
2014年9月。
Canon EOS 7D MarkⅡの概要が発表されました。
「10コマ/秒!?」
「すげー!なんかすげー!!」
「欲しー!!!」 ・・・と思ったものでした。
近頃、カメラ選びに悩み悶えているメガーヌオーナーの方もちらほら(^^)
私も次のターゲットEOS 7D MarkⅡをどうするか考えるきっかけになりました。
現在、私の所有一眼レフは、
Canon EOS 5D MarkⅢ (フルサイズ機)
Canon EOS 60D (APS-C機)
フルサイズとAPS-Cの2台体制です。
コンデジに不満を感じて60Dを購入。画質の向上に感動しつつ写真を撮る面白さを知りました。段々、暗いところでの画質に物足りなさを感じ始めて、フルサイズの5D MarkⅢにステップアップ。
これに加えて、流し撮りマシンとして
Canon EOS 7D MarkⅡを企んでいました。
しかし、
「なんかすげー!!欲しー!!!」で、17諭吉を放出してよいものか!?
ふと、我に返ったのであります。
すでに高性能な5D MarkⅢがあるのに、7D MarkⅡがないといけないのだろうか?
流し撮りにおける7D MarkⅡの機能を5D MarkⅢと比較して考えてみることにしました。
(実際に撮影はしていないので、スペックやプロカメラマンのレポートを参考にしています。また、あくまで当ブログはアマチュアの書いたものとご承知おきくださいませ。)
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画質
60Dに5D MarkⅢを買い増した結果、APS-Cとフルサイズの差に驚いたものでした。
夜間の高感度撮影だけでなく、明るい場所での写真も60D(APS-C)との差は歴然。
大きめのディスプレイで見てみると、細かい部分の解像度がまったく違います。
7D MarkⅡも60Dより進歩していますので、画質向上しているはずです。
画像処理エンジン
60D
:DIGIC 4
7D MarkⅡ :デュアルDIGIC 6
5D MarkⅢ :DIGIC 5+
最新である7D MarkⅡは最新画像処理エンジンを2つ搭載していますが、APS-Cとフルサイズは撮像素子の大きさの差が大きく、
画質は5D MarkⅢには及ばないようです。
ただし、被写体以外はブレさせる流し撮りの場合は、画質(解像度)はあまり気にしなくてもいい気がします。
画質についての考察
流し撮りの場合、7D MarkⅡが5D MarkⅢより大きく劣るということはない。
ただし、風景や人物を撮る場合はフルサイズに軍配が上がる。愛車撮影もフルサイズが○
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オートフォーカス
7D MarkⅡは
「高速連写・AF性能を追求したAPS-Cフラッグシップ機」と謳われており、色々なジャンルの動体撮影が可能と大々的にアピールしています。
動体撮影の場合、CanonではAIサーボAFと呼ばれる動体追従のAFモードが適していると思います。
さらに、7D MarkⅡは被写体に応じて、
AIサーボAFの設定を変えることができます。
被写体にどこまで追従するのか(粘って追従し続けるのか、新たな動体に素早く移るのか)、
速度変化にどれだけ対応するか、などのパラメーターを変えることができます。
これらのパラメーターを被写体によってCase 1~6まで体系化されたガイド機能も付いています。
Case 2は障害物が入って見えなくなることがある被写体に適しています。
たとえば、バタフライを泳ぐスイマーを正面から撮る場合など。
Case 4は急加速・急減速する被写体に適しています。
たとえば、バスケットの選手、サーキットを走る車もCase 4がよさそうです。
このように被写体に合わせて細かい設定が可能です。
しかし、
5D MarkⅢにもこの機能は搭載されています。
もう1つの重要な点は、AFポイントについてです。ピントを合わせられる場所であり、多ければ構図の自由度が増します。
7D MarkⅡは、
65点とかなり多くのAFポイントがあります。(60Dは9点)
5D MarkⅢもAFポイントは
61点あり、数は
7D MarkⅡと同等です。
違いは
AFポイントがカバーする範囲の広さ。
7D MarkⅡのほうがより広い範囲にAFポイントがあります。車をかなり端に寄せた構図ではピントが合いやすくなるんでしょうか。
他にもF2.8クラスの明るいレンズで絞り解放にしたときでも高精度のピント合わせができるAFポイント(水色の×印)の数に違いがあり、これは5D MarkⅢのほうが数が多いです。
ただし、流し撮りでは通常絞って撮るのでここでは割愛します。
オートフォーカスについての考察
7D MarkⅡは65点のAFポイントをもち、動体に対して細かい設定が可能で流し撮りには有利だと考えられるが、5D MarkⅢもけっしてひけは取らない。
被写体を思いっきり端に寄せた構図では7D MarkⅡが有利かもしれない。
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望遠効果
APS-Cの最大の特長はこれでしょう。フルサイズより撮像素子が小さいためフルサイズより写る範囲が狭くなり、同じ焦点距離のレンズでも見かけ上ズームアップしたような画像が撮れます。
Canonの場合は、APS-C機だと1.6倍の焦点距離に相当する画像が撮れます。
つまり、7D MarkⅡに200 mmの焦点距離のレンズを付けると、320 mmに相当する画像が撮れます。
一般的にレンズは焦点距離が長くなると、
デカく、重く、値段が高くなります。
APS-Cでは小さくて、軽くて、お値段も手ごろなレンズでフルサイズ+望遠Lレンズ(デカい・重い・高い)と同等の画角の画像が撮れるのです。
軽量化とコストダウンできるのがAPS-Cの最大のメリットと言えるでしょう。
では、サーキットで流し撮りをする場合、どのくらいの焦点距離が必要でしょうか。
それは、どこのサーキットのどの場所で撮るか、どのような構図で撮るかで変わってきます。
先日撮った筑波サーキットでの写真です。

