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2014年05月20日

【試乗】新型MINI COOPER

【試乗】新型MINI COOPER FFの作り方がうまくなったなぁ、ビーエム…

新型のMINI COOPERに試乗させていただきました。

MINIに対する、個人的期待は下記の3つです。
1. FFのコンパクトクラスとして非常に高いボディ剛性感。
路面段差通過時や強引にドアを閉めた時のボディ振動の収束の良さ。具体的には内装のキシミ音がないこと、体感上の振動収束が良いこと、シート・ステアリングの取り付け剛性の高さ。
先代までのMINIは特に上屋が強く、ボディそれ自体が非常に張った金属のように強くて金庫のボディを持っているかの様な印象がありました。ステアリングの取り付け剛性も高く、力を込めてリム(握る部分)上端や下端を押してもステアリングリムやコラム(ウインカーレバーが付いている土台部分)が歪まないことが特徴でした。
個人的に一番MINIらしい!と思う最大の特徴がこれです。
2. ドライバー視点での取り回し、運動性能の良さ
スタイリング上の特徴でもある丸目は、運転席に座った時のボンネット見切りにも効いています。座った位置からライトのふくらみが見えるので、ボンネットの左右端が視覚上で把握できることです。またフロントガラスが立っている独特のスタイルは開放感があります。
走り出してからもアクセル・ブレーキ・ステアリングのすべてが機敏に反応し、車両と呼応を合わせやすいことも特徴です。一方、ステアリングはやや重めで回しづらくすることで、意図しない操作を受け付けない仕様になっていることがMINIの特徴です。
3. オプション設定が豊富で好みの一台が作れること
日本仕様でもルーフカラー・ドアミラーカラーから細かいパネルの色まで指定できるのがMINIの特徴です。(その代わり、細かく指定すればするほど高くなり、本国オーダー車で納期が遅いことが欠点…)

これに対する新型の回答は?というとMINIっぽくなくなった、というのが総評です。

まずは乗り込むまで。ドアノブを握った時点から、新型と旧型の違いを感じ取れます。
旧型までは、ドアノブの内側にピアノの鍵盤のようなグリップがあって、これを握って押すことで開けるものでした。新型は、どこの車とも変わらないグリップごと手前に引いて開けるタイプです。グリップ式の本来の目的を考えると、旧型までが本流だと捉えていたので、新型のこの開け方は「らしくない」と思っています。

運転席に座ると、ウインドゥ面積が小さくなった印象があります。バスタブに座ったような、囲まれ感のある印象です。これは全高が低くなった(旧:1430mm→新:1415mm、▲15mm)こと、ボンネット-シャシ間のエンジンルームと室内を区切る仕切り板(スカットル)が高くなったことのWパンチが原因かと思います。座った時の解放感も、ウインドゥ面積が小さくなった分だけ減った印象を受けます。

エンジンをかけて、スタートしてみると。
第一印象としてボディの剛性感がBMWの1シリーズと大差ない印象を受けます。
とりあえずその印象を片隅に置きつつ、市街地を右に左に、アクセルを踏み、ブレーキを踏んでみると、分かったパワートレイン系や操舵系の印象は以下の通り。
1. エンジン(1.5L 3気筒ターボ)は旧型(1.6L 4気筒NA)と比べてそん色ない。
アイドリングストップはついていますが、アイドリング時のエンジン音・振動は4気筒が静かです。ボコボコボコと振動・音は感じられます。
走り出してからはエンジン音が気にならず、必要なだけのトルクを必要な時に、なるべく経済的に提供してくれます。
一番イイ!と思った時は踏み込んだ時です。ターボの遅れ感はなく、自然吸気のように高回転まで回ります。中速域の回転感はややもっさり感がしますが、回ったときの音は「シューン」と気持ちよく、振動レベルも4気筒とそん色ありません。トルクも1.8L NA級は出ている印象です。
2. ATは存在感がなく、スポーツ走行時にはテンポが遅れる。
市街地走行レベルではATの存在感がなく、低回転でショックなくシフトチェンジしてくれます。
しかし、踏み込んだ時には2テンポ遅れて反応するために正直「ノロイ!」と感じました。
3. ステアリングはややダルになった
市街地走行では適度な重さで回るようになった分、旧型と比べてステアリングは軽くなりました。その分だけ、微操作での反応はやや鈍くなった印象があります。

