
半袖のTシャツが秋空を舞う
この先しばらくは着ることはないだろう
「誠に残念なことではございますが」
「...あれ?神社?」
......
「こんなとこにあったっけ...?」
......
若ければいいってもんじゃない、年老いているからいいってものでもない。そんな至極当然の格言のようなことでさえ、穴の開いたポケットから零れ落ちていくように慌ただしく流れていく世の中。
若さゆえの過ちがあり、高齢ゆえの衰えがある。この似ているようで相容れない状態は、フィジカル的には単なる日常のフェーズに過ぎない。しかしその不協和が生み出す力は時に、世の中の流れを止めることさえある。
ザワザワザワ...
時季外れの冷たい風が足元を通り抜けていく。ついさっきまで、あちらこちらから夕飯を作るいい匂いがしてくる住宅街を自宅に向かって歩いていたはずが、どういう訳か、すすきが生い茂る境内にシロミは辿り着いていた。
唖然とするシロミ。まるでエンディングで記憶を消される映画の主人公のような表情を浮かべている。不思議な力がこの場所に向かわせたのか、はたまたシロミ自身の好奇心にも似た隠れた意思なのか。
「...え?あれ?」
......キョロキョロ
「どこ?...ここ」
......
不思議とは何なのだろう。人の考える常識、言わばリアルというものからかけ離れたことであろうか。不思議というのは恐ろしい。どんなにタフな人でも、いざ不思議を目の前にすればたじろぎ足がすくむことだろう。
シロミを本気で救おうとしたおじいちゃんも、実はそのひとりだった。遠い昔、おじいちゃんがまだ髪の毛がフッサフサだった頃、まだ泥だんごを作って遊んで服を汚して親に叱られていた10代のはじめの頃、同じこの場所で、神隠しの瀬戸際を経験していた。
「狛犬さん?...違う」
......?!
「...うさぎだわ」
ふつうの神社であれば狛犬が鎮座しているであろう場所には、うさぎがいた。ただそれだけのことなのに、戸惑いを隠せない様子のシロミ。それもそのはず、おじいちゃんが飽きもせずにくどくどと言い聞かせてくれていたあの言葉を思い出したからだ。
- 先祖代々続く言い伝え -
トリイノサキノウサギサマ
メヲソラスナ フレテハナラヌ
シンノココロヲトギスマサセヨ
トビラガミエタナラバ
コノムコトバデヒライテミセヨ
コトバデヌモノ
モドルコトカナワヌ
「ふっかつのじゅもん...」
......
あらゆる情報が蔓延し、それを制した者は勝ち、腐敗汚職のマトリクスが容認されるような世の中の風潮。この壮絶な渦の中では情報弱者は排他されがちだが、真実は違う。知らなくてもいいことがあり、知らないほうがいいことがある。そして、知りすぎてはいけないこともある。
うさぎを見たシロミは思った。“ え~このあと絶対ウサギサマ出てくるやつじゃんやっば~ちょっと誰かおじいちゃん呼んできて~ ”と。そんな想いとは裏腹に、なぜかシロミの足は奥へ奥へと向かいたがる。
......
シャワシャワシャワ...
「でた...ウサギサマ...」
シロミの目の前に大きな石像が現れた。それは、うさぎ感かなり強めのうさぎの形をした石像だった。その石像は、目が光っているように見えた。
「めっちゃこっち見てくるし...」
......
あれだけ面倒くさがっていたおじいちゃんの言いつけを守り、目をそらさないようにするシロミ。妙にウサギサマに触りたくなる衝動を我慢する。
......
「次、なんだっけ...」
......
「あ、トビラ出さないと...」
この時すでにシロミは確信していた。トビラはこの神社からの出口、つまり今は神隠しの瀬戸際なんだと。おじいちゃんの言っていた言い伝えは本当だったんだと。
“ こころをとぎすますってどうやるのかな ” とシロミが考えたとほぼ同時に、ウサギサマとシロミの間にぼんやりと青白く光るトビラが現れた。こころをとぎすまさずとも、そのトビラは勝手に現れた。つまり、おじいちゃんは言い伝え感アップのために話を若干盛っていたのだ。
「やった、成功成功...」
緊張のあまり、おじいちゃんの悪ふざけに気づかないシロミ。何の罰か、その頃家にいたおじいちゃんは熱いお茶を飲もうとして舌をやけどしていた。
......
「次、コトバだよね...」
シロミはコトバを頭の中で必死に探してみた。...が、なかなか見つからない。何かヒントがあったような気がして、さっきのハンバーガーショップでのアミとの会話を思い出してみた。
「へんなのー」
「でしょ」
「ふっかつのじゅもんみたい」
「なにそれ」
「で、ことばって?」
「ことば?なんだったかな、わすれた」
“終わった...”
ハンバーガーショップでは何のヒントも生まれていなかったというおぞましい現実にシロミは愕然として、ひざから地面に崩れ落ちた。
......
しかし、シロミはまだあきらめていなかった。そのコトバは、刹那に巡る考えの中で導き出されようとしていた。
“おじいちゃんのばかー!いっつも言い伝え言い伝えってウザすぎて肝心のコトバのとこが耳に入ってこないのよー!どうしよなになにうそヤバい!スーパーピンチわたし!早く家に帰って夕飯食べたいのに今目の前にコトバの壁とか信じられない!ていうかウサギサマわたしがコトバ言うのめっちゃ待ってるしー!あっ...待って出そう...落ち着いて...ふぅー...うんそう落ち着こうわたし...最初の文字...最初...最初のも...キ?!...出た?!出た出たすごい最初のキが出た!最初さえ分かればこっちのものよ!...キ...キロ...キマ...キ...キ...キ...”
「?!」
シロミは完全に思い出した。
神隠しから逃れられるただ一つのコトバを。
......
......
「キャロッペ !!!!」
......
......
『じゅもんがちがいます』
あ、ロンパメです。
前回のこの物語のあとにさんざん神のように崇められまくっていた世界中のおじいちゃんというおじいちゃんへの手厚い待遇が急に地に落ちたかのように冷遇されるようになっちゃって「やっぱりおじいちゃんの話は話半分で聞いとくのが吉だよね」が世界共通の認識として受け入れられた結果家の中で居場所を失ったおじいちゃんというおじいちゃんが縁側で熱いお茶をすすってやけどをしていそうでしたが、先日は大きなカーテンの前に行ってきました。
このクル活民待望の大きなカーテンの前ですが、クル活スポットを探していて偶然見つけました。本当です。なので、どこにあったのかはわたしもよく覚えていません。わたしの愛車にはカーナビゲーションシステムの装備はありませんし、もう二度と行くことは出来ないと思っています。で、そんなクル活一期一会スポットにいたしろデミちゃんはいつものように誰もいないけどこんなにかわいいいのよアピールを怠りませんでした。
こんな風にね!

