
ストックホルム編は
コチラ。
ストックホルムの観光を終えて、ストックホルム中央駅に向かいます。
次の移動は電車です。
行き先は
北極圏。
なんとなくの響きだけで行ってみたかった北極圏。行くだけなら飛行機に乗ってしまえば簡単です。
でも、それじゃあ情緒がないでしょうってことで鉄道で北極圏へ突入することにします。
ストックホルムからノルウェーの北極圏の街ナルヴィーク(Narvik)まで
ノールランストーグ(Norrlandståg)という国際夜行電車が走っています。
もともとはスウェーデンのキールナ(Kirna)で採れた鉄鉱石を不凍港のあるナルヴィークまで運ぶために開通した鉄道です。
北極圏に入ってからの景色が素晴らしく、周辺の地名からオーフォート鉄道という名前で親しまれてきました。
北欧最北の駅として知られるノルウェーのナルヴィークには、鉄道ではスウェーデンからしか行けません。
今回、フィヨルドに行きたかったのにオスロ行の航空券ではなくストックホルム行の航空券を入手したのは、このノールランストーグで北極圏入りを果たすためだったんです。
ノールランストーグが発車する4番線に向かうと、すでに列車はホームに着いていました。
ナルヴィークまでは
1600 km、
19時間の長旅です。
ナルヴィークに着いたら、バスでさらに北へ4時間トロムソ(Tromsø)へ行きます。
車両は座席か2等寝台のいずれか。寝台のチケットを予約しました。ナルヴィークまで1096 SEK。座席のほうが安かったと思いますが、19時間は・・・地獄ですね・・・
チケットは事前に
スウェーデン国鉄HPで購入していました。
メールで送られてくるPDFファイルをプリントアウトしておけばOKです。
寝台の下段や上段の希望も入力できるので、自分で手配するのも簡単です。
寝台はこんな感じ。定員3人のコンパートメントで、洗面台も付いています。
定刻の17時29分、動き出したのに気付かないほど滑らかに発車。ロケットスタートのストックホルム地下鉄とは対照的です。
駅を出ると間もなく森の中を走り続けます。
景色を見たり、本を読んだり、音楽を聴いていたり、PCで撮った写真の調整をしていたり、寝台車なのでゴロゴロしていたり。
思っていたより早く時間が過ぎていきます。
9時過ぎには暗くなってきました。曇っていて星空は望めませんでした。
そろそろ寝床の用意をしましょうか。
背もたれ部分を
持ち上げると丸められた布団が出てきます。
出てきた布団を敷いてできあがり(^^) 枕は上段の寝台に置いてありました。
ヘッドレストの赤い部分は中段の寝台部分、3人目がいる場合はさらにここを倒します。
ちょっと掛布団が短かったですけど、やはり横になれるというのは大違い。ゆっくり休めました(^^)
明け方に目を覚まして外を見ると、なんだか白い!?
雪積もってる!? それもうっすらじゃなくってたっぷりと!!
割と春気分で来てしまったけど、まだ冬か!? ダウンジャケットをもってきてよかった(^^;)
まだ北極圏に入っていないのにこれか~、さらに北に行ったらもっとすごいことになるのか!?
ちょっと不安になってきました・・・
6時ごろ、ボーデン(Boden)という駅に着きました。
この電車はナルヴィーク行きの列車とルーレオ(Luleå)行きの列車が連結していて、ボードーで分岐します。
列車が前進したり後退していたので、車両の切り離しをしていたんでしょう。
ボーデンまで来たら北極圏ももうすぐ。地図を見ると7時~8時の間には北極圏に入りそうです。
北極圏の境界線、北緯66.33°地点には看板があるらしいので写真に納めようとカメラを用意していました。
しかし、アナウンスも特にないし、大幅にスピードを緩めることもなく、3枚の
看板が過ぎ去っていくのが見えました(>_<)
そのうちの1枚には、「
Arctic Circle (北極圏)」と書いてあるのが見えました・・・ あとの2枚はスウェーデン語と他の言語でしょう。
残念ながら北極圏到達の瞬間を記録することはできませんでしたが、
北極圏っつーヤツに足を踏み入れました!!
