
さてさて、
伊香保を出発して
水上にやってきましたよ。
水上温泉も、私が
子供時分に一度は行きたいと思ってた”憧れの”温泉地です。
何で憧れか?
伊香保と同じで
単純に「行ったことがない」(^_^;)のと、
群馬県で温泉郷と言えば、草津・伊香保・水上って位、子供の頃から直ぐに話題に登ったからです。
特に水上は何故か
子供心に「広いお風呂」と言うイメージが有り、見渡す限りの
プールのような湯船に入ったら、どんな気分だろう?と、何時も夢想していました。
その後、
天皇陛下がご利用になった温泉という事も知り、
益々憧れが強くなったのです。
そんな訳で、
一度行ってみたかったのです、
パラダイスのような温泉郷に(^_^;)。
(こ、こんな感じか?wwww)
ところが・・・
風の噂で、
その水上も昨今危機的な状態になっていると言うじゃありませんか・・・これは
無くなったり廃業してしまう前に行くしか無いだろう!みたいな気持ちになって、
今回のツーリングに組み込んだのです。
(霧積温泉の霧積館みたいな例も有りますしね(^_^;)。)
行ってみたら・・・・
凄まじいカオスでした(^_^;)。
まず、温泉街にたどり着けず、道に迷いました(笑)。
だって、
普通に走ってると温泉街を通らないんですよ、諏訪峡大橋を渡り、湯けむり街道と言う道を走って水上駅を目指すと、陛下も宿泊された、老舗旅館の「水上館」しか通りません。
(実は後でわかったんですけど、諏訪峡大橋を渡らないルートでも水上の温泉街は通らないんですね(^_^;)、
完全にスルーされる道路構造になってるみたいですwww。)
水上館は素敵ですが、流石にココで日帰り入浴とか予算オーバーですからね(^_^;)・・・スルーしましたけど、
通り過ぎちゃうと温泉施設とか全然無いんですよね、
どこかどう「湯けむり街道」なのか首を傾げてしまいます。
そして、
ドーンと目の前に現れるのが・・・
ホテル「大宮」の廃墟です。
もうこれ、完全に廃墟です、水上の
駅前の直近のホテルの看板が廃墟って・・・一体(^_^;)。
唖然として、しばらく
車寄せにカブを停車させてたら・・・
家族連れ4人がやってきました。
「ほら、ココから川が見えるんじゃない?」
「おじいさん、そこ入っちゃダメなんじゃないの?」
「だってホテルだろ、ほら・・・って、なんだ?やってないんかい!」
「やってないのよ、きっと、荒れてるもん」
「エラいもん見ちゃったな~」
って
私の目前で言いながら、湯けむり街道の方向に4人はテクテク去って行きました。
私も規制ロープの手前にカブ停めて、つらつら観察しましたけど、
凄い荒れ様で下手に手すりとかに寄り掛かると崩壊する危険がありそうです。
怖いのでさっさと退散して、
水上の駅に向かいました。
午後2時30分・・・これがゴールデンウィークの日曜の水上駅前です。
やべぇ・・・
人が居ねぇ・・・
ゴールデンウィークの日曜の午後でこの静けさって・・・
怖すぎるだろ・・・ある意味、
千と千尋の神隠しの昼間の油屋の前商店街みたいな雰囲気だぞ・・・これ・・・。
14時や15時には結構列車も停まるはずなんだけど・・・
駅前は
この日何度か訪れたのですが、
何時もガラガラで人の気配がありませんでした(^_^;)。
それよりも、
客引きの放送のマイクの電源が入れっぱなしなのか、それとも他の理由でなのか不明ですが、どう聞いても店の奥で
商店主同志が世間話をしている声がしていて、その他にBGMとか何か流れているわけでも何でもなく・・・
複数のオッサンのダミ声が駅前に延々と響き渡るという・・・・
シュールを通り越して不気味でした(^_^;)。
一刻も早くココから離れたくなってしまう様な怖過ぎの状況が展開されていたので、何か水上のお土産でも・・・なんて考えていた私ですが、
怖くて土産物屋のすら寄らずに、駅から離れ、
「一体、温泉街とやらは何処だろう?」と、湯けむりロードを引き返しました。
温泉街は何の事はない、
T字路になってる道路の合流を、まっすぐ通り過ぎた所にありました。
橋を渡った先が温泉街なんですが・・・
温泉街入り口の道の両側に建ってるホテルが両方共廃墟(^_^;)。
まじかよ・・・
赤い方の
蒼海ホテル?は、備品やら家具やらが駐車場に野ざらしになってたりして、当然立入禁止です。
白い方のホテルなんて、営業してた時に
どうやって入ったのかさえ判りません(^_^;)。
流石に「聚楽」は営業してるみたいです(^_^;)。
多分、
さっき見かけた4人組の家族連れはココのお客さんだったんでしょう。
しかし、明らかに
宿泊客という人を見かけたのは、その家族だけでした・・・・。
怖いくらいに閑散としている温泉街・・・
ともかく、お腹が空いたし、事前に、「水上・グルメ」でGoogle先生に訊いて
調べておいたピザ屋さんで、遅い昼食を食べることにしました。
窯焼きピザだって!楽しみぃ!
