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2016年09月28日

9月の読書 〜グレイマン強化月間〜

9月の読書 〜グレイマン強化月間〜

今回は、全ワタクシ待望の『グレイマン』シリーズの最新作をメインに、
良い機会なので『グレイマン』の過去作を一気に再読。







 マーク・グリーニー
  『暗殺者グレイマン』 〜THE GRAYMAN〜
 (2009)
  『暗殺者の正義』 〜ON TARGET〜 (2010)
  『暗殺者の鎮魂』 〜BALLISTIC〜 (2011)
  『暗殺者の復讐』 〜DEAD EYE〜 (2013)
  『暗殺者の反撃』 〜BACK BLAST〜 (2016)



『グレイマン』シリーズは現在この5作。
1から4までの過去の読書感想文は、1〜3はこちら4はこちら

邦題はどうも紛らわしいので、原題かナンバリングで呼ぶ方が解りやすい件。(; -´ω`-)
今月は実際には 5→1→2→3→4 と読んで、今もっかい「BACK BLAST」を読んでいる所です。



今回の5作目で、1作目からずっと作品の根底に横たわっていた謎、
"主人公ジェントリーが、CIAから「目撃次第射殺」対象にされている理由"が遂に解き明かされます。

そういう意味で、この1〜5は1つの流れで読むべきものであり、
ここでようやくひとまずの区切りとなります。
(まだまだ続刊するようですが)






















(ドラマティックでハイスピードで躍動感溢れるBGMをw)




















さて。
以下、核心には触れない程度に、少しばかりネタバレを含みつつ
5作通しての解説もどきをさせて頂きます。










物語の鍵となる「目撃次第射殺」指令。
本編では「シュート・オン・サイト」とルビが振ってあり、そう読んだ方が確かにスッと解りやすいかも。

ジェントリー本人には全く思い当たる事が無いのに、
(5作目『BACK BLAST』から数えて)5年前に、突然当時の仲間がジェントリーを殺しにきた。
それを撃退した事で「仲間殺し」の罪で、より「シュート・オン・サイト」が上塗りされたという経緯もあり。





しかし、この「シュート・オン・サイト」指令。

4『DEAD EYE』、5『BACK BLAST』辺りでは、
CIAから命を狙われているというのが、これでもかというくらい強烈に印象付けられているので最初からそうだったような感じになっていましたが、
今回読み返してみて、
実は1『GRAYMAN』では "CIA" は勢力としては出てこない。

「シュート・オン・サイト」の言葉は出ているし、設定としてちゃんと生きてるし、ひたすら刺客から逃げ続けているというのはそうなんですが、
1作目では、ジェントリーは企業に雇われた傭兵の身分で、敵対している刺客達も別の企業に雇われた身分。
つまり、客観的大局的には企業対企業の小競り合いでしかないのです。
この時はCIAはジェントリー狩りに関わっていない。

そして2作目『ON TARGET』の中に興味深い場面があります。
「シュート・オン・サイト」指令を出した張本人、CIA本部長 デニー・カーマイケル
ジェントリーに秘密裏に接触し、「或る任務を成功させたら、シュート・オン・サイトを取り下げてやる」というエサをもって、ジェントリーを自身の作戦に組み込もうとし、実際にジェントリーはその任務を請けます。
この時のカーマイケルは決して最初から騙すつもりであったようでは無く、背に腹を代えられない台所事情によって、止むを得ずジェントリーを使おうとしたようです。
しかし、逆に言えば、この時点では「シュート・オン・サイト」指令はまだその程度のモノだったという事。
本部長の一存で撤回しようと思えばできたという。
この事からも、「シュート・オン・サイト」指令は実は本部長カーマイケルの個人的な事情が強く絡んでいることが伺えます。



が。
正義感の強いジェントリーは、その作戦中にカーマイケルから指示された非道義的な命令を拒否し、独断で任務を続けた。
この事でカーマイケルが激怒し「今までのような生ぬるい制裁で済むと思うな。今後CIAは最優先でおまえを殺す」と宣言。

…なんだよ、やっぱり個人感情かよwww



というか。5年前に「シュート・オン・サイト」指令に至ったそもそもの理由が、
本部長カーマイケル、副本部長、長官、大統領などの上層部の中でも極々少数の限られた人間にしか知られておらず、
現場の指揮官などには一切理由は説明されず「ジェントリーを殺せ」とだけ命令が出た。
当然、現場は困惑し、「命令だから従うが、個人的には疑問を感じる」という人間がCIA内に数多く存在する。
しかし、本部長カーマイケルはCIA内では独裁的権力を有しており、反対派は容赦無く排除する為、表立って異を唱える者は居なかった。





ここで整理、とワタクシ個人の考察。
(軽いネタバレも含みますが)




・6年以上前、ジェントリーは或る単独作戦を命令通り完璧に成功させた。
・その作戦立案にはCIA本部長カーマイケルの個人的な事情が絡んでいた。
・ジェントリーが作戦を成功させカーマイケルは万々歳。

