
本日、GROM 1000km初回点検に行ってきました。この1000km走行して感じたことなどインプレッションをしてみたいと思います。
まず、店出て5秒で気になったのは、左右でミラーの写りが違う!(いきなりそこ?)
最初はなんだか左側の向きが合わないなと思って信号待ちの時にずらしてみたのだがなんともしっくりこない。どう合わせようとしてもなんか変。
どうも、右は平面ミラー、左は広角ミラーとなっているようだ。ときどきこのような車種があるのだが、私にはクレイジーだとしか思えない。私は広角ミラー嫌いなんで両方平面にして欲しいところだが、距離感がわかるレベルであれば凸面鏡でもいいので左右揃えてくれ! そのうち変えたいところだが、差し当たって乗れないほどのものではない。
それ以前にもう一つあった。ウィンカースイッチの位置だ。通常ウィンカースイッチがある部分にでっかいホーンボタンがあるのだ。こんなにデカイの要るか?ってサイズ。ええ。いきなり押しましたよ。道路に出てすぐ。納車後、数kmほど離れた場所へ行ったのだが、その間に5回は鳴らしたよ。
わりと最近のホンダ車はこのレイアウトになったというのは知っていたが、こんな操作感だったとは・・・なぜにこんなことになっちゃってるのか? まぁアジア圏ではウィンカーよりホーンの方が優先度が高いのか? ちなみに1000km走った今でもこの方が理にかなっているとは到底思えない。慣れはしたが一生しっくりはこないだろう。 バイク屋さん曰く、レンタルバイクでホンダ車を借りられた方が店出てすぐによく鳴らすらしいです。もう、あるあるネタなんですね。
さらに、ヘッドライトのLO/HI切り替えもちょっと位置が上すぎる気がする。それもこれもホーンボタンがデカすぎるせいだ。
次に、各部の動きであるが、さすがに価格帯の安い商品だけあってコストのかかっていない感が各所に現れてしまっている。価格対パフォーマンスで見たらそんなに悪くないかもしれないが・・・
まずは足回り。フロントフォークの動きは少し渋い。まだ当たりがついていないということもあるとは思うが、滑らかさが足りずぎこちないというかガサツな印象。
リアは、よく言えばしっかりしてるなんですが、硬いです。初代から綿々と「棒がついてるよう」と言われているらしいですが、しっかり引き継いでます(笑)
最初はフロントが柔らかすぎるのかと思ったが、重さが軽いことと伸びのストロークを考えるとこれくらいでないと、、と考えるとリアが硬すぎるということも間違いなさそう。調整して云々という代物でもなさそうなくらいチャチなんで、余裕があれば変えたくなる。
続いてシフトフィール。なんだか節度がない。入ったんだか入ってないんだか・・カチッと入った感がない。カワサキ的なガチャコンって感じに入る方が好みなんで。なんだか押しごたえのないボタンみたいな・・・スマホ世代にはこの方がウケがいいのだろうか(絶対違う)
ニュートラルがわかりにくい。なんか、2→N→謎の空間→1みたいな。・・・だったが、これに関してはオイル交換後に改善したので初期のアタリかオイル性能か、ともかく個体差レベルかもしれない。
ハンドルロックもなんだか動きが滑らかではなく引っ掛かりがあるような独特のクセがある。潤滑や調整でなんとかなると思うので時間があれば見てみよう。優先順位的には「どうでもいい」レベルだし。
メーターは今どきメーターである。
タコメーターがある!燃料計がある!ツイントリップに平均燃費計まで!さらにギアポジションまである!
