
永久凍土や海底の奥底に、埋蔵しているメタンハイドレートは、存在する規模やエネルギー密度の大きさから、未来を担うエネルギーになると期待を集めている。中国メディアの華夏能源網はこのほど、「メタンハイドレートの採掘技術を確立した者が、21世紀における世界のエネルギー市場を、牛耳ることができるとすら言われている」と報じた。
米国地質調査局によれば、メタンハイドレートの埋蔵量は天然ガスや原油、石炭など化石燃料の総埋蔵量の2倍以上と推定されているが、それだけがメタンハイドレートの魅力ではない。メタンハイドレートは、石炭の約10倍という高いエネルギー密度を持ち、1立方メートルのメタンハイドレートを常温のもとで溶かすと、約164立方メートルものメタンガスを発生させることができる。メタンガスは燃焼させても、二酸化炭素は少量しか発生せず、石油や石炭に比べてとても、クリーンなエネルギーだ。
経済産業省は2013年3月12日、愛知県と三重県の沖合の海底にある、「メタンハイドレート」からガスを取り出すことに成功したと発表、日本は海底にあるメタンハイドレートから、ガスを採取する技術を獲得した世界初の国になった。日本は18年を目処にメタンハイドレートの、商用化を目指す計画だ。
メタンハイドレートに興味を示しているのは、日本ばかりではなく、米国やドイツ、カナダ、インド、韓国なども採取技術の開発に向けて巨額の資金を投下している。日本を含め、メタンハイドレートを採取するうえでの課題は大きく分けて、環境への配慮と低コストでの採取の2つだ。
採取技術が不適当であった場合、二酸化炭素の約20倍の温室効果があるとも言われる、大量のメタンガスが放出されてしまうほか、メタンガスが海洋に放出された場合は、海中の酸素濃度が低下し、生物にとって脅威となる可能性もあるという。また、採取コストが高騰し、採算が合わなければ当然ながら商業化は不可能であり、ビジネスとしての前途も開けないことになる。
中国の、メタンハイドレートの研究・開発は、欧米諸国などに比べ、20年ほど遅れているという。記事は、「わが国はできるだけ早急に、メタンハイドレートを試験採取できる技術を確立し、世界の先端技術との差を埋めなければならない」とし、日本や米国の成功体験を参考にしたうえで、まずは地上での採取技術を確立したうえで、海底からの採取を目指すべきだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2014-04-14 06:25
Posted at 2018/08/11 16:55:32 | |
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