以上の印象から、ボディの応答を思い出しつつ確認すると以下の通り。
サスペンション系がしなやかになった分、金庫のようなボディ剛性感を感じることがなくなりました。段差乗り越え時のショックは丸くなりつつもコーナリングでのしっかり感は(市街地走行の速度レベルでは)旧型と大差ないように感じました。
ボディそれ自体への入力が丸くなり、かつボディ設計の合理化が施されたためかボディ全体がしなるような動きに変貌した印象があります。

…MINIを選ぶ理由がないじゃん!

乗って振り返ると、21世紀的な合理設計、コンピュータによる最適設計の賜物で”21世紀のMINI”に変貌できたと実感できました。しかしこの味を”旧型の印象のまま”乗ると期待はずれ、他の車と大差ないクルマになってしまったと落胆すると思います。
と同時に、FF 第3世代目になったBMWのコンパクト部門担当として、ボディ剛性の配分がより上手になった印象があります。FFの作り方をMINIで12年かけて勉強した成果が、21世紀的MINIになったのだと思います。

VWやプジョーに比べて、MINIの良さはいまだ健在に違いはありません。ゴーカートフィーリングは21世紀的に進化したものであると考えます。
新型MINIを乗るにあたっては、今までの印象をすべて忘れ去って乗ったほうがよりいいと考えます。
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Posted at 2014/05/20 23:25:56

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この記事へのコメント

2014年5月21日 17:48
そういえばミニ、新型出たんですよね…。
外車はデザインも良いですし、オプションが多いのもうらやましいです。

エンジンが1.5Lの3気筒と言う事に驚きです(^_^;)
コメントへの返答
2014年5月22日 15:03
くまタカさん、コメントありがとうございます。

新型か旧型か?の区別を付けづらいのがMINIの特徴ですので、こっそり新型が出ていてもわからない…のが美点でもあり欠点?でもある気がします。
オプション設定は、それこそ豊富にありますけれど見積書を見ると現実に引き戻されるかと思います…(苦笑)

この1.5L 3気筒ターボは絶品です!
結構オススメ・・・というかエンジンはかなりイイです!
2014年5月22日 23:14
ミニは旧型しか乗ったことありませんが、ロール剛性がやたら強くて、特にボデーとバネのバランスが悪いし、パワートレーン系の制御も悪くて乗りづらい印象があります。趣味性はあっていいし、当時としてはよかったのですが。

新型はどうやら乗りやすくなったみたいですね。


欧州の最新コンパクトは足回りの性能がある程度分かるくらいの速度域で、ほとんどの車種に乗ってみてますが、旧型のミニではとても太刀打ちできないくらいにレベルが上がってますからね。
BMWも頑張ったんでしょうね。

個人的には最近乗った中ではシトロエンDS3の足回りが圧倒的に好印象でした。
コメントへの返答
2014年5月22日 23:41
コー@EP91さん、コメントありがとうございます。

>足回りの性能がある程度分かるくらいの速度域で、ほとんどの車種に乗ってみてます
…羨ましいです。(笑)
私の場合、ほとんどがディーラー試乗車であることが多く(レンタカーを使う場合もあり/好みの車種がないことが多い)、とてもではありませんが速度も距離も走れない、のが現状です。

上記を踏まえたうえで
>ロール剛性がやたら強くて、特にボデーとバネのバランスが悪い
何となくですが分かります。クーパーS(スポーツサスペンション)+ランフラットタイヤ+大径OPホイールなんて、想像しただけでうげぇ…となります。
あくまでも標準ホイール、標準サス、ラジアルタイヤで「まぁこれくらいなら、やや硬いスポーティーカーだね」というのが旧型の印象でした。
今度のMINIは、旧型の「硬い」イメージを脱して接すればかなりイイ車かなぁ、と思います。

