
この日は沖縄本島最北端を目指し、その後東側を周り一周します。(画像多い)
沖縄で一番行きたかったのは国際通りでも万座ビーチでもなくあまり人気のない北部だよ!
■最北端辺戸岬
名護市から西側海岸沿いを北上して最北端の辺戸(へど)岬に来ました。
辺戸岬一帯は石灰岩層の断崖絶壁が見所です。
後方に見える山は大石林山(※)と呼ばれ2億年前の石灰岩層の浸食によるカルスト地形が特徴。
この山を含めて岬一帯は沖縄本島の成り立ちを知る重要な場所です。
沖縄本島の成り立ちと地層の特徴について少し解説しますね。
沖縄本島は、その中央部に位置する沖縄市(旧コザ)や海中道路付近を境に、南北でまったく異なる地質的な成り立ちをしています。
まず北部についてです。
北部の地層は、遠く南の太平洋沖にあった海底堆積物が海洋プレートの運動によって剥がされ、隆起したいわゆる「付加体」によって形成されています。
この地層は約3億年~5000万年前にさかのぼる古いものであり、隆起によって山々が形成されました。
この地域には標高500m前後の山々が南北に連なり、地元では「やんばる(山原)」と呼ばれており、天然記念物のヤンバルクイナをはじめとする多くの固有種が生息する深い亜熱帯林に覆われています。
人が容易に足を踏み入れることが難しい自然豊かな環境が広がっています。
一方、南部の地層は約500万年前に中国大陸から流れ出た土砂が海底に堆積し、その上にサンゴ礁の残骸が積み重なった比較的新しいものです。
このサンゴ礁の残骸は「琉球石灰岩」と呼ばれ、約170万~50万年前にこの地域で生息していたサンゴが形成した石灰岩層です。
この石灰岩層は北部の付加体に含まれる石灰岩層とは起源が異なります。
南部は元々サンゴ礁だったため標高が低く、比較的平坦な地形が広がっています。
そのため、人々が住みやすい環境となり那覇市を中心とする地域に多くの集落(街)が形成されました。
沖縄本島の南北を訪れた方なら、地形や景観の違いに気付いたことがあるかもしれません。
沖縄自動車道を走ると、北部や中部では山間部を通り抜ける一方で、南部では視界が広がる風景が楽しめます。
このように、地形の変化を肌で感じることができるのも沖縄の魅力の一つです。
目の前に広がる2億年前の石灰岩が剥き出しになって素手で触れるとなると興奮する(笑)
ターコイズブルーのビーチでビール片手にリゾートを過ごし、夜は国際通りで近海活魚とソーキそばに舌鼓を打つ...?
いやいや、沖縄のリゾートイメージに程遠いこの石灰岩層の海食崖に打ち付ける荒波を誰が想像したことか。
もはやロマンの塊でしょ!
だから国際通りとかビーチよりここに来たかったのよ(ニチャーw
辺戸岬から約23km離れた与論島見えた。
琉球石灰岩が隆起した島なので山がないね。
こちらはフェリーからも見えた伊平屋島と伊是名島。
タイミング良く鹿児島行きのマリックスラインフェリーが見えた。
祖国復帰闘争碑。
1945年太平洋戦争終戦後、沖縄は奄美群島とともに米国統治下に置かれ、目の前に見える与論島は1953年に日本本土に復帰したが、沖縄が本土復帰したのは1972年でした。
ここから与論島を眺めると、当時の人々の与論島に向かって叫ぶ声が聞こえてきそうだった。
ドローン撮影のロケハン兼ねて一通りざっと見て駐車場に戻りドローンの準備を始めたところ・・・
あぁぁーーーーー
撮影に必要なパーツが無い!?
何で??
