またもや、いーんぢゃさんのブログ
Tommy Flanagan / Eclypsoに乗っからせていただいてと。
トミー・フラナガン。数多くの名盤にサイドマンとして参加、名演の陰にトミフラあり、誰が言ったか知らないが「最優秀助演賞受賞者」と名高い。
しかし、トミフラ自身がリーダーのアルバムをそんなに残していない(ちょっと自信なし)。
いーんぢゃさんのところで紹介されていた、オーバーシーズもその一つ。オーバーシーズが57年録音で、トミフラの初リーダー作である。
俺がここで紹介したいアルバムは、Eclypsoである。オーバーシーズでも演奏された自身のオリジナル曲をタイトルにし、二十年後の77年に録音したアルバムである。
ドラムはオーバーシーズと同様、エルビン・ジョーンズ。ベースはジョージ・ムラーツに変わっている。
これは、たまたま大学時代に、中古屋で投げ売りしていたものを、「トミー・フラナガン」という名前だけはしっていたので、どんなもんかと買ってみたもの。
ジャケットもそんなに意匠をこらしたものでもなく、たいして購買意欲をそそられるようなものでもない。正直、「だせぇ」と分類されるデザインである。失敗してもいいやって感じだったのだが、これが大当たりだった。
購入当初は、そんなに気に入ってるわけでもなかった。ところが、就職して間もなく、ふと目について聞いてみたら、じつにいい。以来、いちばん聞いているピアノトリオアルバムになってしまっている。
このアルバムでの演奏が格別革新的なわけでもなく、歴史的な価値があるわけでもない。トミフラ自身、強烈な個性を持ち合わせたプレイヤーではなく、アドリブ・スイング感・ブルース感・テーマを弾きこなす技術、バッキングの和音の自然さ等々が実にバランスが良いというプレイヤー。それゆえサイドメンとして数多くの名盤に名を残した所以であるわけだが。
しかし、このアルバムは、とにかく「飽きない」。ナンボ聞いても「飽きない」。そのバランスを、高次元で極めるとこうなるのかと。
聞くたびに、スイングの高揚感、ブルースの泥臭さ、洗練されたリズム、3人の一体感、それでいてトリオおれぞれの特色を消さないバランスの良さが際立ち、満足感を得られる稀有なアルバムなのですわ。
ムラーツのメロディアスかつスインギーで粋なベースライン。エルビンの相変わらず手数は多いテクニカルでありながら、スイング感抜群で、周囲を煽りに煽り、より高みに登らせるドラミング。そこにトミフラの「中道」を極めた肩意地の張らないピアノが、遊びゴコロ満載かつ縦横無尽に駆け巡るわけですよ。「中道」を極めたものが辿りつく「王道」タマラン。
もちろん、俺個人の感想なんで、ツマランひとにはツマランわけですが、こればかりは聞き込めば聞き込むほど手放せなくなるアルバムと強く主張したい!!!!トミフラが格別に大好きというわけではないのだが、兎に角このアルバムが大好き。
オーバーシーズと比べるのも楽しかろうと、タイトル曲の「eclypso」を探したのだけれど見つからないの。なんで、このアルバムでもっともエモーショナル(俺比較)で俺も大好きな「oleo」でご勘弁を。
Posted at 2012/07/28 11:33:05 | |
トラックバック(0) |
音楽関連 | 音楽/映画/テレビ