プリウスは本当にエコなのか？その2

前回の記事で，プリウスの燃費は22.91km/L，カタログ燃費と比較すると約65%であったことを報告しました．

仮に，ちょうど燃費データがある現行アリオン（前期型，10年4月のMCでエンジンが変わっています）と比較してみることとします．
・アリオンA18（前期型）　車両本体価格（当時・消費税込）：189万円
・プリウス Sグレード　車両本体価格：220万円
（車両本体価格の出典は当時の車両カタログより．メーカー希望小売価格（北海道・沖縄地区を除く））

ここでガソリン価格を6月14日現在で全国平均137.5円（出典：財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター）と仮定し，燃費情報は私が計測したデータを利用して計算してみます．
この計算では税金等の減免・免税と車両本体価格の値引きは考慮しないこととします．

このとき，車両本体価格＋ガソリン価格を距離ごとに計算し，プリウス＞アリオンとなる地点（つまりプリウスを買った方がお得になる走行距離）を計算すると，ほぼぴったり13.5万kmと計算されました．

つまりこれは年間走行距離1.0万kmの人で13.5カ月（13年6カ月）かかる計算で，自動車平均保有年数（人間でいうところの寿命で，新車登録されてから抹消登録されるまでの年数）が普通車で11.93年，小型車で11.53年（出典：財団法人自動車検査登録情報協会）ですので，もしモトを取ろうとすると年間で11,400km走行する必要があります．
つまりちょっと走行距離が多い人であれば十分元は取れる計算になりました．

…意外とお得なんじゃんプリウス！（笑）って正直に思ってしまいました．
製造・廃棄時の環境負荷を考えると「現状では」あまり改善されていませんが，それを12年後には解消されていると楽観的に考えれば，確かに悪くない買い物かもしれません．
しかし，走行距離が短いオーナーさんとなるとちょっと話は変わってくると思います．
というのも，ハイブリッド車の整備，つまりいずれやってくるであろう駆動用バッテリーの交換やモーターの劣化を考えると，長く乗ろうというには，まだ安心できない面も多いのではないか？と思うのです．
もちろん，トヨタは1997年にプリウスを発表・発売しておりますので，その辺のデータと改善はもちろん（09年発売当時で尽くせることは）行っているでしょうが…．

いずれにしても，今後はトヨタもPHV，燃料電池，電気自動車の3段構成で攻めるらしい（6/16の新聞より）ので，今後はますますの技術発展が進んでいくことが，プリウスが真のエコカーに近づく最良かつ最短の方法だと思います．