ただ、表示切り替えやトリップ操作のボタンがめちゃ押しにくい。メーター本体上にゴム接点、上に大きなゴムカバーなんでコスト的には合理的だと思いますけどね。
個人的には燃費表示の[L/100km]が選択できるのが◎。実はどうにも[km/L]ってしっくりこないんですよねぇ。
ちなみに燃費は想像の遥か上をいく鬼燃費である。
最初は慣らし運転ということで、バイク屋さん曰く「ジェントルに走ってね」ってことだったので、5000 rpm程度までとか6000 rpm程度までとか少しずつ増やしていったり、ガッツリ操作しないようにしたりとかで走っていた。その間、平均燃費表示は1.1〜1.2 L/100kmを示していた。が、内心(なんてお花畑な😜いくらなんでも盛りすぎやろ)と信用していなかったw
納車後最初に満タンにした後、次に給油したのは420km後である。まるで乗用車のようだ! そして、入った量が5.5Lであった! たしかにメーターの平均燃費表示は[1.2 L/100km]だったのに対し、実測1.3 L/100kmである。普通の誤差やん。
ちなみに余談ですが
1.1 L/100km → 90.9 km/L
1.2 L/100km → 83.3 km/L
1.3 L/100km → 76.9 km/L
1.4 L/100km → 71.4 km/L
という具合なので、1.2 L/100kmと1.1 L/100kmでは100km走行時の燃料消費量がコップ半分程度違うだけだが、「リッター7kmも違う」とも言う。[km/L]だと消費量の違いが線形に出ないんですよね。たぶんそれがしっくりこないんだと思う。
表示のデザインやレイアウトは見やすくていいかと思います。必要以上に凝らずにかと言って質素にもならないような。バックライトもほんのりホワイトでGOOD。キーオフ時にパッと消えるんじゃなくて徐々にトーンダウンするように消えるなど、メーターだけは細部までちゃんと作ってある。部品代はケチってもソフトでなんとでもなる部分はちゃんと作ってあるっていうことだろうか? だとすると、なんだか昔からのホンダのイメージと真逆だなぁ。
もうひとつ。タイヤ。クソタイヤである。
どうやらGROMの新車装着タイヤとしてはタイのメーカーVeeRubberと日本メーカーIRC、どちらもタイ製のどちらかがランダムに選ばれるようだが、私のものはIRCだった。これが、ドライ路面の比較的荒れていない道路なら特に問題ないが(こんなんで問題があったら話にならん)、少しでもウエットになったり荒れてたりすると全然グリップしない。
特にひどいのが縦溝(グルービング)の入っている道路。あれ、二輪車だと大なり小なり不安定になり怖いですが、それが半端じゃない。タイヤが細めでセンターにグルーブのあるものだと酷く出る印象ですが、小径でも弱いのかな?
たぶん、コンパウンドが硬すぎるんだと思います。日本の環境には合わないと思うが、東南アジアとくに生産国のタイなどではこれくらいが合うのだろうか?
でも、車やバイクの新車装着タイヤは、家電製品の同梱電池と同じだと思っている。そこに力を入れているごく一部の製品を除き、動作確認用のテスト品だと認識しよう! なので、テスト品にコストをかけないものを装着し、不満ないならそのまま使えばいいよというのは、安い価格帯の製品なら間違っていないと思うのだ。なので、安いのならクソタイヤで良いのだ。その分、変えたければユーザーが好みのものを選んだ方がお互いハッピーだ。そして、今は中古の流通ルートも整っているのでタイヤ減ったから純正タイヤを外して売られたものを買って取り付けるって人もいるし。
さて。さんざんネガティブなことばかり書いた。たぶんこれくらいだろう。残りは全てポジティブなことだ。
そもそも、希望通り、期待通りに動作しているものって良いも悪いも思わないものだ。気づきもしないのだ。それが最も素晴らしいものなのだ。そう、なければ生きていけないのになんとも思わないし考えることすらない空気のようなものだ。
なぁんて言っては元も子もない。書かないと可哀想だ。
エンジンは素晴らしい。素晴らしすぎると言ってもいいかもしれない。
