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タイトルは所有するM3とボクスターのエンジンの型式です。
私は失われつつある自然吸気の大排気量かつ多気筒エンジンを求めてE92型のM3を購入しました。そのM3に搭載されるエンジンであるS65とボクスターのMA103エンジンを比較しつつ両者について思うことを書いてみたいと思います。

まずはスペックの比較から。

S65
V型8気筒（90°）
ボア x ストローク　92mm x 75.2mm
排気量　3,999cc
圧縮比　12.0:1
最大出力　420ps/8300rpm、400Nm/3900rpm
最高許容回転数　8400rpm
CO2排出量　295g/km


MA103
水平対向6気筒
ボア x ストローク　102mm x 77.5mm
排気量　3,800cc
圧縮比　12.5:1
最大出力　375ps/6700rpm、420Nm/4750-6000rpm
(400ps/7400rpm、440Nm/5600rpm)
最高許容回転数　7600rpm
CO2排出量　223g/km

MA103はポルシェの911のGTSとカレラS、ケイマンGT4にも搭載され、車種に合わせて性能がチューン、またはデチューンされています。このボクスターに搭載されるMA103はその中でも最も性能が低く抑えられています。括弧内は参考までにカレラSの性能を記しています。

排気量と出力は似ています。馬力はS65が上回り、トルクはMA103が上回っています。

トルクはグラフで比較してみるとこんな感じです。



実際に乗ってエンジンを回してみてもグラフ通りの印象です。

S65は8400rpmまで回るので高回転型エンジンと言われますが、低回転側を捨てて高回転に特化しているわけではないと言えると思います。最大トルクは3900rpmで発生しますが、これはNAエンジンとしてはそれほど高い回転数ではありません。最大トルクが発生する付近から高回転でもトルクがあまり落ち込まずに8400rpmまで回りきります。巷では回さないと速くないと言われていますが、最大トルクの絶対値が低くピークが広い特性なので、「回せば回すほど速い」が正しい表現だと思います。

MA103は日常使いも追求した万能型エンジンで、日常で使う領域で過剰なまでの性能を発揮しますが、高回転域ではスポーツカーのエンジンだと考えると少し残念な気がします。

続く。