思い出しました。
前日、古宇利島にて大量にお土産を買って助手席が酷い状況になったので、名護市内に3連泊することもあり車内の荷物全部をホテルの部屋に一時的に移動させた。
出掛ける時は必要なものだけ車に持って行けば良いと思ったがそこで忘れたみたい。
今からホテルに戻ると辺戸岬まで往復で約2.5~3時間掛かる。
行けないことはないが、この日は北部一周もしたい。
ドローン撮影を取ると一周は時間的に無理だな~
ドローンの撮り高を取るか本来の目的である沖縄の成り立ちを取るか・・・
はい、一瞬で決めました。
ドローン諦める(T_T) y-~~~
天気良いのでドローン飛ばしたかったけど行きたいところに行けなかった後悔はしたくない。
さて、気を取り直して辺戸岬から東側のやんばるの森を走るよ。
この日は天気良くて暑かったので森の中は若干涼しくオープン走行は気持ち良かった。
ただ、落ち葉は多く道路幅も狭い上に直線区間はほぼないため少し走り辛いかな。
カーブの連続なのでそれはそれで楽しいがバイカーが多いので気が抜けません。
後方からバイカー軍団が来るとちょっとした短区間の直線で徐行して先に走らせるのだがその回数が多過ぎる。
また対向からもバイカーがかなりのスピードで突っ込んでくるから常に気が抜けず緊張しっ放しでした。
やんばるの森なので数百メートルおきにヤンバルクイナ横断注意の標識が目に入る。(画像なし)
ここを横断したらそら轢かれるわなー
事故が多いようです。
ヤンバルクイナに注意しながらスピード出さずバイカーにも気を付けてってこの道疲れるわー
※2024年12月28日付 琉球新報
観光事業を手がける南都(大城宗直社長)は28日、同社が運営する国頭村宜名真の大石林山を「ASMUI Spiritual Hikes(アスムイ・スピリチュアル・ハイクス)」と名称を変えてリニューアルオープンする。
特に県民に知ってもらおうと、しばらく県民は入場料が半額となる。
入場料は一般2500円、子ども1000円。営業時間は午前9時半~午後5時半(最終受付は午後4時)。
■リュウキュウスフィンクス
安波川河口に来ました。
波の浸食で出来たスフィンクス。
マイナーな場所だけど間違いなく沖縄北東部までMR-Xで来たよの画w
■道の駅 やんばるパイナップルの丘 安波
ランチとトイレ休憩にちょうど良い場所にあった道の駅。
周辺にはパイナップル農園があったのでその名前みたいです。
北東部は休憩場所はほぼないのでこの施設はありがたい。
やんばる森の中のグランピングも楽しそうだね。
ヤンバルクイナ観察棟だったと思います。
道の駅にはTVモニターがありヤンバルクイナが集まる場所のライブ映像が流れてましたが肝心のそれはお留守でした。
まぁ鳥には興味ないけどもしかしたらと森にカメラを向けたがそもそも飛べない鳥なので木の上にはいないのよと後で気付いた(笑
この駐車場の直ぐ裏はヤンバルクイナの谷と呼ばれ生息してるようです。
■沖縄やんばる海水揚水発電所跡
県道から脇道に入り対向来たら絶対すれ違えない細い道をクネクネと進み目的地の駐車場に着いた。
そしたらそこにはアメリカンバイク軍団が!