とか思って行ったら・・・
何と、午後3時でクローズ!!
ええっ!?
私はビックリしましたよ、
スープ切れの有るラーメン屋なら解るけど、普通のレストランが3時で営業終了???で、次は夜にオープンとか・・・
マジか・・・
仕方ない・・・他を・・・
なんて思ったら!!!
4件回って全て閉店!!
何と、
水上温泉の外食レストランは全て3時でクローズなんですわ!(爆)。
こんなのってアリ???
田舎だから常識なのか?
埼玉だってそれなりに田舎だけど、街中の食堂が3時クローズなんて・・・オバちゃん1人でやってるとかの飯屋じゃあるまいし・・・まちじゅう全部ってナンだよ!?
と言ってても、状況が変わるわけじゃなく、仕方ないのでそのまま
温泉街の探索を続ける事にしました。
水上温泉の温泉街は、凄い廃墟だらけです。
藤屋と言うホテルは、エントランスが結構綺麗ですけど、廃墟で・・・
裏手に回ると・・・
こんな風に、あちこち
水上の厳しい風雪で崩壊しています。
手すりとか
今にも崩落しそうですが・・・・その手すりの
直下の川の水面にはラフティングを楽しむ人達が笑顔で戯れてました(^_^;)。
落下物とか・・・怖くないんだろうか・・・でもインストラクターも居るし、大丈夫なんでしょう。
ちょっと奥まった場所にある、
ホテル白雲閣。
凄まじい廃墟オーラが・・・近寄るのも怖いですけど、
普通に車で入って行けちゃいます、立入禁止の看板も規制バリケードもなしwww。
手前には普通に営業してる綺麗な旅館も有るし・・・
いろいろな意味で不安な気持ちになりますね(^_^;)。
何しろ、
表通りに堂々と廃墟が建っていて、事実上、
何処を通っても廃墟とご対面する現状の水上温泉街は、こう言っちゃなんですが・・・・
穏やかなゴールデンウィークの昼下がりにも関わらず、薄ら寒い雰囲気としか言い様がなく、私の様な
小心者が呑気にバイク停めて買い物するとか・・・そんな感じじゃ無いんですよ。
何しろ、
ちょっとした路地のアチコチには住んでるんだか何だかわからない、荒れ果てた建物が点在していて、
シーンとしてるんです・・・
日帰り入浴とか出来るのかもしれませんが、
誰も居ない様な温泉街のど真ん中で、大声で尋ねる訳にも行かず、
温泉街に来れば、食事もお風呂も何とかなるとか・・・甘い事を考えていた私は完全な間抜けを晒して呆然としてしまいました(^_^;)。
と、考えていても始まらない、
周辺で食事ができる所は無いものか・・・と
当てど無くカブを走らせていると、
「そば」の幟を出している一軒家のお店が!!
入ってみると、
営業中!やっと食事にありつけました、
この時4時位だったと思います。
食事を終えて、
日帰り温泉でオススメは無いか、お店の人に訊いてみたら・・・
「最近近くに鈴森さんって言う日帰り温泉施設が出来てねぇ、お風呂は綺麗だし、源泉かけ流しだし、ぬるいお湯でゆっくりつかれるし、オススメですよ~」
との情報を頂きました!
行ってみたら、素晴らしかった!!
