

中国・吉林省琿春市内で5月31日、乗用車内で車両用消火器が爆発した。保険会社が多額の契約をした、車主に贈ったものだった。ダッシュボードやメーター類が粉砕され、一面に白い消火剤でまみれるなど、車内は「崩壊」状態になった。城市晩報などが報じた。
車主は女性。5月31日午後に、同女性の息子が運転して出かけ、所要先の建物近くに停車しておいた。5時半ごろに戻って車に近寄ると、ドアの隙間から白い煙がたなびいていた。
とっさに「燃えている!」と思った。急いで中を見ると、車内一面が白い粉にまみれていた。ダッシュボードは破壊されて脱落し、メーター類も破壊されていた。ダッシュボードに入れていたはずの消火器は、「鉄の皮」状態になり助手席に広がっていた。その時になり「車両用消火器が爆発した」と分かったという。
車主の女性によると、消火器は保険会社からもらったものだった。自動車保険とその他の保険で、高額かつ複数の契約をしたので、保険会社が「万一の場合のために」と消火器2本をプレゼントしてくれたという。女性はうち1本を、保険の対象となった乗用車に積んでいた。安全確保のための消火器が「まさか爆発するとは思いませんでした」という。
保険会社にすぐに連絡した。保険会社は、「きちんと弁償します」、「贈った消火器の残りの1本は引き取ります」と表明。その後、消火器を保険会社に納品した業者を通じて、メーカーと連絡して、製品爆発の処理を巡って協議を始めたという。
中国では工業製品が爆発し、責任の所在を巡って消費者と流通業者、メーカーが対立することがよくある。偽物や法律違反の劣悪品が爆発し、メーカーの所在が分からないこともある。本件爆発の場合、女性は保険会社の対応に、特に不満を示していない。
5月31日の琿春市は熱波に見舞われていた。同市消防署の劉徳生指導員は、「暑い時期に車内に車両用消火器を放置していた場合、爆発するのでしょうか?」との問いに対して「普通はしません」と答えた。例外として「暑い時期に車内に放置した別の物が爆発した場合に、誘爆することはあります」という。火災の場合にも、内部の圧力が上昇して爆発することがある。
また、車内で日光にさらされ続けるなどで、内部の温度が極めて高くなった場合にも、絶対に爆発しないとは言い切れない。なによりも考えねばならないのは「もともと、劣悪な商品だった」場合で、劉指導員は、消火器の爆発に遭遇しないためには「正規の工場で生産された消火器を買うことをお勧めします」と述べた。
同爆発で死傷者は出なかった。保険金支払いの対象になったかどうかは、伝えられていない。
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◆解説◆
中国における防災関連品の爆発としては、浙江省杭州市の公文書館で2011年、消火用ガスをつめた大型ガスボン40本が、次々に爆発した事例がある。公文書館内の厚い壁に人が通れるほどの大穴があき、室内にコンクリートの破片などが山積した。
自動車用品の爆発としては、キャブレター洗浄剤が爆発したことがある。製造時期を調べたところ「爆発した時点より未来の日付」だった。記載されていた生産者の電話番号は通じなかった。違法に製造された劣悪品だった。(編集担当:如月隼人) サーチナ 2014-06-07 12:45
Posted at 2018/08/02 17:48:50 | |
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