
中国人向けビジネス情報サイトのBWCHINESEは6日、「日本はいかにして将棋倒しの悲劇を防止したか」と題する文章を掲載した。中国人ジャーナリストの徐静波氏の署名原稿で、日本でも2001年に明石市で大規模な将棋倒し事故が発生したが、その後は警察が本格的な対策に取り組んだと紹介した。日本におけるDJポリスによる誘導も高く評価した。
上海市で12月31日に発生した将棋倒し事故では、36人が死亡した。現場は新年のカウントダウン・イベントを見ようと、多くの人で混雑していた。死亡者の多くは若い女性だったという。
文章はまず、日本での「将棋倒しの悲劇」を紹介。2001年7月21日午後8時半ごろ、兵庫県明石市内で花火大会の会場に向かう歩道橋で将棋倒しが発生し、11人が死亡(うち10歳以下の子が9人、70歳以上の高齢者が2人)した「明石花火大会歩道橋事故」だ。
事件の背景として、警察は暴走族対策を重視して警察官を配備していたと紹介。事故後には、副市長や警察署長を含む市幹部が起訴され、市長も引責辞任したと、日本における行政幹部に対する責任追及の様子も伝えた。
日本全国が衝撃を受けた同事故により、日本では「警備業法」、「国家公安委員会規則」が改正された。文章は、多くの人が集まる場では、通常の警備や誘導だけでなく、将棋倒し防止のための警備人員が配備されるようになったと紹介。
さらに、群集に対する心理的な対策として、『DJポリス』の活躍を強調した。例として、2013年6月4日深夜、男子サッカーのワールドカップ予選で日本がオーストラリアに勝利して、同大会出場を決めた際の出来事を紹介。警視庁第9機動隊の「DJポリス」が3万人が集まった渋谷駅前に出動し「見事な腕前」を見せたことを賞賛した。
文章は、マイクを握った男性警察官が「こんな良き日に怒りたくはありません。私たちはチームメートです」、「日本代表のようなチームワークでゆっくり進んでください。けがをしては、W杯出場も後味の悪いものになってしまいます」などの、「DJポリス」の巧みな語り口を紹介。
さらに「群衆は彼の指示に従った」、「ひとりの負傷者も、騒ぎを起こす者も逮捕者も出なかった」と評価した。
また、日本の警察はそれ以外にも、多くの人で混雑が予想される場合には、騒ぎや乱闘が発生した場合の対応策を実施しており、負傷者などが発生した場合に備え、事前に救急車や警察車両の通路を用意しておくなど、極めて周到な対策を立てるようになったと紹介。
筆者は最後に「日本の警察の上記のようなやり方は、中国の警察にとって多少は参考になるかもしれない」として文章を結んだ。
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◆解説◆
徐静波氏は浙江省出身の中国人ジャーナリスト。政界関係者では胡錦涛、江沢民、温家宝、朱鎔基、董建華、中曽根康弘、村山富市、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、経済会では出井伸之(ソニー会長、当時)、豊田章一郎(トヨタ自動車会長、当時)、さらにダライ・ラマ14世など多くの要人を取材した経験がある。アジア通信社社長。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) coward_lion /123RF.COM) サーチナ 2015-01-08 22:21
Posted at 2017/10/21 13:31:12 | |
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