時刻は7時30分くらいでした。
北極圏に入ったからといって、景色が激変することはなく白い世界が続きます。
やがて列車は今までとは少し違った景色のところを通っていきます。
ここがキールナで、鉄鉱石採掘現場が見えています。
ここまで来たら、19時間の長旅も終わりが見えてきます。
スキー場や氷に覆われた岩山を見ているうちにスウェーデン・ノルウェー国境を越えたんでしょう。
定刻の12時29分より若干早くノールランストーグ、終着駅のナルヴィークに到着。
19時間も同じ乗り物に乗り続けるなんてなかったのでどうなることかと思っていましたが、とても快適で疲れもまったくありませんでした。
手続きもまったくないので実感はありませんが、無事にノルウェーに入国しました。
心配していた雪もそれほどではなく、スニーカーでもまったく問題ありません。
(ビビッて電車内でトレッキングシューズに履き替えていましたが・・・)
さて、これで終わりではなく、今度は長距離バスで北へ250 kmのトロムソまで行きます。
バスの時間は12時50分発、15時20分発、18時45分発です。
15時20分に乗るだろうと計画を立てていましたが、早くトロムソに着いてしまいたいので何とか12時50分発に乗りたい!!
バスのダイヤをネットで調べると、駅から徒歩3分でバスに乗るとある!?
バスターミナルの場所は事前に調べておきましたが、3分で行けるとは思えない。
よく分からないけど、とりあえずバスターミナルがあるAMFIというショッピングセンターに向かいます。
途中バス停マークがありましたが、明らかにターミナルではないので通過。
看板の向こうに見えるのがAMFIです。
日曜日はAMFIが閉まっているので外階段を下りるという事前情報のとおりに階段を下りるとバスを発見!!
12時50分発に間に合いました。チケット売り場はなさそうなので運転手から直接チケットを購入します。(390 NOK) (1 NOK=¥15.87)
発車後、先ほど通過したバス停で停まりました。ここからでも乗れたようです。
ナルヴィークからトロムソまでバスで約4時間半。
車内でWi-Fiにつながることに驚きながら、このバス路線も素晴らしい景色で飽きさせません。
ほぼ24時間の移動でしたが、疲れることもなく無事にトロムソに到着。
アムンゼン像が迎えてくれます。
ここトロムソの
北緯は69.65°、昭和基地は南緯69.00°です。
南半球だったら南極大陸に上陸しちゃってるくらいなんだ~。
翌朝は朝から雪混じりの雨(>_<)
それでも、せっかく北極圏まで来たし街中を散策しました。
今の時期はオーロラは見えない、白夜でもないというちょっと中途半端な時期なせいか、観光客は少なめな印象でした。
気温は予報によると最高気温2 ℃、バンコクとは気温差30 ℃です(^^;)
なにやら音楽隊が行進しています。とりあえずついて行ってみます。広場に着いたら勝手に解散していきました。何の行進だったかはよく分かりません・・・
橋の上から見たトロムソの街です。
天気もよくなりそうにないし、濡れちゃったし、少し早めに空港に行きます。
次はフィヨルド観光のためベルゲンに向かいます。
行き先のベルゲンからトロムソに向かって来る飛行機を発見しました。ヴィデロー航空WF618便。
このWF618便が搭乗予定のWF619便になるようです。
WF618便はトロムソに定刻に到着しそうです。ということは搭乗予定の便の遅延はなさそう。
それから機体はボンバルディアのプロペラ機か。
ということは・・・
ボンバルディアのプロペラ機
↓
ボーディングブリッジを使わない
↓
今、雨が降っている
↓
歩いて搭乗
↓
雨で濡れる・・・
インターネットやスマートフォンの発展により本当に旅行しやすくなりました。
情報を早く簡単に入手できるようになっています。いい情報もよくない情報も。
よくない情報だったとしても、早く知ることができれば対処法を考える時間も取れます。
おかげで珍道中になりにくくなったと思います。でも、それは旅の思い出としてはいいことなのか!?
フィヨルドに行くときは晴れてほしい!!と念じながらベルゲン行の飛行機に乗り込みました。
フィヨルド編へ続く。