(そっか)
かわいいカーテンですよね。

(カーテンはかわいくないしむしろ地味)
カーテンの向こう側へ。

(心境が謎)
みんなカーテンを越えようぜ! Yeah !

(いや不法侵入な)
さて以前のブログで、しろデミちゃんのかわいいプロポーション代表の話をしましたよね。今日はまたその話をしたいと思います。
☆以前のクロミちゃん優勝ブログはこちら
miracleなハレの日って!独りぼっちは、寂しいもんなしろデミちゃん
しろデミちゃんはどのアングルから見てもかわいさが溢れ出ているのですが、真横であったりななめ前から見ると『のびやかかわいいプロポーション(謎)』感が溢れ出てきます。これがどういうことかと言うと、その言葉の通りです。
というわけで、かわいいプロポーション代表のしろデミちゃんがのびやかにたたずんでみたらこれはつまり何かで優勝しちゃってまもなく殿堂入りだぜフーッ!!
それってこんな感じかも!

(ほほぅ!)
どうでしょうか。

(ふむ悪くない)
かわポーですね!

(いや斬新!略し方が賢者級!)
いっけぇーっ!!
(なんとぉー!!)
“君の願い届いたよ
偶然だけど僕も同じさ”
どこにいてもいいの。
ほら、やっぱりしろデミちゃんはかわいいです。
ロンパメバーグ
Posted at 2024/05/26 11:46:35 | |
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