何とも美しい飛行機を見て来ました。
零式艦上戦闘機52型
所沢の航空公園に来日している機体です。
みんカラでも沢山の人達が、この零戦を見に行ったレポートを上げていますね。
遅ればせながら
私もこの目で本日見ることができました。
上野の科学博物館に展示してる残骸ではなく、
実際に空を飛ぶ事が出来る零戦を目にするのは勿論私は初めてです。
きっと
製造業に携わっている人達のお子さん達も、日々
親御さんが携わった製品を見て、心の何処かで何かを感じる事も有るのでは?と思います。
でも、
祖父の代で製造業から離れてしまった我が家の家系では(バァサンは女だから興味が無いって公言してるしね(^^;))、孫である私が
70年も時間が経過してから祖父が携わった「製品」を目にする事になった訳で、
何とも言えない感慨を感じました。
何しろ
オリジナル状態で飛べる零戦は世界に一機しか残ってないんですから、
もう肉眼で目にすることも出来ないかもしれませんし。
そんな訳で、
どうしても見ておきたかったんです。
所沢航空発祥記念館に着いて、MPVの中でお弁当を食べ、準備万端で入場。
ヘリコプターやジェット機で騒ぐ子供たちを尻目に、殆ど何も見ずに
零戦の展示スペースに直行しました。
最初に見て、
「おおおおおぉ!」
と、
実際に目の前に零戦が在ることに感動し、次に感じたのは
「小さいな~」
って事でした。
こんな小さくて飛ぶんだ(^^;)・・・ってのが正直な印象です。
残骸は見ているはずなんですが、全部の部品が取り付けられた状態で改めて見ると、
凄いコンパクトに感じます。
そして、
「なんて綺麗な飛行機なんだろう・・・」
って思いました。
いや、
外板とかはベコベコだし、工業製品と言うよりも、
手作り感アリアリなんですが、
何故か美しく見えるんですよ。
零戦は日本刀みたいな戦闘機
とはよく言われるようです。
上手な人が使うと抜群の切れ味だけど、下手な人が使うと使いこなせない、
良くも悪くも日本的な戦闘機だという印象を持つ人が結構いるようですが、私も
手作り感バリバリなのに、美しい≒日本刀
そんな気分は
チョット感じました。
さて、
つぶさに観察・・・と言うか、自分の目とデジカメで懸命に見たって感じです。
主翼の端にある翼端灯とピトー管。
ピトー管は
スピードセンサーみたいなものです。
翼端灯はとても光るとは思えないんですが・・・これでいいのかしら?(^^;)
多分ダミーの20mm機銃
日本戦闘機初採用の恒速プロペラ。
プロペラのブレードの角度が変わって無駄なく馬力を使うと言う構造とアイデアに、
子供の頃凄く感動した記憶があります。
同じく戦闘機初採用の引き込み式主脚。
常々
どうゆう構造になってるのか解らなかった引き込み時の
タイヤの蓋がよく観察できてよかったです。
つまり、
蓋の内側のレバーを主脚が押す事によって、蓋が回転し閉鎖するって事なんですね(^^;)。
結構簡単な構造です。
この蓋、
当時の戦闘機では付いてる機体は少なくて、
初採用で蓋まで付いてるなんて豪華だな~(多分非力なエンジンだから極限まで空気抵抗を減らすためなんでしょうけど(^^;))とか、
飛行している時のスタイルがスッキリしてて、私は大好きなんです(^^;)。
給油口。
アブガス、65ガロン、100オクタン以上って書いてある(笑)。
筑波サーキットで給油して空の散歩とか出来そうで怖い(^^;)。
バックストレッチに着陸して、スタンドで給油してホームストレートで離陸とか・・・
出来たら楽しいだろうなぁ(^^;)。
・・・あ、もうアブガス筑波で売ってないからダメか、ちっ
と、アホな事をつい考えてしまいました(笑)。
布張りのエルロンがよく判ります。
一見、全金属製かと思うような配色ですけど、所々
時代を感じさせるパーツ構成になってますね。
方向蛇・昇降舵と尾灯と尾輪。
尾輪がかなりしっかりしているのでチョット驚き。
プラモデルや模型では本当にチョコンと取り付けているだけだったりするので、
もっと弱々しい物かと思っていましたが、やはり本当に使われて
空と地上を往復するためにはしっかりとしたカタチが必要なんでしょうね。
着艦フック。
残念ながら
取り外されて根本しか残っていません。
格納スペースが良く見えるように、下部に鏡が設置されていました。
尾輪も着艦フックも飛行時には格納するので、
スマートな零戦が更に刃の刀身の様にシャープに見えた事でしょう。
主翼、フラップ上の赤枠も書いてあります。
が、流石に
BBiの模型にある「ノルナ」の文字は無し(笑)。
20mm機銃の排莢口。
20mmを撃つと、
空薬莢がここから出てくるのですが、
装弾数は僅か60発(^^;)。
コックピット。
この日は特別に
キャノピーを開けて展示していてくれたようです、ラッキー。
と言ってもよく見えないんですけどね(^^;)。
穴が開けられている座席。
軽量化的には正解だけど、
後ろから撃たれたらひとたまりもありません(^^;)。
攻撃一辺倒と言えばカッコイイけど、やっぱり
エンジンパワーが足りない悲しさか、それともエンジンありきで実現した究極のバランスか・・・
平和な時代の平和な趣味の飛行機であれば、後者の方が私個人的にはワクワクします。
7.7mm機銃。
多分ダミーでしょうけど、個人的には機銃がダミーかどうかよりも機銃と機銃の間にあった
OPL照準器が無かったのががっかり・・・そりゃ
二度と撃たないんだから必要ないよね・・・と、後ろを振り返ったら・・・
ちゃんと操縦席のメーターパネルと照準器の展示もありました!(^^;)。
この
光学照準器、OPLも日本戦闘機初採用!
