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2024年05月24日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その6

いつまでも続くこのシリーズ、いつになったら終わるのか?と思われる方もいるかと思いますが、たぶん当面続きます。

今のところ考えている流れ

1、最適化の基本的な考え方の説明
2、サーキットシミュレーションの結果確認
3、実測走行データの確認
4、最適化に向けての準備
5、最適化した走行ラインによるサーキットシミュレーション
6、ダウンフォースを考慮した最適化
7、レーシングドライバーの実測走行データとの比較
8、一般車両のサーキット走行への適用

今日は4番目の最適化に向けての準備です。

具体的には、コーナ中心線方向加速度の最大値の変化ついて考えます。

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その4で書いたように、実際の摩擦円(Gサークル)は左右Gの方が大きい横楕円になっていて、左右G:前後G=1.2~1.3:1くらいです。

先日のシビックタイプR EK9のSタイヤの場合、下図のような形状で、左右G最大が12.5m/sec2、減速G最大が-9.5m/sec2くらいになっています。
灰色線が実測データで、青色は近似線です。


今回はこの摩擦円を持った車輛の進行方向とコーナ中心線方向の角度差に対する中心線方向加速度の発生可能な最大値の変化を見てみます。

まずは直線からフルブレーキをする状態です。
この時は車輛の進行方向とコーナ中心線方向は等しいので、角度差は0です。



角度差が0なので、車輛の減速方向加速度が最大の-9.5m/sec2のときコーナ中心線方向でも最大の加速度になります。

ここから20°進行方向が傾いた状態。


この状態では加速度の前後左右の合計が赤線の方向のときがコーナ中心線方向の加速度が最大になることがわかります。

また、この状態ではコーナ中心線方向の加速度が最大であると同時に、コーナ中心線直角方向にも加速度が発生できることがわります。

40°進行方向が傾いた状態


20°よりもコーナ中心線方向も直角方向も両方加速度が増加します。

80°進行方向が傾いた状態


この状態では左右Gの最大に相当する-12.5m/sec2に近い-12.4m/sec2をコーナ中心線方向で発生できますが、そのときの直角方向は0.8m/sec2となっています。

これを横軸を「車輛の進行方向とコーナ中心線方向の角度差」、縦軸を「発生可能な最大のコーナ中心線方向加速度とそのときの直角方向加速度」としてグラフ化したものが下図になります。



車輛の向きが変わるに伴い発生可能な最大のコーナ中心線方向加速度が大きくなることと、40°前後のときが直角方向の加速度が大きいことがわかります。

もうひとつ見方を変えたグラフを作りました。
これは、各進行方向角度差毎のコーナ中心線方向加速度と直角方向加速度を表しています。


黒線は各進行方向角度差でのコーナ中心線方向加速度最大値を結んだ線です。

この黒線から離れた状態ではコーナ中心線方向加速度最大値が低下するということを意味しています。

一方、このグラフを見てわかるとおり、赤丸で囲った範囲であれば、コーナ中心線方向加速度最大値の低下を最小限にしつつ直角方向の加速度を増すことができます。

したがって、走行ラインの最適化を行うためには、この赤丸の範囲で直角方向の加速度を大きくし、それ以外の範囲ではコーナ中心線方向加速度が最大になるときの直角方向加速度でコーナを曲がれるような走行ラインを選べばよさそうだということがわかりました。

絵的に見ると、下図の進行方向角度差が30°~50°付近で直角方向加速度が大きくなるような走行ラインにすればよいということになります。



なんとなく傾向はわかってきたものの、このような加速度変化でコースから走行ラインがはみ出すことがないのかどうかがさっぱりわからないので、次回は実際に走行ラインを書いてみたいと思います。
Posted at 2024/05/24 22:41:15 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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