>DS3の足回り
日本仕様スポーツ・シック(17インチ)は、同じく試乗レベルの速度域では足が固すぎる感があります。
16インチならば、やっぱりいいのでしょうか?
2014年5月23日 12:43
僕が乗ったのも17インチでしたが、場所がテストコースだったし、普段から硬いクルマに乗ってるのもあるかもしれません。その時はアクセラ、208、CLA、320と乗り比べましたが、DSは硬さをバネで出しているので足がよく動いて、高速コーナーでもリアのグリップがしっかり出てました。208はバネが柔らかすぎて腰砕け、アクセラは減衰が強すぎてサスが機能してませんでした。CLAと320もよかったですけど、全体的に減衰をうまく使うドイツ車の足回りの味付けは好きになれません。

自分のクルマの仕上げ方もフランス車を目標にしてるので好みの問題でしょうね。
コメントへの返答
2014年5月24日 21:37
コー@EP91さん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりまして、申し訳ありません。

>フランス車を目標にしてるので好みの問題
個人的に「フランス車らしい」と思ったのはルノー・カングーぐらいですね…。
基本的にロールさせつつ、きちんとダンピングは効いているので継ぎ目を超えても振動が残らない、その適用範囲も大入力から小入力まで幅広い…と感じました。
タイヤの偏平率が高いことも原因ですが、他のフランス車はロープロファイルタイヤのせいかやや硬くなりすぎの感がします。

DS3にしても同じく…と思います。仰せのことは何となく分かります。ただし飛ばして運転していないので、グリップ感がつかめるまで走らせられない事が名残惜しいです。
2014年6月10日 19:45
こんばんは。
御無沙汰です!

新型ミニですかぁ。
先代には試乗しましたが、現行型は未試乗です。

ただ、ミニというのに、またまた大型化しているところが残念です。
個人的には大きい車は別に譲るとして、コンパクトさもミニの売りにしてほしい気がしています。

モデルチェンジをしても、ミニと分かるデザインは評価します。
この点が、国産車には感じられないところでしょうか?
コメントへの返答
2014年6月10日 21:56
センちゃんさん、コメントありがとうございます。
こちらこそご無沙汰してしまい、申し訳ございません。

>またまた大型化
今度はとうとう3ナンバー…つまり普通車ですし、そういう意味でも残念な仕上がりかもしれません。

>ミニと分かるデザイン
>国産車には感じられない
日本でキープコンセプトのスタイリングを作ると「保守的」とか「冒険しない」と散々、がらりとコンセプトを変えると旧型ユーザーがついていかない…って、難しいですね。
日本で完全にキープコンセプトと言えば、個人的にはセンチュリー以外思いつきませんでした。
(クラウンはゼロクラウンとその前でガラッと変わっていると判断すれば、ですが…)
2014年8月20日 4:48
また失礼します。

初代R56ターボMTは 一週間モニター
走ってみて、ちょっと気難しい場面ももちあわせているなって記憶に残ってます。
(オープンモデルなどは、剛性の関係か?バタバタ ヨタヨタを新車整備で解決した方も、
月とすっぽんの変化具合、解決した個体、乗せてもらったことがありました。やはり欧州車はシビアですね)
>ウインドゥ面積が小さくなった印象があります。バスタブに座ったような
もっと囲まれてますか、気が付かない間に3代目になってたんですね
機会あったら乗って見ます。
コメントへの返答
2014年8月20日 22:45
エンジニアリングさん、コメントありがとうございます。

>R56ターボMT
…となると、2代目BMW MINIのクーパーSですかね?初代にターボ搭載車はなかったと記憶しています。(スーパーチャージャー搭載車は日本導入されていました。)
となると、標準ホイールサイズも1インチUP、確かランフラットタイヤ装着車のみで足回りはよりシビアだろう…と想像します。
OPホイールの選定ひとつでドタバタからトントン…くらいに化けるので、何とも難しい話です。

>ウィンドウ面積が小さくなった印象があります。
本来なら数値でお話ができればよかったのですが、さすがに試乗車をメジャーで測るわけにもいかず…(汗)
体感的なものがあるので、ぜひとも実際にご覧になってから判断されることをお勧めいたします。

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