Canon EOS 5D MarkⅢ + Canon EF 70-200mm F4L IS USM
焦点距離:
150 mm (最終コーナー付近)
小さいサーキットでは、70-200mmのズームレンズがあれば5D MarkⅢで車をこのくらいの大きさで撮れます。
富士スピードウェイのような大きいサーキットでは、

Canon EOS 5D MarkⅢ+ Sigma APO 150-500 mm F5-6.3DG OS HSM
焦点距離:
267 mm (プリウスコーナー付近)
200 mmのレンズでは少々足りなくなってきます。
鈴鹿サーキットでも場所によっては、200 mmのレンズでもOK。

Canon EOS 5D MarkⅢ+ Sigma APO 150-500 mm F5-6.3DG OS HSM
焦点距離:
150 mm (ヘアピン付近)
ただし、画角いっぱいに車を撮りたい場合は、

Canon EOS 5D MarkⅢ+ Sigma APO 150-500 mm F5-6.3DG OS HSM
焦点距離:
500 mm (鈴鹿サーキット・ヘアピン)

Canon EOS 60D + Sigma APO 150-500 mm F5-6.3DG OS HSM
焦点距離:500 mm → 35 mm換算焦点距離:
800 mm (FSW・アドバンコーナー)
画角いっぱいに車を収めたい場合以外は、200 mm前後の焦点距離が必要なようです。
場所によっては、5D MarkⅢと70-200mmのレンズでは少し足りないこともありそうです。これに対して、7D MarkⅡは同じレンズでも画角に不満を感じることは少なそうです。
でも、個人的には
多少のトリミングはOKだと思っています。
望遠効果についての考察
APS-C機の望遠効果はメリットが大きい。7D MarkⅡと70-200mmのズームレンズはサーキットでの流し撮りにいい組み合わせだと思えるが、5D MarkⅢでもトリミングである程度対応可能。
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高速連写
7D MarkⅡの連続撮影は、最高
10コマ/秒です。5D MarkⅢは最高
6コマ/秒。
実際に触れてみると、4コマの差はずいぶん速さの違いを感じます。
この写真は5D MarkⅢで連写して多重露出(比較明合成)したものです。シャッター速度は1/640秒。
7D MarkⅡで同じような撮影をすると、もう少しピッチングフォームを細かく分解できそうです。
では、流し撮りをするときはどうでしょうか。
シャッター速度が遅くなると連写コマ数は減っていきます。資料が見つからないのではっきりと覚えておりませんが、流し撮りのときのようなスローシャッターでは10コマ/秒にはなりません。
たとえば、シャッタースピードが1/30秒の場合、7D MarkⅡが何コマ/秒になって、5D MarkⅢが何コマ/秒になるかは分かりませんけど、流し撮りのときには10コマ/秒の高速連写の恩恵は受けられないかもしれません。
高速連写についての考察
10コマ/秒の高速連写ならではの写真もある。ただし、流し撮りのときは5D MarkⅢとの差は縮まってしまいそう。
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重さ
7D MarkⅡ:
910 g
5D MarkⅢ:
950 g
重さについての考察
なかなかの重さであり、5D MarkⅢと比べて軽量化はできない。
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バッテリー
7D MarkⅡは非エコカメラで
