
北京市郊外の高碑店にある、華能北京発電所の2号ユニットで13日、爆発事故が発生した。避難後に、驚きのあまり泣き出した、発電所従業員も多かったという。同発電所は先進的な設備を備えている。北京市消防当局は、「正常に運転していたが、冷却材の水素と油により爆発した」と発表した。発電所関係者は、「爆発ではなくて出火」と説明した。北京晩報道などが報じた。
華能北京発電所は、高効率・環境低負荷の新式の発電所として、1999年に操業を開始した。北京市の電力の約10%を供給し、さらに蒸気や地域暖房用の温水も大量に供給してきた。操業開始にともない、北京市は旧式で小型の地域暖房用ボイラー、200カ所を撤廃できたなど、同発電所は大気汚染の緩和に大いに役立ったとされる。発電効率もよく、省資源の面の貢献も評価された。
事故発生は、午後2時50分ごろだった。2号ユニットが収められていた建物の、金属製の屋上部分が上に向って突然膨らみ、裂けた。屋上以外の場所からも、建物全体から煙が噴き出した。黒煙の中からは、機械類などの残骸と思われるものがばらばらと落下した。その後、屋上の広い部分が陥没した。大量の黒煙はゆっくりと立ち上り、風にたなびいていった。
近くの建物にいた人は、「最初に『ガーン!』という音がしました。驚いて、家から飛び出しました。」、「発電所の建物の1つから、煙が噴き出しましたその後、煙は高く上っていきました」などと述べた。大量に出た黒煙は、十数キロメートル離れた場所からもよく見えた。インターネットに「数百メートル、立ち上った」と書き込んだ人もいる。
近くの建物にいた、従業員はただちに避難したが、工場敷地内にも黒煙が立ち込めていた。安全と思われる場所にたどりついたとたん、「足から力が抜けてしまいました。男たちが何人も、年齢に関係なく驚きのあまり泣き出しました。私もです」と話した従業員もいる。
メディアからの問い合わせに対し、同発電所を運営する華能集団の関係者は、「爆発ではなくて火災」、「2号ユニットから出火し、可燃物が燃えだした」と説明した。
北京市消防当局は、「正常に運転していたが、冷却材の水素と油により爆発した」、「瞬間的に高温になったため、燃料油、ペンキ、ケーブルなどに引火した」、「事故であり(通常の)火災ではない」との見方を示した。
同発電所のタービン発電機は、水素を冷却材として用いられていた。水素を使った場合には冷却効果が高い、絶縁力が高い、酸化などによる部品の劣化が少ないなどの利点がある。一方で、可燃性ガスである水素を完全に封入し、発電機を収める容器は万一の爆発にも耐えられる構造にせねばならない。
また、水素と空気中の酸素が混じると、きわめて爆発しやすい状態になるため、ユニットの点検時にも気圧の2倍以上の圧力で封入している、水素をまず不燃性の二酸化炭素で置き換えてから、さらに空気で置き換えるなどの手順が必要になる。
今のところ、同発電所の構造や各種作業の手順などに、どのような問題があったのかは不明。同発電所では4基あるユニットの運転をすべて停止したが、北京市における電力や熱の供給には支障が出ていないという。
火災は午後3時半ごろまでに消し止められた。消防によると、同爆発で死傷者は出なかった。(編集担当:如月隼人)(写真は騰訊新聞網が報じた14日付動画ニュースのキャプチャー) サーチナ 2015-03-14 21:31
Posted at 2018/08/13 18:18:28 | |
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