
今回、オフィシャル感謝デーと同時に開催された、LSO主催のレスキュー講習会に参加してきました!!
LSOとは、「MOTORSPORT Life Saving Organization」の略で、モータースポーツの安全向上に取り組む組織のことです。
一度受講すると、2年間有効の認定証が発行されます。
毎年受講してもいいのですが、僕は2年に1度は受講することにしていて、今回が4度目の受講になります。
講習内容は、大まかには以下の通りです。
1.当初の観察と接触
2.生の徴候の調査
3.気道確保と頸部固定
4.CPR/心肺蘇生法、AED/自動体外式除細動器
5.止血とショック管理
6.迅速な全身観察
7.各部のけが
8.負傷者の固定と搬送
となっています。
サーキットでのオフィシャル活動には、レスキューという役務があり、ドライバーやライダーの命に関わるとても重要な役務です。
その最新スキルを学べる貴重な機会です。
講習受講者は、希望者だけですが、今回が20人ちょっとでした。
講習を受けるには、ちょうどいい人数ではありますが、もっと多くのオフィシャルに参加して欲しいと思っています。
今回は、半分近くが初めて受講される方でしたよ。
その中に、オフィシャルでは見かけない人が一人・・・。
どこかで見た事ある顔だったのですが、思い出せないでいたのですが、講習が開始された後の紹介で、
桧井保孝さんだと分かりました。
この方、現役のGTドライバーさんです。
講習の最後には、ドライバーさんが実際に装備しているヘルメット等も見せて頂けるということで、これは嬉しい!!
オフィシャルしていても、なかなかそういう機会はないのが現状・・・。
でもよく考えると、救助する側もそういった装備は知っておかないと、レスキュー活動に支障がありますよね・・・。
講習の内容を簡単に・・・。詳しくは、LSOのHPを見てくださいね。
まずは、サーキットではなくて、普段の交通事故現場を想定して講習は進みます。
ですので、この講習で学んだことは、サーキット以外でももちろん使えます!
事故現場に遭遇した場合、まずは深呼吸して、事故現場の状況などを観察して、二次災害(救助者が後続車などに轢かれたらダメですし、自分の身は自分で守る!!)等に注意して、傷病者に近付きます。
そして、感染防止のために、グローブ(手術に使うようなゴムの薄い手袋)を装着します。
意識や呼吸の有無を言葉などで確認し、呼吸がない場合は、即座に心肺蘇生法を実行します。
意識の確認ですが、言葉をかけて反応するしないかで判定します。
呼吸の確認は、気道確保(チンリフト)した状態で、顔を口に近づけて、確認します。この場合に、首の動きに注意する必要があります。頸部損傷していたら、後遺症が出る可能性が高いですから。しかし、心肺停止していたら、もちろん心肺停止の手当てが優先でれます。
心肺蘇生法は、人工呼吸と心臓マッサージを繰り返します。
傷病者の口に、専用の器具を装着します。
直接口同士を付けることがないので、清潔面でも安心です。
人工呼吸2回したら、心臓マッサージを30回行います。
これを、救急車が来るか、自ら呼吸を始めるまで繰り返します。
練習ですので、人形を使用します。何かの機会で見た事ある人も多いとは多いとは思いますが、写真の人形です。
1セットするだけでもかなり大変な作業です。練習では、最大5セットまで行いましたが、みんな汗だくです・・・。
そして、AEDの使い方を学びます。
最近は、色んな所でこの機器を観掛けることが多くなり、世の中には普及しつつあると思いますが、その存在さえ知らない人も多いと思います。
これは、心肺停止の方に、電気ショックで心肺蘇生する機器です。
使用方法は、とっても簡単です。
機の電源を入れると、音声案内で指示してくれます。
電極パットを、指示された2箇所に貼り、電極パットのコネクタを本体に差し込みます。
すると、電気ショックが必要がAED自身が判定を始めます。このときに、傷病者には一切触れてはいけません。触れることで、正しく測定できなくなります。
AEDは、電極パットから微量な電気を検知して、判定するからです。
そして、電気ショックが必要と判断されたら、電気ショックを行うためのチャージを始めるアナウンスがあり、チャージが完了すると、チャージボタンが点灯して、ボタンを押せば電気ショックが1度だけ行われます。
と、方法は至って簡単ですが、これは、心肺蘇生法と併用しないとダメな場合もあります。というのも、電気ショックを行うまでの間や、電気ショック後も心肺蘇生しなかった場合などは、心臓マッサージが必要だからです。
心肺蘇生法は、心臓の動作を変わりにしているので、これをしないと、血液が体に行かずに、蘇生できる可能性が低くなりますから。
後は、止血方法や、体の色々な部分の怪我の見つけ方や対処方法を学びます。
これらは、日常生活でも使う機会は多いと思います。
最後に、負傷者の搬送方法などを学びます。こちらは、主にサーキットでのスキルとして学びます。というのも、サーキットには当然、それなりの装備や医師の配置などがあり、公道での事故とは対処の方法が若干異なりますから。
こちらも重要なことは、首の固定です。
明らかに首を負傷している場合は、むやみに動かさないこともありますが、首を固定したままのヘルメットを脱がせる方法や、固定器具の装着方法などを学びます。
そして、ドライバーさんの装備(今回は、ヘルメット、ハンズ、クールスーツ)を実際に見せて頂きました。
ヘルメットは、無線のコードやドリンク用のコードなどが付いています。
そして、ハンズですが、最近はF1などで見た事ある人も多いと思いますが、ドライバーがヘルメットの後ろに装着している肩にかける黒い器具のことです。
初めて間近で見ましたが、これらを考えた人ってすごいなぁと思いました。ほんと、よくできています。
大事な用具を用意して頂いた桧井保孝さんに、感謝!!
なお、この講習は9時から16時まで行われましたが、とても有意義な時間でしたよ!!
こういった講習は、消防署主催で行われていると思いますので、みなさんも一度は経験しておいて欲しいなぁと思います・・・。