電費は悪く、予備バッテリーが必須だそうです。
5D MarkⅢと60Dに付属していたバッテリー(LP-E6)とも互換性があるので共用可能。
バッテリーについての考察
高性能AFと引き換えにバッテリー消費は激しい。予備バッテリーは必須だが、5D MarkⅢのバッテリーと共用できる。
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フリッカーレス撮影
蛍光灯のような人工光源下では人間では認識できない程度のちらつき(フリッカー)があります。
速いシャッタースピードで高速連写していると、偶然蛍光灯が暗くなった一瞬にシャッターを切るタイミングが合ってしまい暗い写真になってしまうことがあります。
7D MarkⅡは、このフリッカーを検知してシャッターを切るタイミングをカメラがずらしてくれます。ただし、フリッカーレス撮影時は連続撮影速度はやや遅くなるとのこと。
フリッカーレス撮影についての考察
室内競技の選手を撮影するとき、あるいはモーターショーでの尾根遺産撮影に有効。5D MarkⅢではフリッカーレス撮影はできない。でも、アマチュアレベルなら撮りまくってカバーする手もある。サーキットでの流し撮りなら心配なし。
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耐久性
7D MarkⅡ:
20万ショット
5D MarkⅢ:
15万ショット
シャッター耐久回数は7D MarkⅡが上。このシャッター回数を超えるとどうなるのかは知りませんが、私の5D MarkⅢは買ってから2年数か月でシャッター回数2万回弱。中古で買ったのでもうちょっといっているでしょうが、15万回まではしばらく先。
撮影枚数が多くなる流し撮りを7D MarkⅡに任せて役割分担すれば、カメラボディの寿命を延ばせますが、過走行ならぬ過撮影ではないのでそのために買い増しする必要があるかどうかは???
耐久性についての考察
7D MarkⅡの耐久性は優秀。ただし、使用中の5D MarkⅢのシャッター耐久回数もしばらく先なので、それほど心配はいらない。
以上、いくつかの項目で7D MarkⅡの性能を私なりに考えてみました。動きモノをメインの撮影対象と考えているなら、使いこなしにある程度の知識は必要であるものの、撮り手の期待に応えてくれる優秀なカメラだと思います。
撮影を重ねて腕が上がってきても、ボディ買い直しの必要はないんじゃないでしょうか。
ただし、レンズ沼に引き込まれる危険性はおおいにあります(^^;)
これに
EF 70-200mm F4L IS USM、
重さと値段が気にならないなら
EF 70-200mm F2.8L IS Ⅱ USMを装着すれば、車の流し撮りには◎(^^)
さらにEF 100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USMがあれば、大写しにも対応可能(^^)
ただし、
EOS 5D MarkⅢがあれば7D MarkⅡを併用する必要はないような気がしてきました(^^;)
5D MarkⅢも非常にいいカメラなので、7D MarkⅡを併用しただけで流し撮り写真がよくなるとも思えないのです。
せっかくの5D MarkⅢで修行に励めよ、ということデス。
当分の間、流し撮りは
Canon EOS 5D MarkⅢ + EF 70-200mm F4L IS USMの組み合わせで頑張ります!!
浮いた17諭吉は広角レンズ
EF 16-35mm F4L IS USMに回そうかと。
(流し撮りには関係ないけど、フルサイズでの風景撮りには必要なんです。)
ついでにこんな黄色いの↓も愛車に導入しちゃう?(^^)
17諭吉をオーバーしてしまう・・・