小じんまりとした温泉施設ですが、
お風呂が素朴な檜風呂と野趣あふれる川沿いの露天風呂で、砂防ダムから轟々と流れ落ちる水音を聞きながらの入浴は魂までリフレッシュするような癒やしの体験で、
何時間でも入っていたくなります。
(HPからキャプチャ)
おみやげの岩魚の塩焼きも買ったし、
最高でしたよ!
(とても美味しかったと、家族の談)
そして、腹ごしらえも出来た私は、最後に今回の動画企画の本筋である
「温泉街の裏道」を日が落ちる前に見ておくべく・・・檜風呂に後ろ髪を惹かれる思いで風呂から出て、
再び水上温泉街に・・・
裏道に回った私は、
衝撃的な廃墟の姿を目の当たりにしました。
ホテル大宮の裏側です。
崩壊が進んで、ボロボロになってます、
管理もされていないのか、
崩れた壁から建物の内部が丸見えになってました。
壮絶・・・と言うか、
言葉が出ないほどで、
こんな街中で放ったらかしの大規模な廃墟を見たのは生まれて始めてですわ。
周囲には
従業員住宅の跡地??の様な場所や
どう見ても空き家になってる
アパートとかも点在してて、
カオスが深過ぎて夢でも見ているのかと思う程です。
酷いのはホテル大宮の施設の状態で、完全に
壁が崩落してて、ぶっちゃけると
中に入ろうと思えば入れる状態なんですよね・・・
無論、不法侵入だし、中に入って床を踏み抜いたり、天井が崩落したりしたら命は無いので、入りませんけど。
周囲には普通の住宅も当然あります、
風景だけは完全にデトロイトですよ。
死者と生者が混在するような、
危険な香りがするカオス状態。
防犯的にも安全面でも、何年もこの状態を放置してるのはどうなんだろう・・・とは思いますが・・・
今まで見てきた廃墟の数々と同じで、
自治体や地元企業に撤去したり再建したりする資金が無かったり、所有者が放棄しちゃってて連絡が取れなくて手を付けられないんでしょうね。
40年以上前、
子供の頃、群馬に住んでいた私にとっては、今回のツーリングで回った場所は
どれも確かに当時は”賑やかで華やかな街”・”憧れの保養地”・”いつか行きたい温泉郷”だった場所です。
ところが、月日が経ち、
大人になって実際に訪れてみたら、憧れの場所は、何処も寂れて廃墟となってしまっていました。
一体何故?
私の様な素人に、答えなんて解りません。
行った
私自身、野次馬と言われても仕方ないと思います、Googleストリートビューで見れば、どんな場所なのか直ぐに判る時代ですからね、
個人的に遺構は好きですし。
でも、今回は何だかやりきれない気持ちになりました。
群馬を捨て、東京や埼玉に出て行った私の様な人間が、寂れた田舎を作った元凶なのかもしれません。
私個人的に自分の故郷が嫌いでしたしね、
でも、本屋の一つも無い田舎町に何を求めろって言うのでしょう・・・私一人では何も出来ませんから、私だって
自分の為に田舎から出ていく以外に選択肢は無かったのです。
そう、私一人では何も出来ない・・・
それでも、
自分の生まれ故郷の街がアチラコチラで寂れ廃れていく様子を晒し、為す術もなく崩れていく風景を目の当たりにすると、
自責の念というか、
何とかならないのだろうか?と言う焦燥感にも似た思いが沸いてきてしまいます。
物悲しい
廃墟の数々とは裏腹に、通り過ぎる
風景や道や自然は美しく、沿道には遅咲きの
桜が咲き乱れ、清流が流れて自然を楽しむ人々の歓声も聞こえてきます。
そして、
その中に佇む廃墟ですら、ある種の美しさが有るのです。
道を走りながら、
余りにも美しいその水上の景色に思わず目を奪われる事もありました。
廃墟を見物に行くのでも良いんじゃないか?・・・
ともかく人が訪れて、なにか新しい楽しさを発見してくれれば・・・
物語の結末を見てしまったと言う、ちょっとの後悔を感じながらも、やはり私個人的には
色々とドラマチックな事を楽しめた、そんなツーリングでした。
<廃墟探索アニメ、けものフレンズ。明るい場所なのに何か心に来る所が水上と似ている。>
ブログ一覧 |
廃墟・廃道・遺構 | 日記
Posted at
2017/10/01 20:09:24