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Ｓ耐開幕戦

初歩的なトラブルを解決する間にも
予想されたやっかいなトラブルも顔を出して来た

Ｓ－ＡＷＣによる積極的にクルマを曲げる４駆システム

積極的に曲げようとするあまり
ちょっとしたステアリングの動きに過敏に反応して
全く不安定な状況に陥る

市販車であればエボとは言え多分にダルな部分が残っているものだけれど

レース車として仕上げられたクルマは
タイヤのグリップも高いし
車体の剛性も高い
ステアリングも小径

ステアリングがちょっとでも動けば
クルマは敏感に察知して積極的にクルマを曲げようとしてしまう
直進したくてもクルマの揺れがステアリングに伝わればクルマが反応する
それを修正しようとすれば逆方向に過剰に反応する

常にシステムが動いてしまうので作動油の温度は急激に上昇してリスクを高める悪循環

エボＸが現代のクルマとして衝突安全性能を高めるために
ステアリングコラムの構造が複雑になって
結果的に遊びが多めになっていそうなところも悪循環に拍車をかけているかもしれなそう


エンジンの方も出力アップの方向を煮詰める前に燃料圧力が落ちてつまづく

大体新しく作ったクルマではどうしても燃料タンク内や配管に細かいゴミが残って
トラブルを引き起こすものなのだけれど

もしかすると
駆動系のトラブルで制御系が常に仕事しているので電力を食いすぎているのかもしれない
これも悪循環なのかも


ということで
覚悟していたとおり各部をばらして対策に大忙しのメカニックの皆さん


明日の予選はタイムはともかく
対策効果が見えるデータがとれること希望

さぁ出力上げて、４駆の制御をレース用に変更したら
一体何が起きるんだ～って思ったら

インタークーラーの配管は抜けるわ
マフラーは落っこちるわ

めちゃくちゃ初歩的なトラブルで
ピットを出ては入るをくり返す

こんなトラブルは公開練習で出て欲しかったのに
公開練習はあんなにトラブルフリーだったのに

こんなことやっている場合ではないのだけれど

えてしてこういうもんなんだよね



ちなみにボンネットの最終版は初公開だと思うけど
暫定版の方が良かったんじゃないかなんて思ってしまうのは
暫定の間はトラブルが無かったせいだろう

この週末はＳ耐開幕戦

エボＸにとってのデビュー戦

公開練習などではそれなりのポテンシャルを感じさせる
走りを見せてくれたけれど

相手の有るレース
しかも耐久レースですぐに結果を出すには
新開発のエンジン
複雑な制御プログラムを持つ４駆システム等々
一筋縄では行かないであろうことは容易に想像できるのだが

監督さんはどんな気持ちでピットから出て行くエボＸを見送ったのでしょう？