すと、どこにも見当たらない。
いつの間にか消えていた。－彼はクルマが好きなんだろうか、いつの日にか
ベントリィに乗ることを夢見ているのだろうか。
　あのときの少年は、自分だったのではないかと思ってしまう。そんなこと
はありえないのだが。・

この冒頭のくだりは、印象的でした。

そのコーニッシュに先日、京都の堀川通で遭遇したのです。



最初はロールスのコーニッシュかと思ったのですが、横に並ぶと
ベントレーのマスコット。

ラフなチェックのシャツを着た、私よりも年配かと思われるドライバーは
小雨が降ったり、やんだりの不安定な天気の中で・

「エッ」



フロントスクリーンの上を何か触られていると思ったら
電動トップを下ろされたんです。ビックリ。
トップが下りる速さにも、またビックリ。



関東地方の新しいナンバーだったので、京都の方ではなかったようですが
夕方の、込み合った堀川通をスイスイと、左側車線から消えていかれました。

徳大寺さんと同じ？スピリットを持つ方がいらっしゃるんだなあって。
少し嬉しく後ろ姿を見送りました。