・しかし、ジェントリーもカーマイケルも知らなかったのだが、その作戦にはとある同盟国も絡んでいた。
・カーマイケルの勝利は同盟国の損害だった。

・作戦終了から数年後、同盟国から事情説明を求められたカーマイケルは自分の事情を隠す為、
 現場工作員(ジェントリー)がミスをした、と同盟国に説明。
・ジェントリーを身代わりの生贄に仕立て上げ、さっさと口封じしてしまえば丸く収まる。

・しかしジェントリーが予想外に抵抗し、生き延びる。






…というのが、時系列で言うと、1『GRAYMAN』より前のそもそもの発端ですが、
この内容は5『BACK BLAST』で初めて明らかにされます。

ここまでの時点であれば、
カーマイケルも同盟国に対して「相手が強すぎて殺害は失敗したが、一定の対応はしたし制裁も継続しているから納得してくれ」という口上でなんとか収めたのではないかと推測します。
同盟国側もこの問題は極々上層部の数人しか把握していないという描写が『BACK BLAST』中にあるので、おそらくそういう事なんだと思います。
つまり外交的には "ジェントリーに「シュート・オン・サイト」を出して、一度襲撃した" という時点で一応決着している(んじゃないのかな?)。



で、それが2『ON TARGET』中で、カーマイケルの私怨になったwww
職権乱用もいいとこですねwww
…というのは少し曲解ですが。
とにかく「シュート・オン・サイト」指令はカーマイケルの個人的な失態を隠す為に、カーマイケルが個人的にでっち上げたモノであり、いわば嘘を嘘で塗り固めたもの。
カーマイケル自身、それが解っているから「シュート・オン・サイト」の理由について部下から問い詰められても断固として口を割らない。
ただ「奴はアメリカにとっての脅威だ」と言って国家権力を動員する。
そして、本当の真実はカーマイケル自身の胸にしか無い為、ジェントリーさえ殺して口を封じれば、その事は永遠に闇に葬られる。
ので、必死こいてなりふり構わずジェントリーを消そうとする。
…んだけど、だとすると2『ON TARGET』までは随分悠長に構えていた事が矛盾する。
やはりカーマイケルは最初からジェントリーを騙すつもりだったんだろうか?
…思うに、多分それまでは、なんだかんだで利用価値のある男だし、
"死んだ事にしておいて" より便利使いすれば良い、とか思っていたのかもしれませんが、
ジェントリーの言動にキレて完全に感情論になった、というのが濃厚かしら?





…というのが、5作通しての大きな背景です。





が、ジェントリーに理解を示す者も少なからず居る。

ジェントリーは自他共に認める "正義のヒーロー" であり、
殺し屋稼業をしていても、選ぶ暗殺対象は必ず社会悪であり、道義的な動機がなければ仕事を請けない。
さらに、作戦中の副次的被害を良しとせず、第三者を絶対に巻き込まない。不必要な殺しはしない。
という、どこかの流浪人剣心みたいな話ですが(笑)。

一方で、
単独行動工作員として "最強" の能力を持つジェントリー。
敵の監視を掻い潜って影のように移動し、様々な専門知識で状況分析し、
1人対多数の圧倒的不利な状況でも超人的戦闘能力で切り抜ける。
カーマイケルが国家権力を総動員して潰そうとするのも決して過剰ではない。
基本的には無駄な戦闘を避けてコソコソしている事が多いジェントリーですが、
この人… キレたらメチャクチャ怖いですwww
正に鬼神の如きワンマンアーミーっぷり。
そのシーンに胸躍る。
特に3『BALLISTIC』終盤の展開は痛快爽快。

最初は本当に孤独な戦いをしているジェントリーだが、
作品を追うごとに徐々に協力者が一人、また一人。
この地道に足場を固めていって、大きな脅威に立ち向かっていくという基本構図が
なんだかんだ言って、王道の安定感。










それぞれの個人的短評とか解説みたいなもの。


 1『暗殺者グレイマン』〜THE GRAYMAN〜

  何は無くとも、とりあえずコレを読まなきゃ始まらない。
  内容としては「グレイマン=ジェントリーの自己紹介」という感じか。
  こういう考え方をして、こんなことが出来て、こんなことやる男ですよ、
  っていう、後のシリーズへの前書きのような位置づけ。
  でも、1作品としての纏まりは一番良いかも。ベタな展開だが、王道故に安心・満足。
  冒頭のシーンや、輸送機内での無重力戦闘など、序盤からアクション描写に大興奮。
  中盤、ジェントリーの師匠とも言える人物、老兵モーリスのシーンが印象深い。
  勿論、最大の見せ場はクライマックスの単独での攻城戦。
  舞台はスイス・フランス。
  だが、実はさりげなくこの時点で既に、5作目まで続く伏線が大量に仕掛けられている。
  故郷の父親の存在や、4『DEAD EYE』まで引っ張られる「キエフ」の謎など。