「こんにちはー」と相手から声を掛けられ礼儀正しい若者達を見送った。
ここは電源開発(J-Power)が建設した世界初の海水揚水発電所跡地です。
と言ってもここからはその様子が見えないのよね。
ここでドローン飛ばす予定だったので悔しい。
通常揚水発電は河川上流に上池と下池を作り昼間は上池から水を落として発電し、夜間は余った電力で下池からポンプで上池に汲み上げそれを毎日繰り返します。
ここは下池の代わりに海水を汲み上げそれを落とす世界初のシステムです。
J-Powerが試験的に建設してその後沖縄電力に売電していたが、どうも発電料金が採算に合わず2019年に閉鎖されました。
過去に北アルプスと御巣鷹山山中の揚水発電ダムに関する仕事をしていたのでこの海水揚水も興味があり一度は見てみたかったので今回の旅行では絶対外せないルートでした。
バイカー軍団がいなくなったので車を止め直して写真撮ろうとしたらソロバイカーがするっとフレームに入ってきた。
カメラを構えていたらバイカーが気付いたみたいですみませんと声を掛けてきたので大丈夫ですよと返した。
PC画像編集ソフトでも消せるんだよw
でもね、便利な機能だけど写真は実際に目で見た時の脳のバックアップ装置だと思ってるので基本的には使わないし使いたくないな。
写真なんて所詮ここに来ました証拠物件のひとつでしかないんだよね。
■福地ダム上流洪水吐
県道沿いから見られるダム洪水吐。
ダム貯水池が大雨の時に越流しないよう洪水吐から越流分を下流に自然に流します。
画像はダムのように見えますが実際のダムはここから西へ6km離れた場所にあり、ここはダム上流部に作られた洪水吐です。
6km先のダムが大雨で水位が上昇してヤバイ事態になるとこの洪水吐から海に直接放流する珍しい装置です。
梅雨や台風で大雨が続く沖縄ならではの構造ですね。
この駐車場で米軍兵士らしいバイカーにカッコイイネーと声を掛けられたので、ヨコスカベースの隣のヨコハマからカーフェリーで来たよと返したらクレイジーって言われた(笑)
■嘉陽層の褶曲
難しい漢字が続きますが「かようそうのしゅうきょく」と読みます。
県道沿いの水道施設が目安ですがいきなり現れるので慌てて脇道に入りました。
旧道らしく閉鎖されて徒歩で寂しい道を進むと、
「かようそうのしゅうきょく」ありました。
褶曲とは、地殻変動により地層が横方向に圧縮されて波が打つように曲がる現象を言います。
辺戸岬で書いたように沖縄北部は地殻変動によって海底に堆積した地層が剥がされて隆起した付加体です。
その隆起の過程において圧縮される強さが時代によって違うため大きく波型に変形された痕が露頭として残されました。
地層境界に線があるのは隆起する以前に海底に堆積した岩質が違うことを意味します。
これらは5400万~3700万年前に日本列島がまだ大陸の端にくっついていた時代の深さ2000m以上の海底に大陸から流れ出た砂や泥が交互に幾重にも積み重なったためです。
砂の多い時代や泥の多い時代、それぞれの時代に大陸で気候変動や地殻変動が何かしら起きたのだと思います。
ここの地層は四国など本州によく見られる地層と同じらしいので驚きですね。
沖縄の成り立ちを勉強すればするほど本島南北は全く違うので地球の営みにワクワクする。
海底堆積物は水平の層になりますが隆起するとその圧縮力で徐々に波打ってきます。
地層境界が上から曲がって垂直に下りてるけど一体どういう力を受けたののだろうか。
くの字に曲がっってますね。
地層を詳しく見てみると、色の薄い部分は砂岩、濃い部分は泥岩だとわかります。
年代はさっぱりわからないけど砂の多い時代と泥の多い時代があったのは明白ですね。
赤茶色部分は泥砂に含まれる古い溶岩系鉄分の酸化だと思います。
縦に亀裂が入ってますね。
地層境界は大きくズレてないようなので正(逆)断層ではないでしょう。
でも水平方向にキズのような筋がいくつも見えるので横ずれ断層の可能性もある??
詳しくはわかりません。ちょっと不思議な亀裂でした。
興味のない方には、ただの石ころや土にしか見えないかもしれませんね(^^;
生まれ故郷の和歌山市、実家の近所にある和歌山城周辺には、かつての砂丘の名残や「紀州青石」と呼ばれる緑色の石(緑色片岩)が多く見られます。
子供の頃からそれらを見慣れていたため当たり前のように感じていました。
しかし、和歌山は地震が多い地域でもあり、高校の地理の授業で断層やプレート運動を学んだことが切っ掛けで石ころの起源に興味を持ち始めました。
これが地形や地質に対する関心が芽生えた瞬間でした。
日本全国旅すると日本列島の成り立ちがわかる場所に何度もめぐり逢い興奮は止まりません。
大学は原子力(原子核物理)に進んだけど、その世界から足を洗って今思い返すと地震や地質の世界に行っておけば良かったと思うことも多々あり(^^;
歳取ってから地質専門書読むのは難しくて辛いわ。
難しい専門用語や説明は今回でおしまいです。
沖縄観光は明日が最終日。
2日後には沖縄を発ちます。
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