
高級避暑地として知られる、河北省秦皇島市のビーチリゾート「北戴河」では、毎年夏に共産党の最高指導部や、長老らが集まり、今後の政策や党人事を話し合う、非公式の重要会議、『 北戴河会議 』が開催されている。非公式ながら、党の要人が会談することによって、特に人事面において重要な変更のきっかけになることもあり、毎年、その会議の内容が注目されている。今年は、米国との貿易摩擦が、エスカレートする中での開催とあって、海外メディアも含めて、会議の様子に注目を強めている。
北戴河会議については、近年は習近平国家主席への権力の集中が進み、会議の形骸化も言われていた。2015年には「習主席が会議の開催に、反対している」と報じられた経緯もあり、習近平体制が確立されることに伴って、長老の意見が政権に与える影響は、限られてくるという見方だった。しかし、今年は通例では同会議について、伝えることがない国営の新華社通信が、同会議の開始を示唆するニュースを、報じるという異例の対応をしている。米国との貿易摩擦の激化、中国経済の減速などについて、「江沢民氏」、「胡錦濤氏」の両国家主席経験者や、元首相の「李鵬氏」という長老らが、現役指導部に不満をぶつける可能性があるのではないかと、にわかに注目されている。
米国との貿易摩擦の関係では8月7日、中国共産党機関紙の人民日報(海外版)が、米国を代表する企業、アップルに対して海外メディアの報道を引用する格好で、「近年、中国市場における売り上げデータが、アップルの業績を支える重要なカギを握っている」と指摘したうえで、「米国に対抗する報復関税には、中国製のアップル製品は含まれていないが、米国は中国からの全ての輸入品に関税を課すと脅かしており、その際にアップル製品が影響を受けないわけがない」と警告した。
また、9日には、「国内ブランドのスマートフォンの品質はアップルに匹敵し、価格ははるかに安い。貿易戦争そのものと貿易戦争による、中国企業の利益の損害に対する怒りによって、数千万のスマートフォンユーザーが、Houwei、ZTE、Xiaomiを選ぶことは止められない」と重ねて伝え、中国において、アップル製品の不買運動が起きかねないとしている。
トランプ米政権はこれまでに、500億米ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すことを決定。さらに2000億米ドル相当の中国製品に、25%の追加関税を課すと警告している。中国商務部の報道官は貿易問題に関して、「“量的”措置だけでなく、“質的”措置も総合的に採用する」と述べていることもあり、米国の関税強化に対しては、それに相当する対抗措置を、断固として実施していく方針だ。(写真は、秦皇島市北戴河区。写真提供:123RF) サーチナ 2018-08-11 11:12
Posted at 2018/08/12 07:21:27 | |
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