
昨日、千葉県旭市の被災地復興ボランティアに
参加してきました。
大事なこと。
被災現場は見世物ではありません。
よって、被災現場の写真はありません。
つうか、現実を実際に感じた後、
とてもじゃないけど撮影など出来ません。
まず、被災現場に入って、映像では伝えられないものに圧倒させられました。どんな大画面のテレ
ビで見たとしても現地に入り、五感で感じたことの足元に及ばない。
積み重ねられたガレキの山はテレビで見れるかもしれない。でも、目の前に積み上げられたガレキ
の山や、無残に破壊された家・車を実際に見ると、テレビで見て感じたことなど甘すぎることを感じ
させられます。それは、写真では実際見た風景が伝えきれないことに似ていると思う。
でも、もっと重要なこと、そしてテレビでは伝わらない・伝えないこと。
あたりに漂うドブ臭い異臭や、そして、乾いた砂が風に飛ばされての埃っぽさ。被災者の本来の姿
お伺いさせていただいた家のご主人はとても無愛想で話しにくい。でも、それが、喪失感と将来へ
の不安感を抱える被災者の本来の姿なのだと思う。こちらからどのように言葉をかけてよいかわか
らなかったです。というか、言葉をかけないのが一番なのかもしれない。
私の行った作業は、庭・家の中へ津波で流入した砂の除去です。
ボランティアは5名で1チームを組み、現場の規模によって複数チームで作業をします。自分の現
場は3チームで15名。
これも、ようやく本日出来る作業です。今までは崩壊した離れが家にぶつかっている状況で、それ
を撤去しないと安全に作業できないから。撤去はプロの方が行ってくれていました。庭から見える
別の家では、壁が崩れて家が倒れている状況。重機を使って解体中でした。
しかしながら、土砂の中にもガラス片が埋まっている状況なので気を抜くわけにはいきません。
砂をスコップですくって一輪車に乗せて、捨て場所に捨てる作業の繰り返し。この作業、思ったよ
り重労働。午前中で早くも体が悲鳴を上げだす。午後はひざを突いてスコップを使う状態です。
ドブ臭いのなんか当に忘れて作業に熱中してました。
あわせて、ガレキの片付けも行いました。単なるガレキの山ですが、住民にとっては生活の一部
であったもの。まさにプライバシーに手をつけているわけ。何も感じずに機械的に片付けるよう気を
使って作業をしました。
作業している時に、なんて作業がしやすいのだろうと感じました。
自分を含むチーム15名が、必要な所に必要なだけの人数がいつの間にか配置されている。誰一
人として浮いている人がいないし、無駄な作業をしている人もいない。みな、自主的に作業を見つ
けて作業をしています。そして、その作業を他の人が認めて、補助が必要と思えば補助をする。
今まで経験した中で、一番効率的に作業が進められているのはないかなと思います。
これも、みんなの思いがひとつだからなのでしょうか。日本人であることを誇りに感じました。
終わったあと、ご主人からは「ご苦労様」とあっけない一言だけ。でも、これで良いのだと思います。
クレームを受けず、誰も怪我をせずに作業を完遂できた。それが一番の成果。本来、ボランティア
は感謝されるのが目的ではなく、助け「させていただく」(<これかなり重要)のが目的なのだから。
過去、障害を持つ方へのボランティア活動には幾度か参加したことありましたが、今回、ボランテ
ィア活動の本来の意味を再認識させられました。
集合場所に戻って手を消毒してうがい。最後にもらえたビタミンウオーターがとてもおいしかった。
これは、被災地ではトイレがないので水分補給を控えていたからだけではないと思います。
みんなで力をあわせて、ミッションを達成したからが大きいと。
かなりほこりをかぶったようで、帰りの車の中がドブ臭くなってしまいました。自分は家に帰ればシ
ャワーがありますが、被災地の人はそのドブ臭い環境が生活の中。複雑な心境です。
今回はボランティアに思い切って参加しました。前日まで参加するべきか、かなり悩んでいました。
が、思い切って参加してよかったと思います。しかし、リーダーの方は前日から参加されていると
のこと。また、駅からかなり離れた集合場所まで歩いて参加された方を車に乗せて帰りました時、
その方からお話をお伺いするにつれ、自分なんて、まだまだ大した事が出来ていないと思います。
現実の前には、単なる批判や理想論など無力です。現実に対して力を持つのは「行動すること。」
一人一人出来ることには限界があります。自分が感じる理想と、実際に自分ができる現実のギャ
ップに悩むのは仕方ないと思います。しかし、出来ることを見つけて「やっていくこと」が重要。それ
がどんなに小さいと思ったことであっても、絶対に何かしらの力を持ちます。
大した事は出来ていない。ほとんどの方はそうだと思う。ただ、小さなことだけどやれている事は
たくさんある。絶対に。それが積み重なって大きな力となっていく。やれる事はとても重要なこと。