計器盤。
所々
カタカナや文章(笑)で計器類の名前や注意書きが書いてあり、娘が受けてました。
それにしても、この
計器盤を持ってるのが個人で中村泰三さんと言う方らしいですが一体どうゆう人なんでしょうね(^^;)。
(ググったら
零戦計器板研究家と言う人らしいです(^^;)凄い!)
栄エンジン。
今じゃオートバイのエンジンだって水冷ですが、
空冷星形14気筒ですよ、
フィンに萌える、星形に萌える!
このエンジンは
世界で1つだけ、実際に飛行に耐えるオリジナルエンジンで勿論
中島飛行機製。
アメリカのプレーンズ・オブ・フェイムの職員が一生懸命整備して
動態保存しているのが凄い。
耐用時間的にもとっくに寿命のハズで、
流石に後何回も動かせないだろうと言われているらしいです
が、今回所沢で始動させたそうです。
本当に動くエンジンの証拠に・・・
ほら、オイル漏れが(^^;)。
ドイツのメッサーシュミットとかフォッケウルフとかだとパーツの精度やパッキング技術のレベルが全然違ったそうで、
日本の当時としてはここらへんが精一杯だったのかもしれません。
でも、
オイルが漏れてるって事は生きてるエンジンって事!
感動を覚えてしまいました。
丁度、エンジン部分を撮影していたら、
携帯電話で一生懸命に写真を撮影していたお年寄りの前を塞ぐ形になってしまい、
「ごめんなさい~」と譲ると、
「いえいえ」って撮影されていらっしゃいました。
かなり
高齢の方みたいなので、声をかけてみたら、
このお年寄りも海軍基地の近所に住んでいて、子供の頃、
飛行する零戦に憧れていたそうで、
懐かしさに見に来たそうです。
「貴方は?」
と聞かれたので、
祖父の話をすると・・・
何だか私の方が泣いてしまいそうになりました(^^ゞ。
丁度その時、
余りにも執拗に写真を撮りまくる私に呆れて
別の展示物を見に行っていたかみさんと子供達が現れて、
「どう?いっぱい撮れた?・・・ってパパ泣いてるし(笑)」
「泣いてねぇよ!」
的な(^^;)、
皆で笑いました。
さて、
今回威力を発揮したのは娘のデジカメ!
コンパクト・・・と言っても
流石に飛行機です。
展示スペースの中での撮影だと、
普通のカメラだとなかなか全景が撮れません。
ところが、娘の
サイバーショットはパノラマモードと言う
横に長ーーーく撮影できる機能があり、これを使って
零戦のパノラマ写真を撮ることが出来ました!
意外とコンパクトで小さい事がよく判ります。
勿論、
命のやり取りをした機械ですから、軽々しく考えるつもりは毛頭有りませんけど・・・
見学してみて零戦の印象は凄く変わりました。
今までは物凄く遠いと言うか、
伝説の世界の幻の機械のように捉えていた部分があったと思うんです。
でも、今回、
実際に飛行可能な零戦を見ると、
何とも身近に感じます。
軽くて、小さくて、スポーツカーの様な。
平和な時代に、一人で所有して飛ばしたらさぞかし楽しいだろうな・・・。
もしも飛行機ディーラーって言うのが有って・・・
スポーツプレーン・タイプゼロ!新発売!
ってやってた
新商品発表展示会を見たような気分です。
物凄く売れそうですよね!(^_^;)
それが偽らざる印象です。
私の
祖父が小泉工場から送り出した零戦という「製品」。
それを
近くに感じられて良かったです。
3月末までの展示だそうですから、
是非実物を見て欲しいですね。
幾ら
Web上の写真を見ても感じられない本物の存在感を肌で感じて欲しいと思います。
また、
記念館の前は広い芝生になっていて、
ショップで買える「空飛ぶ玩具」を使って遊ぶことができます。
お薦めのグッズは、
ゴムパチンコで空に打ち上げると、竹とんぼみたいに羽が開いてクルクル回りながらゆっくり落ちてくるオモチャ!
それから子供も投げられるし、風がなければ
キャッチボールみたいな事も出来るバルーンロケット。
そして
ゴム発射式の各種飛行機です。
遊ぶ場合はサッと遊べたほうがいいので、
製作時間がかかる模型飛行機は避けたほうがイイですね(^^;)。
子供達はこれらオモチャが大受けで、汗だくで犬のように走り回り、
落ちてくるプロペラをキャッチしたり、バルーンを投げたりして大はしゃぎしました。
航空公園で我が家は何時もこれを楽しみにしてます。
色々と想いを抱いて零戦を見に来る人達も多いのでしょう。
戦中の日本の航空製品が見られる数少ない機会です、
ご家族連れで是非!と、お勧めしたいですね。
<此処は大乱、吹くは神風>
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Posted at
2013/02/27 21:34:53