回転数至上主義の方にはダメかもしれないが、今やそんな一点だけ取り上げてダメ出しするのは流行らない。スペック的にはスーパーカブ110系のエンジンと思われる、125ccとしては超ロングストロークである。それゆえにか、レッドゾーンは8250rpmあたりとなっており、125ccとしては高くないというか低めである。しかしだ。超ロングストローク(65mm)なんでストロークを加味してショートストロークエンジンと比較してみた場合、レッドゾーン時のピストンスピードでストロークをショートストローク(50mm程度)として捉えると10000rpmを超える回転数という換算になり、決して低い数字ではない。
ただ、上の方がきれいに回るかというとそれは難しそうな印象。まだこれからの領域です。。
出足から余裕を感じるトルクがあります。そして、滑らかさが抜群。使える範囲が広い。街中等では速度が落ちても2000rpmあたりからでもシフトダウンしなくても行けてしまう。さすがに2000rpmだと多少デリケートだけど、3000くらいなら無問題。
全体的には3000〜4000rpmあたりに少し重さを感じる領域があるけど、マシンの軽さもありストレス感じることはない。上の方は7500rpmくらいからかな、急速に力尽きる感がある。ロングストロークとギア比の関係もあってそのような領域はあまり出番はないと思いますが。
そういう意味で、昔ながらのエンジン回転上げてなんぼではなく、実に今どきのダウンスピーディングエンジン。エンジントルクとトランスミッションで速度を上げていくのです。
ミッションは、上記に書いた通りフィーリングはイマイチだが、ミッション自体の出来は良いと思います。5速、いいです。よく練られたギア比だなと感じます。ワイドすぎずクロスすぎない。適切にギアを選ぶと気持ちよく応えてくれるので上手に操れた感を得られます。これってとっても重要なことだと思います。
フレーム。
普通に乗る分にはほとんど気にすることはない。これが気になるようならだいぶ出来が悪いマシンである。今の時代なら。昔はある程度スピード出したり相性の悪いタイヤ履いたり(タイヤが勝ちすぎてるとか)すると踊っちゃうようなものもあったけど。
GROMは程よい感じかと思います。ガチのスポーツモデルじゃないので、あんまり剛性感ありすぎなのも疲れますんでね。何事も緩い部分は適度に緩くないといけませんが、緩すぎるのはもっといけませんよね。リアサスが硬いのだけは残念ですが、全体的には◎なんです。タイヤを変えるだけでも良い方向にいくかなぁ。。
シート。
フラットな形状が◎。ポジションの自由度がかなり高くてラクだし楽しい。私、少し後ろ目に座るのが好みなんで、このサイズ感もあり、ほぼタンデムベルト上に座ってます(笑) たぶん、2代目GROMのシートだと地獄な気がする⁉️
硬さは許容範囲の柔らかい方ギリギリくらいかな。ただし、私体重が軽いので硬いのは苦にならない一方、腰が弱いので柔らかいシートだと苦痛という、基準にしたらダメな人です😅
乗ってて楽しい。昔ながらの出来の悪いガサツなやつを手懐けるような操っている感とは違う、今どきのポテンシャルを引き出しているような操っている感がある。
マシン任せで運転者が操作すること、考えることから遠ざかっていくような、そんな車種が(特に四輪で)増えてきているが、うまく作れば、自然と楽しく快適に操れる=運転者が自ら主体的に操ろうと自然と思う、それが電子制御や先進安全のあるべき姿の一つなんじゃないだろうか、そんなこともふと思わせてくれる、そんな感じ。
目新しい手段を採用する、ではなく、今あるものをじっくり煮詰める。感性で気持ちいいと思わせるものを作ることで自然と楽しく「運転するということ」に対して取り組むことができる。それも、真面目にコンつめて向かい合うのではなく無意識のうちにやれてたりする。メーカーにはそういうものづくりをして欲しい。
その意味では、ホンダはこのGROMで実にいいものづくりをしていると感じた。
ネガなこといっぱい書いたけど、私はこのGROMが気に入ったのだ🍀🍏🍒