お盆期間中は、出勤が楽ですなぁ。いつもは混雑する道が、遠くまでスカッと視界良好なのが新鮮。
さてさて、ウチのインプレッサGP3は1.6L。AWDでコーナーもビシッと四輪が地面を捕らえ、ぶれずに曲がり、立ち上がりではグッと押し出される感覚があり楽しい。言いすぎかもしれんが、ただただまっすぐ走っていても、すべるように進む。実に滑らか。道路のギャップは捉えるものの、「ココン、ココン」と軽くいなす感じ。思わずニヤニヤしてしまう。
車重1.2tオーバーに1.6Lなんで若干パワーに余裕はなく、軽やかとは言い難いが、MTで引っ張ったりしてそれはそれで楽しい。(アクセルの反応については後日)
1.6Lと2.0Lの差はエンジンと足廻り。特に足廻りについては1.6Lはフロントダンパーにリバウンドスプリングなるものが無く、リアのサスペンションには「スタビライザー」が無い。
前記の通り、コーナーにしても直線にしても、何ら乗ってる分には不満は全くなく、そもそも車歴においてスポーツ車を所有したことのない俺にとっては、リバウンドスプリング・リアスタビライザー有無の差など気づかない程度だとは頭では納得はしていた。そもそも、構造上どんな効果があるか詳しくは解んないわけだし。
ただ、どうしても気になってしまうのが「スタビライザー」の存在である。何是か。
それはガキの頃に読んだ漫画「サーキットの狼」の影響が強いのだ。
【マンガにまつわるエトセトラ。1】、でも書いたように、マンガ禁止だった俺は、兄貴の部屋に忍び込んでは漫画をくすねて読んでいた。そのなかの一つが「サーキットの狼」である。
1970年代を代表するレース漫画で、スーパーカーブームの火付け役として名高い本作。
一匹狼の公道レーサー(チームを組まない走り屋)である主人公風吹裕矢が、愛車ロータスヨーロッパSPを操り、スーパーカーを駆るライバル達としのぎを削りながら、プロレーサーに成長していく姿を描いた物語。
(余談だけど。ロータスの名前の由来は仏教にあるって386さんから教えてもらったので調べた所、創立者のひとりであるコーリン・チャップマンが仏教思想で「俗世の苦しみから解放されて夢がかなう実」とされる蓮にちなんで名付けたとの説が有力だそう。ただ、彼は名前の由来は明かしてはおらず不明なんだとか。妻に対してチャップマンが「蓮の花」というあだ名を付けたためという説もあるそうだ。)
ライバル達の設定も今から見ると凄い。暴走族の頭がパンテーラやカウンタックを所有してたり。中でも最大のライバル「早瀬左近」が率いる暴走族の名前が「ナチス党」。ポルシェオーナーだけ所属する族で、ハーケンクロイツが旗印。自らの愛車カレラRSのサイドにもハーケンクロイツ。ヤバイだろこの表現は。ちなみに左近の妹ミキと裕矢の絡みがちとエロティックで小学生時代の俺にとっては貴重な興奮ポイントであった。
また最凶の悪役「隼人ピーターソン」がイカす。典型的な軟派系ハーフなんだが、プライドが高くテクニックは一流であるが、勝つためには手段を選ばないという設定。「ユーたちは素晴らしい日本の車があるのに、なぜ外車にのるんだい?」と尤もらしいことを言ってトヨタ2000GTを愛車としているが、公道レースで自らの策におぼれ自爆。結局、BMWに乗り換えると言う節操のなさ。おかげで相当の長きにわたり、「BMWは悪役の車」といったイメージを持ってしまった俺である。
やっぱり見所は、風吹が非力なロータスヨーロッパのコーナリング性能を十分に活かしたテクニックで、ハイパースペックのスーパーカーを翻弄する姿。やはり、五条大橋・義経vs弁慶の戦いのような、柔よく剛を制すってのが日本人は大好きなんだろうな。頭文字Dにも通じる所があるんじゃなかろうか。
そのコーナリングマシン・ロータスヨーロッパの説明の中で印象に残っちゃったのが「スタビライザー」なわけ。実際の所どうだったか解らないがマンガの中での描写では、車高の低いロータスヨーロッパが、バトル中にスタビライザーを強打してしまうと、車体がふらついてしまいコーナリングどころか、直進すらまともにできなくなってしまう。
子供ながらに、「スタビライザーって重要な部品なんだ」とすり込まれてしまったんですな。
体育の授業で走ってるときや、遊んでる時も、疲れて走れなくなると「ああ!スタビライザーを打った!!まずい、走れない・・・。」とか言って足を抱えて見せても、全く同級生にはネタが通じなかった。
またその反応をみて「クク・・・知ってるのは俺だけ・・・大人な俺ゴイスー。」などとほくそ笑んでいたわけで。・・・・こうやって書いてみると、ほんと痛い小学生だわ。恥ずかしい。自分の子供にはこうなってほしくないもんだ。
まぁそれはさておき、こういった事情からか実際に載った感覚はどうあれ、1.6Lに「スタビライザー」が無いことが、イメージ先行であるものの、非常に引っ掛かってる次第。
昔の車に比べ、今の車は進歩を遂げている。そもそもミッドシップのライトウエトスポーツであるロータス・ヨーロッパでの話だし、本当にそこまでスタビライザーが影響してたのか定かでもない。フロントにはスタビライザーが装備され、1.6Lのインプにはそれで十分というバランスを見出したのだろうから、なにも気にする必要など無いのであるが。
それでも2.0Lについているリア「スタビライザー」に過敏に反応してしまうとは、なんとも因果なものよなぁ。
Posted at 2012/08/14 12:12:17 | |
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