 2『暗殺者の正義』〜ON TARGET〜

  シナリオ的には、他に比べて少し躍動感に欠けてモタつくが、
  前述したように、CIA本部長カーマイケルが初登場し、
  ジェントリーの今後の運命がグラッとズレる瞬間が描かれる。
  また、これまた重要キャラクターである、かつての現場指揮官ザック・ハイタワーも登場。
  ここでのザックとの関係性と話の終わり方が、5『BACK BLAST』に繋がる。
  「第三次世界大戦へようこそ」。
  舞台はスーダン。



 3『暗殺者の鎮魂』〜BALLISTIC〜

  個人的にはこれが一番面白い。し、これだけ単品で読んでも耐えうるかもしれない。
  気になる女、ラウラを守る為に、文字通り命を掛けて戦うジェントリー、の図。
  戦闘に関しては足手まといでしかない素人の一家を守りながら国外脱出させる前半と、
  ラウラを攫われ、1人で巨大マフィアを壊滅させる獅子奮迅の後半。
  シリーズ全体に言えるけども、防戦から反撃に転じる後半のワクワク感が凄い。
  が、ラウラとの結末は、今後のシナリオ展開を考えるとこうするしかなかったな、という大人事情。
  しかし、シリーズ全体通しての視点で見ると本作で一番重要な所は
  かつての上司マット・ハンリーの登場。
  表向きはジェントリーの処刑立会いに来たという体で、
  個人的感情によってジェントリーの窮地を救ったハンリーだが、
  そのあたりの経緯も5『BACK BLAST』への伏線になる。
  舞台はメキシコ。



 4『暗殺者の復讐』〜DEAD EYE〜

  一言で言うと「ジェントリー、濡れ衣を着せられる、の巻」(笑)。
  ジェントリーがかつて受けたのと同じ養成プログラム出身の工作員デッドアイ。
  ジェントリーと同じスキルを持ち、ジェントリーと同じ事が出来る。
  そこでデッドアイは「グレイマン」を騙ってイスラエル首相暗殺を請け負い、
  ジェントリーに汚名を着せ、自身は報酬を受け取って雲隠れしようとする。
  かくして、CIA(の代理業者「タウンゼンド」)とイスラエルの諜報機関モサド、
  両方から追われる事になるジェントリー。
  だがモサドの現地担当官は「グレイマンが道義に反した暗殺を請け負うだろうか?」
  と疑問に思い、「シュート・オン・サイト」には消極的。
  結果、ジェントリーはデッドアイを斃して身の潔白を証明し、モサド幹部に恩を売る。
  この事がアメリカ本国へ帰ってくる足がかりとなり、5『BACK BLAST』の冒頭へ続く。
  舞台は北欧諸国。



 5『暗殺者の反撃』〜BACK BLAST〜

  そして全てが明らかに!!
  シリーズ中最も謎解き要素が強くて、一気に読んでしまう。
  一方アクション面でも、ジェントリーの作戦行動が今までよりも大胆になり、
  敵方の対応も大掛かりになっていて、多くの勢力を巻き込んだ派手な泥沼に。
  再びザックと相見え、ハンリーの下を訪れ、メディアと接触し、カーマイケルに躙り寄る。
  そして、古巣であり還る場所である、厳戒態勢のCIA司令部への単独突撃。
  最強ヒーロー・グレイマンの集大成。





5作終わって、特に意味のありそうな大きな伏線はもうこれといって無いのだが…
強いて挙げれば、

・1『THE GRAYMAN』の時の雇い主、ドナルド・フィッツロイや、人質になっていたその孫娘達との再会の可能性。

・3『BALLISTIC』のラウラとの再会の可能性。

・3『BALLISTIC』で、ラウラを攫ったマフィアを潰す為に、別のマフィアを利用して裏切ってきた為、
 その別のマフィアから狙われている。

・4『DEAD EYE』で、ジェントリー自身はデッドアイの死を確認していない点。
 「あと数分放置すれば死ぬだろう」という状況で立ち去り、
 その後モサドからの報告シーンで「ヤツを殺してくれたんだな」という表現がある。
 →デッドアイ復活という展開は有り得るのでは…?

しかし、5『BACK BLAST』終了時点で「シュート・オン・サイト」指令は消滅した為、
ジェントリーの今後の動機付けがなかなか大変なんでは?説得力に欠けるんでは?という心配が。(;´∀`)










んまぁ、次の6作目も超楽しみである♪(°∀°)


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Posted at 2016/09/29 21:15:11

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この記事へのコメント

2016年9月30日 0:03
このシリーズまだ読んでないんですが、クランシー好きとしては、そのうち読まざるを得んです(´・Д・)」
コメントへの返答
2016年9月30日 13:38
僕は逆にトム・クランシーは一つも読んでないですが…

このグレイマンにも言える事ですけど、
シリーズ物って、イチから読むのにはハードル高いんですよねー…w
入り込んでしまえば楽しいのがずっと続くけど、
いかんせん取っ付きにくい…( ̄▽ ̄;)

…ので、どうぞお早めに!!(笑)

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